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信じたくないプロローグと決意
なんだその顔文字…!
しおりを挟む「あんた!朝ごはんは!?」
「途中で買ってく!」
思ったより量があった(違う、改行が長すぎてスクロールがえぐかった)ため、寝たのは日付けが変わってから暫く経ってからだった。
お陰で遅刻寸前だわバカヤロー。
今日は朝一で入荷処理しないと出荷間に合わないってのに!
まだ家の中なのにシャツとチノパンが張り付く。うえぇ…暑いよぉ…。
もう既に家に帰りたい気持ちをなんとか押し込め、スニーカーを履く。───あ。
「おかーさん!今日遅くなるから夕飯適当にやってくる!」
「了解」
「じゃ、いってきます!───ぎゃっ」
ドアを開けた瞬間、ものすごい突風に煽られる。
…ドア、今、とんでもない音したけど大丈夫かな…。確認したいけど、この風じゃ目も開けられない。
その風はゆっくりと弱くなり、春めいた暖かさを感じた。────は?
恐る恐る目を開けると
「────雪?」
手を出すと、それはひらひらと舞い降りた。溶けない。
よく見ると、真っ白な花弁だった。
正面を見ると、その花弁と同じ色の花をつけた立派な木があった。
え?今夏じゃないの?猛暑日って言ってたよ??その前にここどこ!?
てかなにこのワンピース!?ボレロ!?白ニーソ!?!?!?足太く見えるじゃん!?!?!?丈短いっての絶対パンツ見えるやんけ。
訳の分からなさに頭を抱えていると、ほんのり見覚えのある制服に身を包んだイケメンが声を掛けてくれた。
「こんにちは、新入生さん。ご案内しますよ(*^^*)」
「は、はぁ…アリガトウゴザイマス」
なんだその顔文字…。
笑顔は爽やかなんだけど、なーんかちょっと胡散臭い…いや、息が荒い…?
周りの視線も痛いというか熱いというか…なんなんだこれ。アラサー喪女をそんな目で見てもなにもないですよー。あなたたち見た感じ高校生でしょー。手を出したら犯罪だっての。
辺りを見回すと、所々見覚えのある場所を見つけた。なんだっけ、何で見たんだ…?
「入学おめでとうございます。聖櫻唯一の女子生徒である貴女を案内出来て光栄です(*´д`*)」
「はぁ…あ?」
なんだその顔文字…!
じゃなくて、せいおう?唯一の女子生徒…!?
「入試満点なんて、歴代最高ですよ!尊敬します.。.:*・'(*°∇°*)'・*:.。.」
もう顔文字には突っ込まねぇ。それより
ま ん て ん … ! ?
「新入生代表の言葉、楽しみにしてますね(´∀`*)ノシ」
わたし は あたまを かかえた!
わわわわ私そういうの苦手なんだよ…!嘘だろ、色々整理したいのにそんなのがあるなんて勘弁してくれよ…!!
いや、こういうのは前もって知らせているはずだから、原稿があるはず…!
誰のかはわからんが、ごめん、漁らせてもらう!
真新しいスクバには、予想通り代表の言葉の原稿があった。ありがとう、ありがとう。
そうそう、スクバには原稿の他に生徒手帳なんかも入っていた。それによるとこの子の名前は真宮姫愛と言うらしい。
…なーんか聞き覚えあるんだよなぁ。
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