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信じたくないプロローグと決意
なんて消え入るようなグラデーション
しおりを挟む今日はとろとろのスクランブルエッグとジューシーなベーコンが挟まれたイングリッシュマフィンです。シャキシャキレタスがメインのサラダやゴロゴロ野菜のコンソメスープと共に頂きました。
もう太る、絶対太る。なんでこの時代にはリン○フィットが無いのだろうか。
恐る恐る扉を開けたが、とりあえず蒼空はいなかったので少し警戒を解いて校舎へと向かった。
……一瞬、柔道部と思ったけど、多分昨日と同じ結果よなぁ…。護身術習いたかった…。
「───あれ、それ…楽器?」
「Σ( ˙꒳˙ ;)ビクッ」
「そんなびっくりしなくても…」
「ご、ごめん!<font color="#ffffff">真</font><font color="#f2f2f2">宮</font><font color="#e5e5e5">さ</font><font color="#d8d8d8">ん</font><font color="#cbcbcb">か</font><font color="#bebebe">ら</font><font color="#b1b1b1">声</font><font color="#a4a4a4">掛</font><font color="#979797">け</font><font color="#8a8a8a">ら</font><font color="#7d7d7d">れ</font><font color="#707070">る</font><font color="#636363">と</font><font color="#565656">思</font><font color="#494949">わ</font><font color="#3c3c3c">な</font><font color="#2f2f2f">く</font><font color="#222222">て</font><font color="#000000">…</font>」
「なんて消え入るようなグラデーション」
黒背景白文字だから白から黒にすると消えるんだよね。しかしこれでめっちゃ文字数稼いだな。
ちなみに見にくい人のために言うと、「真宮さんから声掛けられると思わなくて…」です。どういうことだってばよ。
────ってしまった。なんでナチュラルに諒太郎に声掛けちゃったの。仲良くしたら処女喪失まっしぐらだってのに。
「うん…あの、軽音楽部、入って…ギター、やるんだ」
「そう…楽しい?」
「<font size="5">うん!すごく!</font>」
そうか。と思わず親目線になってしまった。
アニメより鮮明に動く諒太郎はかわいいな、なんて思ってしまった。
処女を奪うような真似さえしなければな。
チューニングの音が鳴り響く。
いいなぁ、好きだな、この瞬間。
その音に導かれるように、私はヴァイオリンパートがいるという第三音楽室の扉を開けた。
「恐れ入ります。仮入部したいんですけど───」
「えっ!?真宮姫愛!?」
「なんでここに!?」
声を掛けた瞬間、音楽室がざわついた。副会長が睨んでくるよぅ、怖いよぅ…。
「我々管弦楽部は全国常連。初心者は歓迎していないんだが」
「へ?初心者?」
「君、ピアノだろう?生憎だが、我が部にピアノは必要な」
「私、ヴァイオリンやってますが…」
「は?」
いや、こっちがは?だよ。
まぁ確かにヴァイオリン持ってきてないけどね!だって手元にないんだもん!
「───真宮姫愛といえば、出るコンクール全てで賞を総ナメにしている天才ピアニストでは…」
……弾けるだろうと思ってたけど、そこまでか。そうだった、この子最強設定なんだった。それくらい普通か。…………普通か?
「しかしヴァイオリンがないじゃないか。弾けるとは思えないが」
「い、今メンテに出してまして…!お借り出来たらと思ったのですが」
「ふむ……そういう事なら仕方ない。実力を見たい、テストしても良いだろうか」
使え、と副会長からヴァイオリンを受け取った。テストね…。何を弾けば良いのやら。
軽く弓を滑らせ、音を確かめる。うん、調弦は平気そう。
「そうだな……24のカプリース第24番。それくらいは弾けないと入部は認められない」
「────へ?」
24のカプリース第24番。パガニーニ作曲で、ヴァイオリン曲では有名だろう。24曲ある奇想曲のラストを飾る曲だ。
私がヴァイオリンを始めるきっかけとなったゲームにも出てくる、私の好きな曲。
ゲーム中でも高度な技術と表現力を必要とし、上手いと称されるキャラも難しいと零していた。
「どうした?さすがに難しいか?」
「いえ、確かに難しい曲ですが、つい最近仕上げられたので弾けます」
「────そうか」
元々、この曲が弾きたくて始めたヴァイオリン。他の曲と並行してとはいえ、1年かけて仕上げた曲だ。手が、耳が、覚えてる。
ひとつ呼吸を置いて、私は私のカプリースを奏で響かせた。
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