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日常、昌弘、アイドル
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「さとね、おはよー」
「おはよう、先輩♪」
「ねえねえ、昨日の音楽番組観てくれた?」
「ああ、HOYHOYHOYの特番?え?出てたの?」
「えー。せっかく!出てたのに。今度こそ前列で踊ってみせるだから!!ぷんぷん」
「はは、怒んなってさとね、これからこれから。少しずつ前のほうに行こうぜ。」
「はいはい、その通りですよ。私はどうせまだ次世代エースですよー。」
「同期のえりいや、れいちゃんはチームAなにのにな。」
「もうまたそんなこと言って、フンだどうせ私はチームBですよ。オタクの集まりのチームBのセンター候補くらいですよ。」
「はは、いいじゃんチームB。俺はオタクチーム嫌いじゃないぜ。
それにさとねはエースになれる逸材なんだから。」
もう、オタクは否定してよ!!」
昌弘はかなりアイドルに詳しい。
でも握手券を大量に買い込んだり、うちわを持ってたり、そういうタイプのファンじゃなかった。サイリウムも持ってなかったし、生誕Tシャツも買ったことがない。それどころかライブに足を運んだこともないらしい。昌弘って、周りのスタッフや先生たちや、ファンの人たちともなにか違う。異性としてみるのとは少し違う。昌弘が2つうえで私が妹みたいな感じで…ううん、兄弟ではないなあ…いつもふざけあってはいるけど、恋人でもない、うん、友達だ!私にも友達ができたんだ、アイドルをやるしかなかった、こんな不器用な私に、ケラケラ笑い合っていつしか私にとって昌弘は友達以上になっていった。友達以上恋人未満。この夏に終わってほしくなかった、この恋に。
ある時昌弘からアイドル論を聞かされたことがある。
「さとねはさあ、アイドルとしての才能には恵まれてると思うよ。
顔可愛いし、身長もちょうどいいくらいだし、子供なりに劇場のMCとか頑張ってるし磨けば光るものいろいろ持ってると思うよ。先輩受けもいいし、後輩も受けもいい。
でもさ、アイドルってそれだけじゃダメなんだよね!
磨けば光る、そういうものたくさん持ってるっていうのも大事だよ。
でもね、その磨いてきたものがあっという間に凌駕されていく、これ!こいつ!まってました本物!!!ていう、アイドルやる上で一番大事なもの、「センス」ってのを持ってる子には正直さとねが勝てるとは僕は思わないんだ。さとねにはその「センス」が決定的に欠けてる。それは努力だけじゃ手に入らない、生まれ持っているものでも、いくら頑張っても欲しいと思っているだけじゃ手に入らない、とてつもない才能「センス」。誰でも持てるわけじゃない。育った環境がその「センス」を決める。アイドルとして育ってきたその環境や、それ以前の子供時代をどうやって過ごしたか?によるところが大きい、才能「センス」。ごくまれに生まれ持ってその「センス」っを持っているアイドルっているんだ。僕がいつも惹かれるアイドルは、そういう「センス」の持ち主だったりするんだ。川栄李奈しかり島崎遥香しかり、もちろん、指原莉乃も。「センス」の塊だよ。あの子たちは。」
その時はわからなかった。彼が何を言いたいのかを。昌弘って訳がわからないことを言うね。妙にアイドルに詳しいっていうか、前世アイドルヲタク??って疑いたくなる。何で俺にはわかるんだみたいに言うのかしら。
その時は、はっきり言わなかったけど、昌弘はひょっとして、本当に今流行りの「なろう」系の作者たちがこぞって使う異世界転生者で、本当は35歳の私のファンのおじさんなのかもしれない。そんなわけないけど。
「おはよう、先輩♪」
「ねえねえ、昨日の音楽番組観てくれた?」
「ああ、HOYHOYHOYの特番?え?出てたの?」
「えー。せっかく!出てたのに。今度こそ前列で踊ってみせるだから!!ぷんぷん」
「はは、怒んなってさとね、これからこれから。少しずつ前のほうに行こうぜ。」
「はいはい、その通りですよ。私はどうせまだ次世代エースですよー。」
「同期のえりいや、れいちゃんはチームAなにのにな。」
「もうまたそんなこと言って、フンだどうせ私はチームBですよ。オタクの集まりのチームBのセンター候補くらいですよ。」
「はは、いいじゃんチームB。俺はオタクチーム嫌いじゃないぜ。
それにさとねはエースになれる逸材なんだから。」
もう、オタクは否定してよ!!」
昌弘はかなりアイドルに詳しい。
でも握手券を大量に買い込んだり、うちわを持ってたり、そういうタイプのファンじゃなかった。サイリウムも持ってなかったし、生誕Tシャツも買ったことがない。それどころかライブに足を運んだこともないらしい。昌弘って、周りのスタッフや先生たちや、ファンの人たちともなにか違う。異性としてみるのとは少し違う。昌弘が2つうえで私が妹みたいな感じで…ううん、兄弟ではないなあ…いつもふざけあってはいるけど、恋人でもない、うん、友達だ!私にも友達ができたんだ、アイドルをやるしかなかった、こんな不器用な私に、ケラケラ笑い合っていつしか私にとって昌弘は友達以上になっていった。友達以上恋人未満。この夏に終わってほしくなかった、この恋に。
ある時昌弘からアイドル論を聞かされたことがある。
「さとねはさあ、アイドルとしての才能には恵まれてると思うよ。
顔可愛いし、身長もちょうどいいくらいだし、子供なりに劇場のMCとか頑張ってるし磨けば光るものいろいろ持ってると思うよ。先輩受けもいいし、後輩も受けもいい。
でもさ、アイドルってそれだけじゃダメなんだよね!
磨けば光る、そういうものたくさん持ってるっていうのも大事だよ。
でもね、その磨いてきたものがあっという間に凌駕されていく、これ!こいつ!まってました本物!!!ていう、アイドルやる上で一番大事なもの、「センス」ってのを持ってる子には正直さとねが勝てるとは僕は思わないんだ。さとねにはその「センス」が決定的に欠けてる。それは努力だけじゃ手に入らない、生まれ持っているものでも、いくら頑張っても欲しいと思っているだけじゃ手に入らない、とてつもない才能「センス」。誰でも持てるわけじゃない。育った環境がその「センス」を決める。アイドルとして育ってきたその環境や、それ以前の子供時代をどうやって過ごしたか?によるところが大きい、才能「センス」。ごくまれに生まれ持ってその「センス」っを持っているアイドルっているんだ。僕がいつも惹かれるアイドルは、そういう「センス」の持ち主だったりするんだ。川栄李奈しかり島崎遥香しかり、もちろん、指原莉乃も。「センス」の塊だよ。あの子たちは。」
その時はわからなかった。彼が何を言いたいのかを。昌弘って訳がわからないことを言うね。妙にアイドルに詳しいっていうか、前世アイドルヲタク??って疑いたくなる。何で俺にはわかるんだみたいに言うのかしら。
その時は、はっきり言わなかったけど、昌弘はひょっとして、本当に今流行りの「なろう」系の作者たちがこぞって使う異世界転生者で、本当は35歳の私のファンのおじさんなのかもしれない。そんなわけないけど。
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