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信じたくないプロローグと決意
サブキャラモブキャラ万歳!!!!
しおりを挟む「そういえば、姫愛ちゃんは管弦楽部に決めたの?」
「あ、はい。でもなんで知って───」
「さっき速達でヴァイオリンが届いたのよ」
「へ?」
『今メンテナンス中だと時間もかかるし、取りに行くのも面倒だろう。俺のセレクトで申し訳ないが、大人数で弾くには合うと思う物を選んだ。しばらくはこれを使ってくれ』
ふ、副会長────!!!!!!!!
副会長に(買って)貰ったヴァイオリンは妙に手に馴染んだ。
弓も用途に合わせて複数あるし、松脂や肩当て弦の替え、更にはとても可愛いケースまで…。なんとお礼をすればいいのか…。
姫愛ちゃん、確認したら親に月15万振り込んでもらってるみたいだからなにかしらお礼した方がいいよね…貰ってばかりだし…ごめんね、少し使わせて…。
しかし何が良いものか。楽器関連?でも何が入用かわからないしねぇ。消えものの方がいいかしら。
せっかく立派なキッチンがあるからお菓子でも作ろうかな。たしか副会長の簡易プロフィールにはさっぱり系和菓子が好きだと書いてあった気がするし。違ったらごめん。
「はよー、真宮」
突如声を掛けてきたのは、ちょっときついつり目で、肩にかかるくらいの黒髪をハーフアップにしている男子だ。眉間に寄ったシワも相まってか、ちょっとガラ悪いと言うか怖いというか…近寄り難い雰囲気を纏っている。
原作では見た事ないが───地味目だがなかなかのイケメンだ。私こういうタイプに弱い。サブキャラモブキャラ万歳!!!!
誰だ今マイナーって言ったやつ。分かってるよ。
ってそうじゃない。たしか、彼の名は───
「おは、よう?…えっと、榎並くん?」
「さすが学年代表。俺のこと知ってるんだ」
「クラスには20人しかいないのよ?覚えてるよ」
私の時は最高40人いたし、仕事は取引先の玄関口でもあったからそれこそ何百との人とやり取りしてたし!20人くらい余裕よ、余裕!!
「ははっ、そっかー」
にぱーっと笑うと、纏っていた近寄り難い雰囲気が消え去った。
おお、ますます好みのキャラだ。こういうタイプが結婚したいのよ、わかる?
ちなみに良さが分かったのは20代後半になってからです。
「俺も管弦楽部なんだ。このクラスじゃ2人だけだからよろしくしてくれたらと思って」
「そうなの!?それはよろしく!!楽器は!?」
「ん?────アレ」
顎を向けた先には、私のヴァイオリンケースより数倍もあるシンプルでありながら品のあるハードケースが置かれていた。
「もしかして───チェロ?」
「正解。弦仲間としてよろしく」
「もちろん!!!!」
姫愛ちゃん安心して、お友達ができたよ!!!!
「いつも1人だったから、近寄り難かったんだよな」
「えー、話しかけてよ。知り合い誰もいなくて寂しかったんだから」
「同じクラスの宗次郎ならまだしも、俺みたくクラスAじゃ接点もないしさぁ。どう話しかければいいのwww」
「他クラスが話しかけたらお前絶対警戒してたろ」
「それもそうか」
交流を深めようと榎並くんをお昼に誘ったら、同じく管弦楽部仲間の人と共にしてるらしく、仲間に入れてもらった。
彼は楸秀悟。クラスAで榎並くんとは中学が一緒だったらしい。
ゆるりとした色素が薄目の髪は、前が邪魔なのかポンパドールにしてヘアピンで止めている。透き通るような瑠璃色の瞳は伏し目がちで、左目下の泣きぼくろの色気を更に引き立てている。こんな高一いてたまるか。
ちなみに彼はヴィオラを担当してる。羨ましい。私がゲームで一番最初に惚れた楽器である。
そのため、パッサカリアやりたい!てかあと一人で弦カル!!むしろ私にヴィオラ教えて!!!!と興奮気味に話したらそれで盛り上がってしまい、一気に仲良くなれたと思う。
お陰で名前で呼び合うことになりました。
処女は大丈夫かって?聞いたら───
「は?お前なんか範囲外。ありえない。女は50からだろう。あのたるみきったお腹、垂れた胸、シワを恥ずかしがる姿、そして圧倒的安心感────小娘には出せない大人の色気というものこそ正義だ」
ばーい、宗くんこと榎並宗次郎
「え、俺?俺にはかーわーいーーーい婚約者がいるからなぁ♡(●´ω`●)次こそクラスSに入って、彼女を安心させないとね!あ、写真見る!?宗次郎はダメだよ、惚れたら例えお前でも殺すから」
ばーい、秀くんこと楸秀悟
との事なので、警戒は解いてます。ありがとう管弦楽部。平和でおばちゃん嬉しい。
焼豚がゴロゴロ入った炒飯に黄身がふたつの目玉焼きを乗せた目玉チャーハンと鶏ガラの中華風スープがとてもすすみます。
ちなみに宗くんは大盛りのしょうがとニンニクが効いた豚肉が美味しいスタミナ丼とあったまる具沢山豚汁にチキンと醤油ベースの玉ねぎドレッシングの相性が抜群のサラダ。
秀くんはさっぱりとした和風ソースが決め手のおろしハンバーグ定食。コンソメスープは今日も具沢山で、付け合せのハッシュドポテトとほうれん草のソテーもソースが絡まっている。
────明日、私もハンバーグにしようかな。
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