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うまのしっぽ❤(小話)
しおりを挟むピョコン。
目の端で、ピンク色の可愛い物体が揺れている。
今日は夏真っ盛りで身体の内に籠る暑さがすごく、いつもは降ろしている髪をポニーテールで結い上げているようだ。
腰まであるそれが背中の真ん中くらいで揺れている。フワフワと、あちこちピョンと跳ねている髪がいつもより多く跳ねている。
屋敷はラルの魔法で一定の温度が保たれているが、外で喚く虫の音が精神的な温度を上げているのだとラルは面白い見解を述べる。遮断の魔法で音を閉ざしてしまえばいいのに、ラルはそこまで考えが及ばないようだ。
精神的な暑さを逃れる為に鮮やかなピンクブロンドの髪をポニーテールにして、肌にまとわりつく服が嫌いなラルは異国から取り寄せたベビードールなるヒラヒラの透け透けの寝巻を着て最近は生活をしている。
今日は、黒の気分らしく髪を結っているリボンもベビードールも黒色だ。白い肌に映え、とてもいやらしい。
形が大きく開いたそれの下に履いているのは私が渡した下着のみで、さすがに使用人は暫く出入り禁止にしている。
偶に奇をてらって兄がやってくるが、特殊な魔法を敷いて俺とラルしか屋敷に入れないようにした。
暑さの所為か、ラルはこのところ俺にくっつきたがらない。研究室に籠り切りで、食事もバラバラだったりする。それでも一日二度以上はシているが。
室内用の布の靴を履いて、破廉恥な格好を恥ずかしがりもせずラルは俺の元にやってきた。
前までは頭二つ分は違ったのだが、最近は徐々に身長が伸びているらしく、今は頭一つ分ほどの差になった。
伸びているのは身長のみで、他はあまり変わりがない。特別可愛らしいのも、綺麗なのも一緒だ。
スラリと伸びた腕を首筋に巻かれ、俺にキスを強請るラルは傾国の美しさを前面に出している。これで発情しない男がいるというのなら、そいつは不能だ。
前回の夜会でラルとの婚約の危機に再度立たされて、己の認識の甘さをラルによって叱咤された。
俺は学園でラルを疎ましく思い、それが思いきり態度に出ていた。同じ学園に居た子息達はそれが頭に残っているだろう。そんな中、王家主催のパーティーでノルディアス男爵令息が俺の子を孕んだと近寄ってきた。世迷い事だと思い相手にしていなかったが、それは間違いだった。
終わったものとして俺はノルディアスを扱っていたのだが、周りがみる目というものに頓着していなかった。
結果、また婚約破棄されそうになって元鞘に戻させてもらった状況である。
あの夜会で、俺が居ないだけであちこちからダンスの申し込みを受けていたし、楽しそうに踊っているラルに訳の分からない嫉妬を覚えた。
あれはラルの宣戦布告だった。
俺がもたもたしていたら、かっさらっていく相手なんて困ってないんだというパフォーマンスだと思っていた。ちょっぴりノルディアスが元で喧嘩したから当て付けで他の貴族子息と踊っていたという雰囲気はそれなりに出ていた。ラルに助けられた場面である。
あのラルの機転がなかったら、俺と言う婚約者がいると言うのにラヴォーナ侯爵家には見合いの釣書がどんどん届いたことだろう。
俺以外にラルの相手が居るのだと考えるだけで業腹なので、もしかしたら存在を消してしまうかもしれない。
ラルに似合いになったのか、それとも俺の資質なのか判らないが、俺にはラルさえいたらそれでいい。ラルが俺の元にいない人生なんて生きている価値がないと思うようになった。
「ラル?」
考え事に耽っていたら、目の前をチラチラとしていたピンク色が消えていた。
視線を巡らせ、寝室の扉が開いていることに気付く。
ラルを追って寝室に入れば、ベッドの上でコテンと寝そべっているラルと目が合った。魔法で屋敷を冷やしていると言っても、連日こうも暑いと温度の変化に弱いラルはへたってしまうようだ。宰相殿より、出来れば温度変化の少ない場所での生活が望ましいと以前教えてもらった。確かに、ラヴォーナ領での彼の研究室は屋敷の裏手にある地下室で、そこはヒンヤリと気持ちの良い空気を纏っていた。
「暑いか?」
しかし、あまり冷やしも身体を悪くしてしまう。四六時中、腹も尻も出しているラルだからこそ、冷やしすぎは注意しないといけない。
「王都は暑すぎます…。でも、この屋敷から外に出るのも暑くて嫌です…」
クッタリとシーツに沈むラルは壮絶に可愛い。
黒いベビードールがベッドにいやらしく広がっている。
うつぶせに寝ているラルの胸の尖りを弄って、首に吸い付く。フリルたっぷりの下着を少し下げて、後孔に指を差し込む。
指を簡単に飲み込んだそこを二本の指で拡げる様に動かし、ラルの前立腺を苛める。
「あっ、んンっ♡ ゆび、きもち、いぃあぁっ♡」
ポニーテールを揺らし、ラルが快楽に震える。ギュッとシーツを握り、程よい肉付きの太ももと尻を痙攣させる。
すぐに濡れる後ろを暫く指で拡げていると、焦れたラルが後ろ手で俺の性器を上手いこと取り出して扱き上げる。細い華奢な指が俺の性器を扱くのがまたいやらしい。
可愛らしく啼くラルにたまらなくなって、いきり立った自身を後孔に嵌めた。
「あぁぁっ、あぁぁんっ、き、たっ♡ ヨヴァン、さまぁっ、もっと、さすって♡」
グリグリと小さな尻をこすり付けるように動かされ、内壁の伸縮に竿全体が絞られ、子宮に先端を吸われる。
勝手に動いて俺の精を貪り尽くそうとするラルのポニーテールを掴み、乱暴にならない程度に後ろに引いた。喉と胸が反り、予測不能の動きで繋がった場所が更に深くなる。
「あっ…あっ、ヨ、ヴァ、あぅ、あっあっ♡」
喉が吊って上手く声が出ないのだろう。俺の名を呼ぶ声が敬称をなくし、それに気付いて興奮をしてしまった。
「呼べ、もっと俺の名を呼べっ」
いつもは隠れている耳を甘噛みして、耳の穴に舌を差し込む。ジュボジュボと音を立て舐めればラルは簡単に精を吐き出した。
「あーーーーっ♡ はっ、あっ、で、ちゃった…ぁぅ…」
ブルル…と身体を震わせシーツに精を吐く。
俺も抜き差しを早くして、精を放つ瞬間に熟れた後孔から抜き取り、ひっくり返したラルの顔に射精した。
髪と顔、それに黒のベビードールに白濁の液体が掛かり、うっとりとラルが瞳を潤ませる。愛おしそうに俺の性器を含み、最後の一滴まで搾り取る。
「ヨヴァ、さ…うぶっ、ん、はぁん♡」
様、と呼ぼうとするラルの口を自身の性器で塞ぎ、ラルの口内を蹂躙する。
「ヨヴァ、あぁんっ、ヨヴァ、あぁっ、あんっ♡」
すぐに復活した剛直をまたラルに挿入れて、腰を振る。
ついでにラルの放ったものを指で掬ってラルにしゃぶらせ、キスをする。
全身を朱色の染め上げ、俺を全身で強請るラルが愛おしくて仕方がない。
もう少し、ラルの扇情的な姿が見たいので遮断の魔法については内緒にしておこうと思った。
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