婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

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12.夜の出来事

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*12.夜の出来事




 僕が作ったのに、シシェルはそれを僕に食べさせたいようで、今回も僕が自分で口に含んだものを嚥下したのを見計らいスープだったりおにぎりだったりを食べさせられた。給仕がどんどんと給餌の方に向かっている気がする。
 夜は風呂が入れないので生活魔法の浄化で済ませた。
 なのに、シシェルは一冊の本を取り出しその一枚を切り剥がして、こちらも用意していたのだろう桶に紙を翳して「恵みの水」と簡易に呪文を唱えた。
 紙は両脇から青と赤の色を生み出し消えていった。そして、シシェルが手を退ければお湯が張られた桶があった。

 わずかな魔力は生活魔法に充てられる。
 魔力の高いものは魔法を使えるが、そこまでに至らない人たちは魔法陣書という魔法陣が描かれた紙に自身の魔力を与え魔法を使う。
 この魔法陣書は一冊一冊が魔術師の手作りで魔力が込められている。それなりに高額で売られており、上級貴族だっておいそれと購入することは出来ない。
 それをあっさりと使い、桶にお湯を張ったシシェルはそこにタオルを浸した。

「?」

 なにをするのだろうかと見ていたら、椅子に座っていた僕のところにやってきて、「靴を脱がせるぞ」と声を掛けて来た。
 靴を脱がせてどうするのかと思ったら靴下も取られ、ホカホカのタオルに包まれた。

「!」

「外ではの程度が限界だ。城に戻ったら再開するから今日はこれで我慢してくれ」

 今日の疲れを労わるように、シシェルが僕の足を温かいタオルでマッサージをしていく。

「僕の為に、貴重な魔法陣を使って…も、勿体無いです!」

 日本人の僕なら言える。MOTTAINAI精神。
 言ってくれればお湯なんてじゃんじゃか出すし、更に言えば僕の足なんて拭かなくてもいいのに!

「そうは言っても、お前は私がお前の足を拭くために湯なんて出さないだろう?」

「当たり前です! 今だって止めてほしいくらいなのに!」

「ほらな? 私はお前の世話を焼くのが楽しいようだ」

「貴方にこんなことさせて平気なのは、よっぽど物知らずな平民くらいです!」

 貴族だったら今の僕みたいに青褪めて殿下お止めください! と泣いて縋る程の蛮行だ。きっとこの状況は不敬な振る舞いだと糾弾されてしまう。
 でも僕だってね、何度も第三殿下に止めてくれとお願いしたのに一切聞き入れてもらえなかった。このまま城に行って僕の命は大丈夫なのか。Bランクの冒険者になるまでは無事で居たい。勿論、五体満足で。

「…物知らず…そうか…」

 何かを考え込んでいたシシェルがそう呟いた。
 核心を突いた表情にも見える。
 それから使い終わった湯で焚き火を消して、外を片付けテントに入った。明日の朝は今日の昼と一緒で簡易に済ませる予定なので焚き火グッズも仕舞った。
 そして、テントの中を確認して後ろからやってきたシシェルを見た。

「これなら快眠できるだろう?」

 大人二人分のふわふわ、分厚い、これ本当の寝袋なの? っていうそれが並んでもまだ余裕のテント。しかも、テントだっていうのに、これまた分厚い絨毯が敷かれていて、素足でも痛くない。
 これ、テントなの? とビビリつつ寝袋に包まれて、僕は秒で落ちた。これは寝袋なんかじゃない。高級羽毛布団の感触である。
 今日の森歩きもあって疲れが溜まっていた僕は、一度も目を覚ますことなく朝まで熟睡した。夕食を作っている最中に結界を張って、更に妖精にもお願いをしたのは間違っていなかった。
 危うく結界を張ることを忘れて寝てしまうところだった。



 朝起きて、シシェルに服を整えられ、髪を結われ、装飾を施されて漸く目が覚めた。
 キラキラな自分の見える部分を確認して、これは囮として使われるんじゃあ…と不安になったが、シシェルだったら囮なんて必要ない。魔獣なんて瞬殺だ。
 昨日から順々に妖精が目覚めているお陰か、魔獣もそれほど数が出ない。寝るときは結界を張るから危ないこともない。

「朝まで魔獣が近づくこともなく、ここが本当にヒディルの森なのかと錯覚する程の結界を張れるとは…さすがだな」

 シシェルは結界の存在に気付いていたようだったが、朝までという言葉に僕は小首を傾げた。もしかしてシシェルはグッスリと寝ていた僕と違って、朝まで寝ずの番をしていたのじゃないか?
 見た感じ徹夜した風ではないけど、きっと寝ていないんだろうな。
 僕が癒せるのは怪我や肉体的疲労がやっとだ。睡眠不足だったり精神疲労はどうやっても癒せない。
 シシェルが夜の番がないと不安だって言うのなら僕も交代で見張ると、後で伝えておこう。


 朝食にはスコーンにジャムをつけたものと、ふわふわカステラを鞄から取り出した。僕には丁度いい甘さだけど、シシェルは甘いもの大丈夫だっただろうか。
 チラリと窺えば、問題なく食べているようで安心した。そして、シシェルが持っていた塩気の効いた干し肉を千切って食べさせられた。

 重装備だったテントをテキパキと片付け、森歩きが再開した。
 精霊を起こすことが目的なので、森をぐるぐる歩いている。僕一人だったらきっと迷子になるような道筋だ。
 僕が存在している半径何メートル内の妖精が起きるなんて図ることが出来ないので、こんな具合になっている。
 まっすぐ歩いても問題ないくらい妖精が目覚め始めていると伝えても、シシェルはとりあえず三日間は念入りに散策すると宣言した。

 昼食はゆっくりと座る場所がなかったので、岩肌に腰を据えて簡易に食事を終えた。疲労した身体に治癒の魔法を使い、すぐに午後歩きを始めた。
 森の木々は多い茂り、空気はじっとりと湿ってはいるが、精霊が目覚めた場所はこれから瑞々しい緑に覆われ、爽やかな空気が流れ、魔獣も数を減らすだろう。
 そうなれば、本来この森にいた動物も数を増やして、ヒディル森は生活の一部としての恵みに満ちた森に戻るに違いない。
 救世主だとか、精霊の加護を持つ人間として城に居るのは嫌だけど、こうして目に見えてこの国の人たちの為に役に立つことが嬉しい。前世の僕は、それを目標に頑張っていた。国民の幸せというものを、いつでも願っていた。

 ――あの日までは。




 その時、ザワリと森が揺れた。
 不穏な空気が流れ、何かに追われるように魔獣が四方八方から飛び出してきた。
 シシェルが帯刀していた剣を抜き、一閃すると魔獣がバタバタと倒れていく。魔力が込められているのだろうか、剣の威力は凄まじい。彼自身の剣の腕前と合わさって、派手な魔法を使っているのかと錯覚してしまう。

 体感としては一瞬のようだったが、魔獣だったものが山のように積み重ねられたそれにSランク冒険者の段違いな戦闘能力を垣間見た。
 死骸をこのままにはしてはいけないので、魔法で大きな穴を開けて魔獣の死骸を埋めた。精霊にどうしたものかと尋ねれば、幾つかの精霊がその場所に加護を与えた。岩肌が見えていたその場所には青々とした草が生え、浄化されたことが一目瞭然だった。
 僕が歩いてきた後もそうなっているのだと、シシェルに教えてもらえた。彼に付いている護衛役の人が確認の為に僕達が歩いてきた道を辿って気付いたようだ。

「お前が通った道は、精霊が見えない人間にも明らかだ」

「そうなんだ。じゃあ、やっぱりこっそりとしないと駄目ですね」

 こうも判りやすく精霊が目覚めた現象が起こるとは思っていなかった。ヒディル森を選んだシシェルは正しい。

「ここに居る間はそんな事を気にしなくても良い。今日は良い肉も手に入った。肉を焼こう」

 あの騒動の最中、魔獣を解体して分厚いステーキ肉をゲットしていたらしいシシェルに僕の口の端が引きつった。
 肉の入った包みを大事そうに鞄に仕舞うシシェルに、肉が好きなんだと知った。前世では知らなかった知識だ。
 ローストビーフに丁度良さそうな肉の塊だった。魔法で具合よく火を入れることは出来ないかな。外側はフライパンがあるし、中に火を入れるのが重要だよね。
 鉄の串を幾つか刺して、火を入れるのも有りかな。空間察知で魔力を染み渡らせて、中を焼く…出来そうだ。
 後で、肉を半分シシェルに貰おう。
 調味料は持っているもので十分賄えそうだし。

 陽が傾くにはまだ時間があったが、シシェルが今日はここまでと平たい場所にテントを張った。
 昨日と同じく設置したらしい。テントに入った影がどんどんと物を取り出していく。あの鞄が有用に使われているようで何よりだ。
 僕の方も同じく焚き火を作って、ポットハンガーを置いた。
 今日はシシェルが肉を焼くと言ったので、それ様の網とトングも取り出した。
 ちゃんと風向きにも考慮して、テントに煙が行かないように調整してある。
 テントから出てきたシシェルは晩御飯の下準備が整ったそれを見て、嬉しそうに笑った。

「お前は本当に気が利くな」

「貴方にあれこれされてばかりでは気が休まらないので、気にしないでください」

「そうか。感謝する」

「あ、あと、さっきの魔獣の肉を半分もらってもいいですか?」

「ああ、お前と半分にする予定なので構わない」

 あの肉の塊を半分は食の暴力になりかねない。全部焼いてしまう前に聞いてよかった。肉汁たっぷりのステーキを鞄に仕舞うことは出来ない。でも、シシェルだったら全部平らげてしまいそうだ。
 半分の肉でも相当な大きさだが、躊躇わず火入れすることにした。
 僕の料理の方がちょっと時間がかかるので、先に網を使わせてもらい、肉の表面をじっくりと焼く。

「その塊のままでは火が中まで入らないだろう?」

「ええ。これは外側だけ一度焼いて、後は魔法で調整しながら中を焼いていこうかと」

「また面妖な料理を作るのだな?」

「上手く出来上がるか判らないので、そっちはそっちで準備しておいてください」

「判った。楽しみにしている」

 僕の拳二つ分は軽い肉の塊に鉄串を刺して均等に熱が通るように火の魔法を使ってみた。その調理が気になったのか、僕達の周りを飛んでいた精霊がやってきた。

「表面は焼いたから、中は生焼けにならないくらいに焼きたいんだ。僕達人間は生ものを食べるとお腹痛くなっちゃうからね」

 精霊がコクリと頷く。
 纏うオーラから、火の精霊と地の精霊かな。

「肉に火は通ってるけど、血は固まっていない…であってるのかな」

 肉全体に熱が入ったようで、そのままの状態を維持する。
 火の精霊が楽しそうにみている。焼きすぎると美味しくないから加減は大事だ。火の精霊がぴょこんと動いたので魔法を使うのを止めて、使ってない鉄串を肉に刺して十秒ほど置いて、抜いたものを確認した。

「うん、出来上がってる。ありがとう」

 合図をくれた精霊にお礼を言えば、精霊は嬉しそうに飛び跳ねた。それが嬉しかったのか、周りにいた精霊もくるりくるりと踊りだし、精霊の力が解放されているのかあちらこちらで花が咲き、爽やかな風が吹いて、森全体がきらきらと淡い光を放ちだした。
 精霊の力って言うものは凄いものだと笑っていたら、視界の隅に見えたシシェルの顔は引きつっていた。あんな顔、初めて見た。口元はゆったりと弧を描いているのに、目は真顔になっている。しかも、あれは固まっているのかもしれない。

「あ、あの…」

 恐る恐る声をかければ、シシェルはハッとして、口元を片手で覆った。

「精霊の加護というものはここまでのものか。これは、早々に行動に移さないといけない」

 焼けた分は僕とシシェルの間に置かれた簡易テーブルに乗っている。サイコロ状にされているので随分と食べやすそうだ。
 なにか思案している風のシシェルの邪魔をするのもいけないと思い、そっと隣に座ってタレを作る。さっき肉の表面を焼いたフライパンの肉汁を使ってあっさり目のタレを完成させた。
 ローストビーフ(魔獣肉)を切って、タレを掛ける。これは完璧な出来栄えだ。
 インベントリから新鮮な野菜を取り出して、付け合せに盛った。

「これ、中が赤いけど火は通ってます。食べられそうですか?」

 僕が盛り付けをしているのを不思議そうに見ていたシシェルが驚きに目を見張る。

「これで完成か?」

「僕の世界の調理方法なんですが、調理とは違うかな。精霊がちゃんと確認してくれているので食べれる筈」

 パクリと一口食べてみる。
 さっぱりしたタレがバツグンに相性がいい。魔獣のあの切り口をみて牛肉みたいだとピンときた。試してみて正解だった。
 でも、生肉に見えるしこの世界の人には無理かもしれない。
 鞄に仕舞うのは嫌だけど、インベントリに仕舞えばいいか。

「これは僕が食べるんで、大丈夫です」

 シシェルの分をそっと脇に避けようとしたら、その皿を取られた。

「あ」

 器用にフォークで肉をクルリと刺して、それを口に入れた。
 モグモグと租借していたシシェルはゴクリと喉を鳴らした。

「…これは…美味いな」

 思わず零れたその言葉に、ジワジワと込み上げるような嬉しさが満ちた。

「生ではないのだな。不思議なものだ」

「もうちょっと切りますか?」

「ああ、頂こう」

 サイコロステーキと、ローストビーフという肉&肉の食事を終えると外は真っ暗になっていた。
 僕は途中でリタイアをしたけど、シシェルは全てを完食した。三分の二以上はシシェルの腹の中だ。スラリとしたその身体のどこにあの量が入るのだろうか。

「また作ってくれるかい?」

「ええ、勿論です。また、魔獣のお肉狩ってくださいね」

「そうか、私が狩ってお前に渡せばいいのだな!」

 何かシシェルの琴線に触れたのか、破顔なんてレベルじゃない程の無邪気な満面の笑顔を披露されて僕の大切な何かがスパーンと破壊された。なんて破壊力だ…。
 ヨロヨロと片づけをして、結界を貼り、シシェルに足のマッサージを受けた。お湯は渋々僕が出した。

 テントに入って昨日と同様の内装に今日の疲れがどっと攻めてくるけど、まだ落ちるのは早い。
 僕のすぐ隣の寝袋に寝るシシェルに声を掛ける。

「今日も結界を精霊と張ってるから、寝ても大丈夫ですよ」

「そうか、ありがとう」

 ニッコリと笑うシシェルに、あ、コイツ寝る気ないな? と悟った。さすがに今日は寝ないと人間の構造的に不味いだろう。
 寝袋から上半身を起こして、シシェルの方に身体を向ける。
 片手で自重を支え、もう片方の手でシシェルの前髪を避けた。

「……?」

 僕にされるがままなその姿が信用されているようで、嬉しいなんて。
 フッと笑って、額にキスを落した。

「!」

「おやすみなさい」

 精霊の加護付きの有り難いキスだ。邪まな思いなんてちっともない、ただ寝かしつけるだけのそれ。
 驚いた顔をしていたシシェルだが、突然やって来た眠気に勝てなかったのだろうすぐに瞼が閉じた。
 これでいい。
 僕も罪悪感なしに眠れる。



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