ごめんなさい。人間に化けてた嘘つき魔王と結婚なんてムリです！

プロローグ

「私と結婚を前提にお付き合い頂けませんか？」

「はい！」

この時気がつけばよかった。
すっごく格好いい人が、私を選んでくれるはずない。なのに、何を勘違いしたのか、私はこの人と婚約してしまった。

私も、両親も大喜び。
男爵の娘が侯爵と婚約。こんな縁談ありえない。
家柄も容姿も素晴らしい男性のもとに嫁げるなんて、本当に夢のよう。


夢であればよかったのに…。



まさか人間じゃないなんて!!

魔王…だったの。
世界を滅ぼせてしまうような。


「本当の姿を見せてくれるまで、絶対結婚はしません。っていうか出来ません。」

「…愛があれば…。」

「偽りの姿をしている魔王を愛したりはしません！」

「どうしたら好きになってくれる？ほしい物なら何でもやる。」

「なら、貴方の本当の姿を見せてほしい。」

「………」

「そんなに見られたくないの？」

よっぽど恐ろしい姿なんだわ。真っ黒いドロドロの物体の可能性だってあるのよ…

そんなの無理!!

私は普通の人間と結婚したいのよ！
どんなに贅沢な暮らしが出来たとしても、相手が人じゃない時点でお断りよ。