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出来レース2

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こうなればリリー様を応援するのよ!きっと結婚したいでしょうから。未来の王妃様だもの。

私は『応援します!』と、ものすごく強くアピールするのよ!
よし、そうと決めたら即行動よ!

「エリザベス様」
「はい。」
「リリー様がお話があるそうです。中庭でお待ちしております。との事です。」

これはチャンスだわ!棚からぼたもちよ。
でもおかしいよね。私を呼びに来たのはセス様の付き人だよね?何故、彼が私を呼びにくるのかしら。

「エリザベス様、お待ちしておりました。」
私を見て、ニッコリ笑っている。何だか作り笑いみたいで、気持ちのいいものではないわね。
一目見た時に思ったけど、婚約者候補で1番可愛いのはこの子だわ。色白、ダークブラウンのストレートでサラサラの髪。

「お話とはどのような事でしょうか?」

嫌な予感がするわ。

「私、婚約者にはエリザベス様を応援いたします。」

「…え?」

「貴女はとても綺麗ですし、ミリオン侯爵の令嬢。私などよりずっとお似合いだと思うんです。だから応援します。」

ちょっと待って!冗談じゃないわ!

「何故…私なのでしょうか?ルーシー様でもよいと思うのですが。」

「駄目よ。ルーシー様は既に最有力候補。けれどセドリック様が選ぶかどうかは解らないです。そうなると私達のどちらかが選ばれてしまうの。私は結婚するつもりなどありませんので、応援いたします。」

「…ちょっと待ってください!」

「では、宜しくお願いしますね。」

「ちょっ…」

お願いされても困るのよ!
結婚するつもりがないのはこっちも同じよ。

候補3人

エリザベス
ルーシー
リリー

その中の2人に応援されてしまったら、私はどこにも逃げられないよね…。

いきなり崖っぷちよ!


趣味を聞かれた時、何故『毒草をこよなく愛してます』って言わなかったの。こう言っておけば、候補から外れていたかもしれないのよ。


とりあえず、ご飯よ!
お腹がすいてると、いい考えも浮かばないというものよ!



「顔色が悪いが…大丈夫なのか?」
「…大丈夫です。」
食べ過ぎただけよ。
「食べ過ぎか?」
「…違いますわ。」
何故わかるのよ…。
「ならいいが、辛ければ言え。」

…帰らせて貰おうかな。いろいろありすぎて精神的に疲れたしね。

「ありがとうございます。午後の授業は受けられそうにないので、これで失礼します。」
「送っていく。」
ありがた迷惑よ。
「いえ、寮まで10分ほどですので。」
「途中で倒れたりすれば、俺が見捨てたようになる。」
見捨ててください。永遠に。
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