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今思えば唯一平和だった時期(文化祭編)
1発ぶち込んでいいかな?
しおりを挟む「気付いたら軽音楽部員全員とアンサンブルメンバーが揃ってた件について」
「あ、ごめん。マコについては一応関係あるから呼んだ…」
「先輩は悪くない、悪くないです」
「ちなみに俺も今日からクラスSだぞー」
つまりこの場にはクラスSの天才どもしかいない、と…(筆頭が姫愛ちゃんとか言わない)。
「あの、部長…。どうして、ここに…?」
蒼海、こんな近くで見ることは初めてだな。
目が合った気がしたので軽くお辞儀をしたが、彼はぴゃっと蒼空の後ろへと隠れた。
……警戒、されてるなら、是非そのままでいてくれ…。
遥斗の次に関わりたくねぇんだ…。あの性癖だけは過去の自分もなにしてんだって感じだよ…。
「で、真宮さん。話って?入部する気になった?」
「絶対嫌です。曖昧にしてた私も悪いんですが…対決について再度確認したいと思いまして」
「ルールは持ち時間各30分、アンケートにて満足度が高い部の勝ちだろ?」
「ええ、そこはいいんですよ。それに合わせて練習してますから」
「あぁ、勝った方の部長と結婚」
「しません」
「付き合うのは」
「嫌です」
「……そんな食い気味に拒否らなくても…」
「私はそんな話、一切してません!!てか会長に関してはセクハラまがいなことしかされてませんし!!好感度底辺どころかマイナスはあれどプラスはありえません!!」
「ちょっと待って真宮ちゃん、その話お兄さんに詳しく聞かせて今すぐ訴える」
「お兄さんじゃなくて先輩でしょう!?あと出来たら双子の片割れも一緒にいいですか」
「そっ、そら、なんかしたの!?」
「えっ、俺確定!?まだなにもしてないけど!?」
「まだって言ったぞこの人…」
「充分してるわ!!媚薬の実験台にしやがって!!エロ同人誌みたいに、エロ同人誌みたいに!」
「あっはっは、あんなの序の口だよー?それにその後ちんこ蹴りあげたのは誰かなー?」
「正当防衛です」
「真宮ちゃん、危ないからこっちおいで」
なんか恐怖を感じて誘われるまま透真先輩の後ろへと隠れた。
────先輩、腹筋は勿論だが、全体的にしっかり鍛え上げられてるなぁ。
夏服となり薄着だから、抱きついた手や腕から程よく引き締まった腰周りを以前より感じる。
「あの、真宮ちゃん…?なんか、当たって…そろそろ、ヤバいかな…///」
「へ…………っ、あぁ!!ごめんなさい!!」
「真宮!腹筋なら俺も悪くないぞ!?」
「柊崎先輩まで参戦しないでください!!」
やばい、本題を忘れるところだった。
こほん、とひとつ咳払いし再度部長ズに向き直る。
────2人の視線は透真先輩に突き刺さってるが、今は無視しよう。ごめん、先輩。しばらく盾になって。処女の危機だ。
「まず、私が提案したのは対決です」
部の存続には最低でもどちらかの条件を満たさないといけない。
ひとつは夏休み開始時点で部員数が4人以上であること。もうひとつは、存続に値する功績を残すこと。
他の部とは違い、(現時点で)大会がない軽音楽部に功績を残すのは難しい話。
なら、部員を増やした方が手っ取り早い。なんで私かはわからないが(まぁ夢小説補正だろうけど)勧誘するのは間違いではない。
ただ、私は猛烈に入りたくない。処女の危機もそうだが、管弦楽部の年間スケジュールを受け取ってから兼部は無理だと判断した。
だってこの先8月に大会、10月に3年メインの定演、12月のクリスマスは1,2年主体でクリスマスコンサート、その数日後の大晦日にはジルベスター、3月には卒業コンサート!いくら強豪でもこのスケジュールはなんなんだとびっくりした。それに不本意だけど学年代表としての仕事もあるしね。これ以上増えたら私倒れるわ…。
他の生徒もきっとそんな感じ。どこも確かな実績を持ってるから忙しいだろう。すると、功績を残すしかない。
分野は違えど同じ音楽。全国常連の管弦楽部を上回れば管弦楽部と同等の実績を残したと言っても過言ではない。
実際、原作ではそう認められ存続を勝ち取った。
それに、毎年使われない屋外ステージを使いたいってのもあって対決を提案した。
「なるほど…万が一、億が一軽音楽部が勝てば功績を残したとして存続の条件を満たしたと判断するのか」
「それなら部員数も今まででいいと。────本来ならな」
「────え?」
悟の目線が諒太郎へと向けられる。
どういうこと?
「クラスメイトなら知ってるだろう、諒太郎の順位を」
「俺の隣だから…19位、だよね?」
秀くんの言葉に諒太郎はびくりと肩をふるわせた。
「ごっ、ごめんなさい、僕が、成績落としたから…っ!」
「いいんだよ。初心者に色々押し付けちゃった僕たちが悪いんだから」
「むっ、むしろ、諒太郎くん、頑張ったよ…!」
「真宮さん。なんで部活動に所属必須か知ってる?」
「学校方針の文武両道、ですよね」
「そうだ。部活動で実績を出しても本分である学業を疎かにしてはならない」
「成績を著しく降下した部員数が全体の3分の1にあたる部活動は学生の本分である学業を蔑ろにする恐れがあるため、存続は認められない────だっけ?」
「つ、つまり、対決で勝ってもそれに該当するため、存続が認められない、と…?」
原作では諒太郎が常に1位だったからこの話は出なかった。
そんな校則があるのか…!盲点だった…!!だって成績落とすとか思わないじゃん!!
対決の意味!!!!
「だからお前が欲しい」
「は?」
「姫愛、一応せんぱい、一応会長!拳抑えて!」
「なにか間違ったこと言ったか?」
「1発ぶち込んでいいかな?」
「俺はぶち込みたい」
「そろそろ本気で訴えるぞ北御門。そして真宮、1発なら許す。何があっても揉み消してやる」
「ありがとうございます部長。遠慮なく」
はー、と拳に息をかけ、渾身の力とセクハラへの恨みを込めてボディアッパーを腹へとぶち込む。
ゔっ、と蹲る姿にちょっとスッキリした。許しはしないがな。
ダイエットにとフィット○クシングやってた甲斐があった。
────諒太郎や蒼海、秀くんが震え上がってたが無視しといた。
「部員が1人でも増えれば3分の1じゃなくなるからねー」
「だからって私じゃなくても…」
「見たでしょ、部活紹介」
────「わ、本当に会長がこんなチャラついた部にいるのかよ」
「特に大会も実績もないんだろう?なんのためにやっているんだか…」────
「────…」
「聞いたよ、あの空気の中、真剣に聞いてくれたのは君と諒太郎くんだけだって」
「え、演奏聴いて入りたいって思ってくれる人がいるかもしれないだろ!?」
「あるかもしれないけど、可能性は限りなく低い。なら、確実な手を使いたいじゃない?」
────夢小説の強制力はここまで強いのか。
ここまで来たら、入る他無さそうだ。
「────わかりました」
「真宮ちゃん…?」
「ただし、条件があります」
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