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入学当日 王太子様とお茶会…
「…どうした?震えているが。」
「…あまりにも緊張してしまって。」
そりゃそうなるわよ!
お父様、入学しましたが卒業させてください。だって侯爵家を不幸にする男が目の前にいるのよ。
この王太子様、私からお花を買ってくれた事のある男の子だと思うの。一昨日の夢に出てきた子。
黒髪で深い青の瞳は、この国では珍しい…。ううん、そんなのは探せばいるわ。問題は左手にある十文字の火傷の痕。
あの男の子にあったと思うんだよね…。絶対にあったわ。
王太子様にも同じものがあるのよ。
火傷くらい珍しくないよね。うん、大丈夫。これはあの子じゃない。王太子が、あんな汚い所にいるはずがないもの。
私の過去を知っているはずがないよね!
もう何でもいいわ。早く私以外を選んください。そうすれば必要以上に接する事はなくなるもの。
「……」
…なぜか王子に見られてる気がするわ。
「私の顔に何かついていますでしょうか?」
「…いや。」
「ふふ、それは良かったです。」
ほんっとうによかった!!
やっとお茶会終了…。侯爵令嬢とよばれる者になってから、私が1番疲れた日だわ。メンタルは雑草並みに強いと思っていたけれど…。
婚約者候補3人。ここからふるいにかけられるんだよね。いつものようにオタクとしてふるまっていれば、恐らく私は選ばれない。王太子様は『毒草オタク女は無理だな』ってきっと言うはずよ。
嫌われる為に頑張らないと!
・・・・
「……っしまった!寝坊したっ!!」
次の日、私はおもいっきり遅刻した。もう11時!寮から校舎まで10分…。
初っぱなから、午前の授業全部サボり状態よ…。
誰か起こしてくれてもいいよね…。『エリザベスさん遅刻ですよ』とか、そんな優しさはないのかしら。この寮には。
まぁ、寝坊した私が悪いんだけどね…。侯爵の名を汚さぬようにしないと!
恐れていた事が発生したわ。
「エリザベス、お前は俺の隣の席だ。」
「はい…」
同じ教室だなんて聞いてない。しかも私だけ。これって不利だよね。
しかも隣の席で、護衛が山ほど私達の回りに…。
「私の事は護衛する必要はございませんので…。婚約者ではありませんし。」
「ついでだ。」
ありがた迷惑よ…。
「婚約者候補に選ばれたからこの学校に来たのか?」
王太子なのだから、聞かなくても知ってるでしょ…。何の確認なの。
「そうです。まさか寮にまで入れられるだなんて思いませんでしたが。」
来たくはなかったけど、邸から通える距離じゃないし仕方がないないよね。
「セドリック様、もし婚約者が早く決まれば実家に帰らせてもらえるんでしょうか?」
「最低でも1年はいてもらう事になる。」
「そうですか…。」
「嫌なのか?」
「とんでもございません。ただ早く決まった場合、邪魔者は消えた方がいいと思っただけです。」
一刻も早く、この学校から…というか、私は貴方の前から消えたいのよ。
隣の席って、私の顔を至近距離で見られるよね。私にだって何か特徴があったりするかもしれないもの、この席はまずいのよ。席替えってあるのかしら。
「……エリザベス、いつも侯爵には何と呼ばれてるんだ?」
「…リズです。」
「では俺もそう呼ぼう。俺の事はセスと呼べ。」
「セドリック王太子様…それは不味いのではないでしょうか?」
イヤよ、そんなの目立ちすぎるわ…。
「構わない。」
構わなくないの!
「では、セス王太子様」
「王太子も必要ない。」
「…セス様」
どんどん悪い方向へ進んでいるわ…。
「あの、婚約者候補だからと言って、そんなに特別な扱いは必要ありません。」
「名を呼ぶだけだろ。」
「私以外のルーシー様とリリー様もそう読んでるのですか?」
「…呼んでいる。」
「絶対嘘ね…」
「……」
しまった。この人はオウタイシサマなんだった。
「ははは…」
とりあえず、笑っておこう。
「…どうした?震えているが。」
「…あまりにも緊張してしまって。」
そりゃそうなるわよ!
お父様、入学しましたが卒業させてください。だって侯爵家を不幸にする男が目の前にいるのよ。
この王太子様、私からお花を買ってくれた事のある男の子だと思うの。一昨日の夢に出てきた子。
黒髪で深い青の瞳は、この国では珍しい…。ううん、そんなのは探せばいるわ。問題は左手にある十文字の火傷の痕。
あの男の子にあったと思うんだよね…。絶対にあったわ。
王太子様にも同じものがあるのよ。
火傷くらい珍しくないよね。うん、大丈夫。これはあの子じゃない。王太子が、あんな汚い所にいるはずがないもの。
私の過去を知っているはずがないよね!
もう何でもいいわ。早く私以外を選んください。そうすれば必要以上に接する事はなくなるもの。
「……」
…なぜか王子に見られてる気がするわ。
「私の顔に何かついていますでしょうか?」
「…いや。」
「ふふ、それは良かったです。」
ほんっとうによかった!!
やっとお茶会終了…。侯爵令嬢とよばれる者になってから、私が1番疲れた日だわ。メンタルは雑草並みに強いと思っていたけれど…。
婚約者候補3人。ここからふるいにかけられるんだよね。いつものようにオタクとしてふるまっていれば、恐らく私は選ばれない。王太子様は『毒草オタク女は無理だな』ってきっと言うはずよ。
嫌われる為に頑張らないと!
・・・・
「……っしまった!寝坊したっ!!」
次の日、私はおもいっきり遅刻した。もう11時!寮から校舎まで10分…。
初っぱなから、午前の授業全部サボり状態よ…。
誰か起こしてくれてもいいよね…。『エリザベスさん遅刻ですよ』とか、そんな優しさはないのかしら。この寮には。
まぁ、寝坊した私が悪いんだけどね…。侯爵の名を汚さぬようにしないと!
恐れていた事が発生したわ。
「エリザベス、お前は俺の隣の席だ。」
「はい…」
同じ教室だなんて聞いてない。しかも私だけ。これって不利だよね。
しかも隣の席で、護衛が山ほど私達の回りに…。
「私の事は護衛する必要はございませんので…。婚約者ではありませんし。」
「ついでだ。」
ありがた迷惑よ…。
「婚約者候補に選ばれたからこの学校に来たのか?」
王太子なのだから、聞かなくても知ってるでしょ…。何の確認なの。
「そうです。まさか寮にまで入れられるだなんて思いませんでしたが。」
来たくはなかったけど、邸から通える距離じゃないし仕方がないないよね。
「セドリック様、もし婚約者が早く決まれば実家に帰らせてもらえるんでしょうか?」
「最低でも1年はいてもらう事になる。」
「そうですか…。」
「嫌なのか?」
「とんでもございません。ただ早く決まった場合、邪魔者は消えた方がいいと思っただけです。」
一刻も早く、この学校から…というか、私は貴方の前から消えたいのよ。
隣の席って、私の顔を至近距離で見られるよね。私にだって何か特徴があったりするかもしれないもの、この席はまずいのよ。席替えってあるのかしら。
「……エリザベス、いつも侯爵には何と呼ばれてるんだ?」
「…リズです。」
「では俺もそう呼ぼう。俺の事はセスと呼べ。」
「セドリック王太子様…それは不味いのではないでしょうか?」
イヤよ、そんなの目立ちすぎるわ…。
「構わない。」
構わなくないの!
「では、セス王太子様」
「王太子も必要ない。」
「…セス様」
どんどん悪い方向へ進んでいるわ…。
「あの、婚約者候補だからと言って、そんなに特別な扱いは必要ありません。」
「名を呼ぶだけだろ。」
「私以外のルーシー様とリリー様もそう読んでるのですか?」
「…呼んでいる。」
「絶対嘘ね…」
「……」
しまった。この人はオウタイシサマなんだった。
「ははは…」
とりあえず、笑っておこう。
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