傍観主でいさせてくださいっ!〜最強設定愛されトリップ夢主は貞操を守りたい〜

Sio*

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閑話

☆★南雲蒼空の違和感

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初めての事だった。
あの表情を見たくてヤったことなのに、見たくない、させたくないと思ったことは。






「────ナニコレ」


「連絡先。私たち、体の相性良かったじゃない♡だから───」


ビリ、とそのメモ紙も破り捨てる。
なにキモイ事言ってるんだ。


「二度とねーよ、ドブス」


その女の太腿に残る白濁液に吐き気がした。



「げーっ、…ごほっ」


酸っぱい胃液の味と水の流す音がこの空間の全てだ。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
空っぽになるまで吐ききり、口周りの汚物を拭き取る。ペットボトルの水で口を濯ぎ、喉に残った異物を流し込めば終わり。


「あのっ、蒼空…?」


「ん、どうしたの蒼海。まだ早いけど」


「えっ、と…ううん、トイレに行きたかっただけ…」


「あは、占領しててごめんね。寝るわ」


「体調悪いなら、休みな?」


「うん、アリガト」




双子の弟、蒼海は、俺と瓜二つだった。
透き通るような空色の瞳、ふわふわと柔らかいブラウンヘア。身長も同じだった。
蒼海のメガネや、俺が意図的に髪型を変えていなければ、誰も見分けが付かなかっただろう。
あの事件までは。










「ふふっ、かわいいねぇきみたち」


「くそっ、離せ!何が狙いだ!」


「そら、そらぁ…!」


「ん?なにも怖くないよ~、気持ちいいことするだけ♡」


大病院の跡取り息子。おかげか俺たちはよく誘拐されそうになっていた。
そのため普段は護衛なんかがいるのだが、この日は偶然が重なり、ふたりきりになってしまった。

吐き気がするほどのフローラルな臭い、凶器のような赤い爪、ギラギラした獣の目。不気味な笑い声。
全てが怖かった。でも、俺はお兄ちゃんだから、怖がりの弟を守らなきゃいけない。


「私こっち~♡」


「ふふ、好きねぇ。じゃあ私はこっち…♡」


まずい、そう反射的に思った俺は、近付く手に噛みつき、比較的自由の利いた足で腹に蹴りを入れる。


「っぐ…!なにすんのよこの糞ガキっ!!」


「かはっ…!」


尖ったヒールが手に食い込む。
痛い、痛い、痛い。


「邪魔されないよう縛っちゃいなさい。…さぁぼく、楽しい時間の始まりよ♡」




そこからは地獄だった。



手も足も縛り直された俺は椅子に固定され、声を封じられた。蒼海のされていることをただ見るしか出来なかった。

全てを脱がされ縛られた蒼海の口の中には爪の長い指が突っ込まれ、ぐちぐちと変な音が鳴る。
乳首と臍はべろべろと舐められ、指先でぐりぐりと弄られる。
ちんこは咥えられ、じゅぶじゅぶと聞いたことないような音を立てていた。


このように蒼海は俺たちを誘拐した女3人に回され、いやだ、こわい、たすけてとうわ言のように繰り返す。


「んー♡幼いっていいね♡とっても新鮮で美味しい…♡」


「ちょっとー、独り占めしないでよー?」


「順番覚えてる?私が先よ、1番に目を付けたんだから」


吐き気のするような会話。
蒼海のちんこは、飲み込まれていった。


「っ、あ♡君の幼ちんぽ♡きもちい♡」


「じゃ、その間、こっち舐めてて…」


蒼海はまた、泣きながら鳴いた。
お兄ちゃんなのに、守れなかった。ごめん、ごめんな、蒼海。



目を逸らしたい事態だけど、逸らしちゃダメだ。目に焼き付けろ。
俺は誓った。必ず復讐すると。






その後、行方不明になった俺たちを探してくれた護衛たちに保護してもらい、その犯人としてヤツらは警察に突き出されたが未成年であること、女性であること、そして、身内に権力者がいることから、あのクソどもはたいした罰も受けず今ものうのうと暮らしている。

この一件以来、蒼海は俺以外の人間────特に女性を怖がり、家どころか部屋から1歩も出なくなった。
そんな蒼海を親父は情けないと憤った。
透き通った瞳は濁り、光を映さなくなった。
蒼海は、壊れてしまった。
俺はどうすればあいつら────女に復讐できるかを考えた。
出来るなら、同じ目に遭わせたい。
人生全てを壊したい。
俺の半身の蒼海をこんな目に遭わせた罪を償うなんて烏滸がましい。一生苦しめさせる。







「あの、…南雲くん…!」


中学に上がると、背が伸び、女に声掛けられることが多くなった。
────これを利用するのはどうだろうと。


好きだと伝えられたそのくちびるを手で塞ぐ。
びっくりして抵抗する手を縛り付け、濡れてないまんこに対して立ってないちんこを突っ込む。
なにか呻き声が聞こえ、赤い雫がぼたぼたと落ちるが、気にせずそのまま律動を続けた。


水音がし出すと、痛みで顰めていた顔も再び蕩けた。
しかし、嫌悪感しかない女なのに刺激すれば反応するんだな。あー嫌になる。
────ん、そろそろ出そう。俺はそのまま中へとぶちまけた。






「な、南雲くん…!」


「なに、黙ってて」


しばらく。
その女を含め、声を掛けてきた女数人を犯した。
中に出した時、「子供が…!」と顔を歪ませる瞬間に、復讐心が少しだけ満たされる。のに、慣れたのかそれさえ蕩けた顔で受け入れていた。
そんな顔に苛立ちが募るばかりだった。







「ねぇ、南雲くん!」


「なに」


「なにって…なんで私以外とシてるの!?」


「なんでって、…誘われたから」


「この、…浮気者…っ!」


「は?なんで」


そう言うと、その女は顔を真っ青に染めた。────ふぅん。


「わた、わたしたち、付き合ってるんじゃ…」


「勘違い乙ー。俺別にそんなこと言ってないし、他にもいるし」


性交が告白の返事とか、どんだけなんだこいつは。思わず鼻で笑ってしまった。
女はぼろぼろ涙を零して走り去った。
はは、いい気味だ。中に出した時より、復讐心が満たされた。



それから俺は特定の女と複数回することはほとんど無かった。
来る者拒まず去るもの追わず。
全員1度限りで、その場で捨てる。1夜限りと思ってる奴にはわざと複数回寝た後に捨てる。その時の絶望顔といったらたまらなかった。
中には妊娠した、と訴える奴もいたが、腹を殴って強制的に下ろしたこともある。あの時はスッキリしたなー。


しかし、こんなことを繰り返してると体裁を気にする親父がさすがに黙っていなかった。
気付いたら男子校同然の聖櫻に放り込まれていた。────まぁ、蒼海が怯えずに済むならいいだろう。

そんな蒼海が軽音楽部に興味を示した。生徒会長が部活に入ろうとしない俺たちを誘ってくれた。
なにかを抱えてる人達が集まり、その想いを音楽にぶつけるんだと。
蒼海に関しては安心してても、復讐ができないこの状況にむしゃくしゃしていた俺は暇だからとそれを受け入れた。蒼海も俺がいるからと続いた。


それからは平和だった。
部長も、ハル先輩も、ナカセンも、とても優しかった。俺たちの過去を泣いて、怒ってくれた。
親父にすら「男2人で退けられないとは鍛え方が足りん!」と言われたのに。
その後引きこもった蒼海に対しての態度は酷いものだったのに。
頑張ったね、苦しかったね、もう大丈夫。そのたった一言に、俺たちは救われた。


この居心地のいい場所を壊したくない。
そのためには新しい部員を迎え入れないといけない。
部長は学年代表になるだろう聖櫻唯一の女を入れるのを遠慮していたが、それが1番の方法なら取って欲しいとお願いした。



今日は勝負の日。
ハル先輩は体調崩して休み。俺たちでなんとかしないといけない。
でもどうやって?今までずっと音楽に関してはハル先輩に頼りきりだったのに。
焦りと、不安と、恐怖と。綯い交ぜになったまま上がった壇上では、部長への心無い言葉が飛び交った。


「部長…!」


なにか、なにか言わないと。部長が落ちてしまう。
あんなに、あんなに助けてもらったのに、俺、まだ返せてない。
だめだ部長、落ちないで────





「みんな、先輩たちが私たちのために練習してきてくださったんだよ。ちゃんと聴こうよ」



その音は、救いの手だった。





今の声、女…?
きっと聖櫻唯一の女。
こんな男だらけの学院に入るなんて、とんだ阿婆擦れだと思った。
近付くなら前のやつらと同じようにしてやるつもりだった。



「────っ!」



くちづけたい。啄むように、慈しむように。
口を開けたら舌を絡めとり、吸い付き、息を奪って唾液を交わしたい。
ぐずぐずに蕩けたまんこを、昂ったちんこで穿いて、声が枯れるまで喘がせたい、その声は、俺にだけ聞かせればいい。
中に限界まで出して、孕ませて、産ませて────そして。


そこで気づいた。
何を思っているのだ。
俺は、女に対しては、復讐しかない。
なのに、何故


その違和感を確かめるため、翌朝さっそく寮へと訪ねた。
秘密裏に開発していた媚薬を使って犯そうとした。
今まで、別の女には感じたことない感情。すぐ突っ込むことなく、キスして、触れて、ぐずぐずにして。
途中までは彼女も求めていた。それに応えようと足を開こうとしたら、ぽろり、と涙を零した。

──何故、どうして?

その涙を見た瞬間、泣かせたくないと思った。
いつもなら、復讐心が満たされるはずなのに。
その涙を拭って、口付けて、大丈夫だよ、怖いことしないよ、と甘やかしたい。
手を伸ばそうとすると、下半身に鈍い痛みが広がった。


「ぐぁ…っ!」


蹴った。あの女、思いっきりちんこを蹴りやがった…!
初めての痛さと衝撃に立ち上がることもできず、フラフラと歩き出す彼女を見送ることしかできなかった。


俺に靡かない女。もしかしたらそれが違和感かもしれない。



「フッ、おもしれー女……いてて」


待ってろ真宮姫愛。
いつかお前を俺のものにするから。





初めて交わした口付けは、想像以上に甘くて傷だらけだった心が少しだけ癒えた気がした。


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