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いただきます2

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「どんな姿になっても同じだよ。」
「いいから、豆になって下さい。」
「わかった。」

少し疑ってたけど、ポンっと可愛い音をたててメンフィス様は豆になった。本当になれるんだ…。『本物なんてない…。』だったら、私に見せてくれるメンフィス様の本当の姿ってなんなんだろう…。って今はそんな事考えてる場合じゃないよね。

豆を拾うと、少しずつだけどメンフィス様の力がこぼれ出てくる。
私はあの男もとへ走った。
メンフィス様の力を吸い込むのは辛くなってきたけど、まだ大丈夫。

「お帰り。早かったね。」
「早く豆になりなさいよ。私の手にメンフィス様がいるのは解るでしょう。」
「…べつに俺がこの勝負にのるつもりはない。」
「そう、メンフィス様がここにいなければ、私は本気を出せるわ。少なくとも、あなたの力を食べられるわ!」
「…顔、真っ青だけど、大丈夫?」

いつまでも余裕で笑っていればいいのよ。


「…シロ、クロ、アカ、キイロ、アオ、ミドリ、出て来て!!」

これがメンフィス様の力を持った、巨大樹からうまれてきた子供達の名前。豆になったメンフィス様から伝わってきた。
私を中心として、それぞれ言った色に床が光った。
喚び出すのにかなりの量の力を使ったから、吸い込んでいたメンフィス様の力は減った。

「リディアだ。メンフィスは?」
「ミドリ、メンフィス様と5人を24時間目覚めないお話の主人公にして!そしてそのままミドリは巨大樹の側に帰って!」
「わかった。」

ミドリがサラサラっと万年筆のようなものをはしらせる。私はミドリの手に豆をコロリンとのせた。

豆は私の手から消えてなくなった。

残りの5人はミドリと同じ顔で、髪の毛や目の色が違う。その子達も手を握って絵本に消えていった。ミドリだけの世界に。

みんなメンフィス様の魔力をわけた子供。もう巨大なメンフィス様の魔力はここには存在しない。

「豆にならない可能性を考えてないわけないじゃない。壊すメンフィス様がいなくて、一体どうするの?」
「リディアを殺す。」

メンフィス様の邸に来た時、お化けに食べられるから怖いと思ってたけど、食べる方になれば怖くないっ!

「あなた、ほとんど私からメンフィス様の力を吸いとれてないでしょ。だって私は暴走してないわ。私が吸うほうだから。私は自分が死なない程度にメンフィス様から力を貰ったわ。だから、あなたを食べ尽くすことだって出来るの。」

「……」

「あなたはメンフィス様の魔力に敗けるの」

私に勝てないと思ったのか、城にいるお化けを集めだした。
問題は、さっきからカッコつけてるけど、どうやって食べるの?
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