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幸せな日、世界はかわらない

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 僕が住むラント国とトワイ国の同盟が結ばれ、二年が経った。その間にラント国の第二王女様がトワイ国に輿入れして、煌びやかなパレードが行われた。
 トワイ国から優先的にダンジョンのドロップ品が流れてくるようになって、僕の仕事はとても忙しくなった。今までは便利だけれど採算が合わなくてお蔵入りになっていた魔術具も作れるようになった。
 また城に閉じこもるようになった僕に身体に悪いからと、ケルヴィン様が時折外に連れて行ってくれるようになった。
 実を言うと、トワイに居る頃、少しだけ身長が伸びていてもしかしたら僕が小さいままなのって、運動不足なのもあるかも…と口にした所、ケルヴィン様が難しい顔をした後に「城下町に出ないか」と誘ってくれた。
 そのお陰もあり、僕は順調に成長した。
 兄のカップンもヒョロっと長いので、筋肉が付きにくい体質なのだろう。ケルヴィン様と並べばまだ貧弱だけど、十八歳になって苦々しい表情をした兄に許可ももらえた。婚約をすっとばして、僕はケルヴィン様と結婚を果たした。
 そこで実感したのは、体格差というものは本当に大事なんだって…その…初夜後の感想だった。
 だって、ケルヴィン様のアレはとても大きく、騎士として身体を鍛えているから見た目は細身なのに脱ぐととってもすごかった。そして、ケルヴィン様のそそり立つケルヴィン様は、ギョッと驚く程に立派だった。アレが僕のアソコに入るんだと聞かされ、目が点になった。
 は、はいるの?
 下手したら裂けちゃう大きさだよ?
 入念に下準備を終えて慣らされた時、僕は息も絶え絶えだった。
 こんなに大変なんだ…。そうだよね、僕も少し大きくなったとは言え、ケルヴィン様との体格差は決定的だ。
 そして、なんとかケルヴィン様を受け止めた時、なにか良い方法はないかと考えた。

 不便な事がある時、人は素晴らしい発明をする。不便を不便として甘受しない。



「そんなわけで、ポーションベースに魔力を込めた特製のローションです」

「…なにか作っているとは思っていたが」

 僕が作ったローションを見て、ケルヴィン様が「効能は?」と聞いてきた。勿論、何度も試作に試作を重ねた高級な資材をドパドパ使って出来るだけ僕にダメージが少ない仕様にした。

「僕もケルヴィン様も浄化が使えるので必要ないかもしれないんですが、このローションで浄化が出来て、筋肉が弛緩しやすいよう特殊な魔術が使われています。僕の身体のみに反応するのでケルヴィン様には負荷はありません」

「君に負荷は?」

「僕には逆にプラスになります。すぐに内部がほぐれるので、挿入前に僕の体力がきれることもなくなると思います」

 これまでに数度、ケルヴィン様の入念な準備故に僕の体力が切れて目覚めると朝…という大変申し訳ない出来事があった。
 ベッドの上で、ケルヴィン様がお風呂に入っている間に準備をしておいたので、すぐに挿入も出来る。

「ケルヴィン様、大丈夫です。ほぐれてます」

 少し恥ずかしいけれど、ベッドに横になってほぐれたそこを手で拡げてみた。思ったより拡がって、空気に触れたナカがキュウッと締まったのが判った。

「指を入れて確認してもいいか?」

「あ、はい」

 僕が拡げている孔を確認する為に、ケルヴィン様が指を入れてきた。指の腹で入り口を、内壁を擦り具合を確かめているようだ。
 指が三本になるのはあっという間で、既にナカで感じるようになった僕はビクリビクリと身体を震わせてしまう。

「すごいな。指を三本入れても余裕そうだ。ナカも柔らかい…ニール、挿入してもいいか?」

「はいっ!」

 熱を帯びたケルヴィン様の碧眼が宵闇に浮かび上がりギラギラと僕を見据えている。男らしいケルヴィン様が捕食者の表情を浮かべ、勃ち上がっている大きなそれを僕の孔に当てがった。

「…っ…」

 グッと挿入ってくるケルヴィン様の圧を感じて、目の前にある身体にしがみついた。
 せり上がるような圧迫感はいつもより少ない。ローションが役に立っているようで、痛みは一切感じない。
 内壁がケルヴィン様を包み貪欲に奥に誘いこむように蠢いているのが感覚で判る。

「あっ…あぁっ、きもち、いいですっ」

 ズチュズチュと出入りする動きに今まで感じた事のない快楽に背を撓らせた。
 いつもは快楽に落ちた後にケルヴィン様を受け入れて、出るものが出なくなった状態でナカでイくしか出来なくて終始強めの刺激を受けていたが、今日は徐々にやってくる快楽に身体が慣らされていく。
 
「ニール…どこが気持ちいい?」

「あぁっ、全部っ、あぁっ、でもまだ奥はまってください、まだ、って、あぁぁぁっ、あぁっまって! まってぇっ」

 ダメだって言ったすぐにケルヴィン様が僕の奥に先端を押し付けてきた。
 特性ローションのおかげで、今日はすんなりと挿入が出来て、あろうことか最初から奥も慣らされケルヴィン様は奥を突いてくる。ケルヴィン様のは大きくて太いので、それで奥を擦るように叩かれると折角少しずつ慣らされていた快感が一気に跳ね上がってしまう。

「だめっ、奥、まだ、あぁっはげしいぃ、よぉ…あぁぁっ、あぁっ」

 必死に藻掻くが足を広げられて、更に奥にケルヴィン様が入り込む。

「あぐっ…あぁっ…あ゛っ、そこ、はいっちゃ、だめなとこ、あぁぁぁっ、だめっ…」

 叩きつけられるように奥を叩かれ、ゆっくりと抜かれ、また激しく奥を叩かれる。その際、妙な所を触ったらしく、身体が痙攣を始めた。きっと触っちゃいけない所だ。
 なんとかケルヴィン様を止めようとするのに、ケルヴィン様は更に奥に進むようの腰をグリグリと押し付け始めた。

「だめだめっ! へんなの、まって、ケルヴィンさまぁっ、あぁぁっ、あ゛あ゛っ」

 内壁がきゅうきゅうと締まり、僕もその衝撃に耐える為にケルヴィン様に抱き着いた。
 もう何度も抱きあ合っているけれど、こんなに激しいのは初めてだった。
 ヒンヒン僕が泣いていると、舌で涙を拭われそのまま激しいキスをされた。

 パンパンとケルヴィン様の腰と僕のお尻が勢いよく叩かれ、内壁を引きずり出されそうなくらい強く挿入される。
 キスの激しさに頭を動かして逃げようとしたけど、頭をケルヴィン様の両手で固定されて再度全て食べられそうなキスを受けることになった。
 グチュグチュ、パンパンとすごい音がして、僕は見れないけど何度もイっているのでお腹ベタベタだろうな。
 ひときわ強く抜き差しされて、ケルヴィン様も終わりが近いのかナカの大きなものが更に大きくなった気がした。

「っっ~~~~~~~~~っっ!!!!」

 最後に奥にとんでもない強い叩きつけがあって、僕はケルヴィン様の口に食べられながら悲鳴を上げることも出来ず目の前がパチパチと白くなったのを感じた。
 そのまま気を失うのかとおもったけれど、精液をすべて奥で出し切ろうと腰を振るうケルヴィン様の激しさに意識を飛ばすことも出来なかった。

「ニール?」

 全身が過ぎる快楽におかしくなっているのが判る。
 ボーっとしている僕に飛ばし過ぎたことに気づいたのか、済まなそうな顔をして覗き込んできた。
 奥に出されたケルヴィン様の精液があたたかくて、まるでそれが媚薬であるかのように身体が震える。

「ケルヴィン様…、もっかい…」

「…!」

 熱が身体中を支配していて、まだこの熱は冷めないようだ。
 強請るようにケルヴィン様にキスをして、ギュッとしがみついた。



 それ以来、僕特性ローションは我が家の必術品となった。




++++++++++++

おまけの話


 ケルヴィン様は魔力銃を仕舞っている専用のケースを片時も離さない。
 真っ黒なそれには組み立て式の魔力銃と、僕が長年手渡していたディートリンデのポプリが大切そうに仕舞われている。
 ポプリを入れる為だけに特注したと、少し恥ずかしそうにケルヴィン様が話してくれた。

「君が私を想って呉れたものは私の宝物だ。勿論、君は決して手放す気はないから、覚悟をしておくれ」

 僕は素敵な旦那様の可愛らしい部分に今日も魅了される。

「ケルヴィン様、大好きです! 今年のブーケは一緒にポプリにしましょうね!」

「ああ、有難う。私もニールが大好きだよ。愛している」

 さらりと頭を撫でて、キスを一つもらった。
 僕とケルヴィン様が暮らす家には、ディートリンデを育てる特殊な温室がある。好きなものに囲まれた暮らしはとても幸せで、僕が魔王になるなんて違う世界線の話だったんだろう。


「ケルヴィン様、僕とっても幸せです!」

「私も君といれて幸せだよ」


 いつでもケルヴィン様が隣に居てくれる。僕が作った眼鏡を掛けたケルヴィン様の控え目な笑顔が今日も眩しい!

 とっても幸せなんで、魔王になんてぜったいなりません!!




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