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岩屋編 被食ディペンデンス
私には暴力が一番効く
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鎖を引っ張られて首輪が締まらない様に歩くのは中々大変だった。
お願いをすれば遊び半分に引き摺り回されるのは明らかなので自分で付いて行くしか無い。
私より身長の低い化け物にペットの様に連れ回されるのは屈辱的な筈だけど私は何も感じなくなっていた。
その上裸で下半身血塗れで精液を垂れ流しながら平然と歩き回ってるのだ。
自分自身でも壊れたなー、と思わざるを得ない。
…気にしたら殴られるので現実的にどうしようもないんだけどね。
私たち(と言うかご主人様と奴隷)は岩屋内の隧道を進んでいた。
同じ引きづられるにしても岩屋に入る前には蔦の首輪だったのが鉄の首輪にステップアップしている…性奴隷としての地位もうなぎ登り?
時々冷たい石の床に出来た裂け目に上履きの先を引っ掛けてつんのめる。
するとゴブリンは苛々して鎖を凄い力で振り回して私を何度も洞窟の壁に叩き
付けた。せっかく治った肩や腕や顔にまた痣が出来てしまう。
マジで何でも暴力で解決しようとするのは止めて欲しかった。
その内に先から騒めきと薄明かりが感じられる様になっていた。
そこは正面の岩棚に大きな火鉢と木の玉座みたいなものが設えてあった大広間だった。遥かに高い天井から灰色の大きな塊が吊り下げられていた。シャンデリアみたいなものだろうか?
広間には沢山のゴブリンが集結していて岩棚の上に注目していた。
そのゴブリン界のパリピの皆様が視界に入った途端私は硬直状態に入ってしまう。
ヤバい…呼吸が完全に止まっている。
鎖を引っ張った途端そのまま倒れて悶え始めた私をゴブリンは呆れた様に眺めていたが私が気を失いそうになると怒りに血管を浮き立たせて猛烈な勢いでストンピングを始めた。
衝撃と激痛が繰り返される。
五発目で急に呼吸が回復しビックリする。
酷い暴力を振るわれたお陰でパニック障害が悪化したのに更に酷い暴力を振るわれると身体が動く様になると言うのはどう言う機序なんだろうか?何をしても時間が経たないと治らなかった発作が消えていた。
被虐症候群どころか被虐依存症になりそうだった。
「ありがとうございますっ!」
呼吸が回復した私は慌てて土下座をして機先を制するとゴブリンのちんぽにしゃぶり付いた。
これは移送時の休憩中に偶然発見したクールダウンの方法だ。
とりま現ご主人様の肉棒を出来るところまで呑み込んで舌の奥で扱くとむくむくと大きくなって来た。イボイボでその周りが傷だらけになるけどまあ遅かれ早かれだし。
その他にもなんかびっしりとカリフラワーのちっちゃい穂先みたいのが付いてる…流れ出た精液に粒々みたいなカケラが混じってたのはコレが剥がれて私のアソコに残ってるからなんだなと考える。
それにしても暴力の学習効果って凄い…こんな私でも半日で立派な性奴隷だ。元の世界でも結構色々な事されたけど女だったので直接の暴力と言うのは流石にほとんどなかった。
私に暴力ってこんなに効くんだって正直驚いてる。
『おい…今は不味い。行くぞ』
私の髪を掴んだ現ご主人様がイキリちんぽを私の口から引き抜く。
素人以下の舌技だったけどそれなりの効果はあったらしい…冷静さを取り戻したそいつが呟く。
私は群衆がなるべく目に入らない様上を見て後に続いた。
ちょっとしたさ騒ぎを起こした筈なのに群衆の興味は私達には向かなかった。
壇上での激しい口論に意識が集中していたからだ。
壇上には三匹のゴブリンがいた。
一匹は玉座に座ったちょっと色の掠れた皺だらけのゴブリンだった。
その左に立つのは沢山の羽飾りを付けて杖を持ったゴブリンだ。
このゴブリンとこちらに背を向けて立つ大きなゴブリン…赤首が口論をしていた。
『笑わせるぜ…魔力持ちなんか幾らでも探せる。もっと面白え使い道が出来るかも知れねえのによ』
『それも所詮は人の娘の戯言に過ぎぬ。ラーガドルーへの捧げはもう10ヶ月も出来ておらぬ…それもこれも狩り手が怠惰だからでは無いか?』
『場所が悪いんだよ!幾ら見つかりにくいからって人里も亜人どもの居留地からも遠いとこに岩屋を作るからだろ?』
『ラーガドルーのお告げを侮辱するか!』
『侮辱?寝惚けた神官が間違っ…』
そこで玉座のゴブリンが口を挟んだ。
『あー、良い…赤首(ジャバシュ)よ、死の主人への奉納は義務じゃ、ここは控えよ』
すると憤然とこちらを振り向いた赤首は壇を飛び降りた。
そしてゴブリン達を掻き分けて出口と言うかこちらに向かってきた。
一旦収まった動悸がまた激しさを増す。
念の為に言っておくけどこれは恋では無い。
途中で固まっていた手下が後に続く。
あの時の連中より数が多い。多分赤首はこのゴブリン王国?の派閥のリーダーなんだろう。
私の現ご主人様(最後に私をボコったり犯したりして躾けてくれた存在を暫定的に認定)もそわそわしだす。
直ぐに私の前までやって来た赤首は私を見下ろした様だ。
と言うのは直接対面するとまた呼吸停止しそうだったので咄嗟に土下座をして視線を合わせないようにしたからだ。
移送中からこうすると楽だった。
今のところ私の男性とのコミュニケーション手段は土下座かフェラチオに限られる。
『ふん…随分礼儀が分かって来たじゃねえか?』
…ど、どうしよう?
しゃぶった方が良いのかな?
この人数の前で公開フェラとか死ぬるしか無いのに…そんな事普通に思う私マジ逝ってる…喋れよ。
悩んでる内にそもそも私の反応とか気にして無かったのか赤首は現ご主人様に命令する。
『ゼゾ…連れて来い』
…鎖が震える。
なんとなく総合すれば状況は理解出来た。
要は私を生贄にするか人質として利用するかの路線対立なんだろう。
…上を見ていた私には分かる。
ラーガドルーとは多分上から吊るされた灰色の塊、そしてそれは人の髑髏の集合体だった。
奉納とはだから人身供儀だ。
で、赤首は一線を超えつつあると…いやー、人間ドラマだなあ。いやゴブリンドラマか?
ほぼほぼどう進んでも私ナイチャンなんだけど不死の設定はどう仕事するつもりなんだろうか?
『申し訳ねえ!』
横目で見ると現ご主人様も土下座していた!
まさかの主従共のダブル土下座だった。
でも良かった…土下座はちゃんとゴブリン文化圏にあったんだ。一応受け入れられてるみたいだったけど途轍もなく奇妙な行動だと思われてたらどうしようと思ってたところだったからだ。
いきり立った他の赤首信者が現ご主人様に槍を突き付ける。
それに対してその周りの連中も武器を構える。
一触即発だった。
『ジャバシュ…』
壇上の神官が杖を掲げていた。
その周りに煙のような炎の様な気流が生まれる。
魔法?!
一気にファンタジー度が上がる。
だけどそれ打ち込まれたら私も巻き込まれ無いか?
『く…』
赤首が悔しげに声を上げる。
そして荒々しく足音を蹴立てて去って行った。続いて信奉者からも後に続くものが出て行く。
私達主従は大広間の岩の床に這い蹲ったまま取り残されていた。
『ゼゾ!その娘をこちらに…』
『…へえ』
神官様の声が聞こえると現ご主人様はのろのろと立ち上がり私の首輪を引っ張った。
これで性奴隷から生け贄にステップアップしたって事だろうか?
サクッと殺してくれれば良いけど…既にキャパを遥かに越える負荷を受け続けたんで人生継続に対するモチベーションはマイナス域に突入しつつあったけどそう簡単に行かない気がした。
壇上まで連れて来られると王様に向かって跪かされた。土下座しようとしたら止められたからゴブリンにも色々と文化的なコードがあるらしい。
一応、状態が悪化する事は無かった。
『ふむ…人の娘よ名前は何と申す?』
なんと!まず名前を聞かれた!
やっぱり生け贄は性奴隷よりランクが上らしい…神官様有難う!
え…と…あれ?名前が思い出せない。
赤首には話していた筈なんだけど…記憶障害かよ。
なんかこっちもステップアップしてるみたいでこまる。
…いやいや、とりあえずこの場どうしよう?
「お…王様のお好みでお呼びください…あ…えーと、捕ま…いや、この岩屋に来ました時に性奴隷…あ、いや王様の奴隷?として以前の名は捨てました」
うわ…怪訝な顔をされた。性奴隷とか勝手に自分で状況に当てはめただけだし。やっぱ色々変か?…と言うか私みたいな底辺ぼっちに場面での会話スキル求めないで欲しい。
『王よ…ラーガドルーは担い手の真名を自ずとお知りになります。呼び掛けは儀式の次第に必要なだけ。王が名付けるのはこの者にとって名誉な事でしょう』
神官様が助け舟を出してくれる。
紳士だ…
『ふむ…なるほどこの者なりの事情もあろう。済まぬな…担い手の奉納は一統の継続の為にもどうしても必要なのじゃ』
今度は気遣われた!
言葉だけでも…どうしよう…涙が出て来る。
『…ユールディ(星)と呼ぼう。それでどうじゃ?』
ユールディ?…その響きは他のゴブリン語とは違って聞こえた。
一瞬不思議そうに見上げた私に王様は小声で『これは古い人間の王国の言葉で星を意味するのじゃ』と付け加えた。
…人の言葉?星?
神官様の咳払いが聞こえやっぱり小声で『贄に過剰な情けは…』と嗜める言葉が続いた。
突然私は号泣してしまった。
たった二つの気が付いた理由…でも私の心はその選択に深いやさしさを感じとってしまったのだ。
だからと言って何でこんなに泣いてしまうのかは分からないけど…パニック障害で涙が止まらなくなる症状があるみたいだけどそれだろうか?
跪く格好を継続できずに身を投げ出した様になってしまった。
ざわっとした反響が拡がる。
…みんな困ってる…王様。
何とか収めようと努力する度に更に酷く涙が流れ出す。下らない事で注目を集めてしまう自分がウザくて本気の憎しみを感じる…でも止まらない!
どうしたんだよ現ご主人様!殴り付けて止めてよ!!
お前の奴隷が粗相しまくりだよ!
壇上の二人は待ってくれていたものの段下の騒めきが大きくなる。
露骨に退屈した様な唸り声やヒソヒソ話が其処彼処から聴こえてくる。
流石に神官様が杖をこちらに向ける。
魔法でのお仕置きだろうか?
これ以上迷惑を掛けるのは忍びなかった。
「あじがじょうございます!」
涙を断ち切る様に私は大声を上げた。ちょっと霊通者の翻訳が心配なレベルの不明瞭な発音だったけど一度感情の波を断ち切ると後はちゃんと出て来た…止まった!
「ユールディは担い手として皆様のお気持ちをラーガドルーへとお届けする事を誓います!短い間ですがよろしくお願い致します!」
担い手ってニュアンスからこう言う事の筈だ…多分。
激バカなセリフで草生え過ぎてサバンナになってしまうけど何か言わなきゃ治んないと思ったのだ。底辺ぼっち以下略…
王様がちょっと目を落とした。
段下のゴブリン達が一瞬で静まった。
そして困惑した様なさっきまでより遥かに小さな呟きが広がった。
生け贄が宣誓する事とか無いのかな?
…ある訳無かった。
しかし此処でも神官様が治めた。
『うむ、ユールディ殿は担い手として相応しい覚悟を示した。ラーガドルーもさぞお喜びであろう…一刻を置いて担いの儀式を始めるぞ』
…それから私は通路の一つに入りそこに並んだ部屋の一つに連れて行かれた。
初めて見たゴブリン女が首輪や身に着けていた残骸を外し貫頭衣の様なものを着せてくれる。
やがて神官様が入って来るとレクチャーが始まった。
『…全く困った事を口走りおって』
「申し訳ありません…涙が止まらなくて…」
『儀式の内容は知っておるのか?あの様に誓いを立てながら儀式で泣き叫んだら王の名誉に関わるのだぞ…そもそもその様子…』
私は神官様の足元で土下座をしていた。
神官様と言えど近寄って男性と対面するとパニック発作が酷くなってしまうのだ。
私の中に罪悪感が広がってくる…確かにその通りだった。
「ど、どんな事でも頑張ります。ユールディは立派に死んでラーガドルーの元に参ります!」
『死ではなく霊旅だ』
「は、はい…霊旅にはどの様にして出るのですか?」
『焚祭壇の火輪門で炎に包まれ肉体を離脱する。そして身に受けた皆の生命素をラーガドルーに届け、逆に恵みを携え祭壇の肉体に受肉させ餐食にて皆の身に返すのだ』
どちゃくそハードだった…丸焼きかよ。
しかもやっぱ最後は食べられるのか。
ちょっと身震いしてしまった私にため息を漏らす神官様。
『更に…生命素の受取りの儀はその身に一統の精と陰水を受けるものなのだぞ』
「…それってその…」
輪姦って言っていいか迷う。
上品な言い換えが思いつかないぞ。
「皆様のそちらから出る白い精とお小水を食べたり飲んだりするという事でしょうか?」
なるべく上品に神官様の股間を指し示しながら確認する。アソコでも受けないといけない気がしたけどそれは神官様に語って頂こう。
…言い辛い。
『…その通りである。口より参列者の陰陽の生命素を受取り体内に収めて霊旅へと赴くのだ』
「え?アソコは使わなくて良いんですか?」
思わず聞き返してしまってから真っ赤になる。私半日前までは一応処女だったのに…環境が悪いとは言え急速にビッチと化す自分が怖くなる。
『当たり前だ。そんなところに収めても霊旅の前に流れ出てしまうでは無いか』
確かにその通り…いや、でもこれは何とか乗り切れるかもしれない!
真面目な性奴隷の私はご主人様方のご指導よろしくフェラの時に口で受けたら全部飲み込んでいた。
更にお小水は…日本でも飲まされた事があった。
中学二年の頃、迫害に対して私なりの対処法として一切逆らわず命令も全部こなす論を実践した事があった。やる事全部やったら流石にその内何も思い付かなくなるんじゃ無いかと言うある意味人間の残虐性と創造性を舐めたやり方だったけどそれを気味悪るがったクラスメートにはある程度効果があった。
ただ三年の先輩に目を付けられてウリを強要されそうになって破綻した(結局不登校と言うジョーカーを切らざるを得なかった…)がその過程で飲まされたのだ。
そのグループの先輩の間でおしっこ健康法が実際に存在するかどうかで論争となり、当然の流れで私で実験をしようと言う事になった。
紙コップまでパシらされ無かったのは何かそれを主導した先輩にもやり過ぎって意識が有ったのだろうか?女子トイレの個室で先輩三人に囲まれて採尿すると言うのは中々シュールな光景だった。
最初は噴きこぼしたら先輩の服が汚れると言う恐怖で無理矢理飲み込んだ。直後にやっぱ無理で便器に吐き出したが家に帰って思い返すと行けるんじゃ無いかと考え直した。ネットで調べても別に害は無いらしかったし…
それから数日私の飲尿健康法を見学させられた先輩達は自分達が気持ち悪くなって自然解散となった。
グクった時、同時にうんちの方の半端なさも知った私はそっちに進まない様平気で美味しそうに飲む特訓を家でもしていたのだ。うんち食べろと言われたら泣き叫んで許しを乞うたのに…情報は力だった。
「それで何人くらいなのでしょう?」
あそこに居た全員だとそれでもさすがにきびしい。その前に物理的に胃に収まらない気がするし。
『選ばれた50名づつだ』
赤首にレイプされてからさっきまでごっくんした回数を考えると15回くらいだ。別に美味しくなった訳じゃないけど慣れてしまって呑みこむ時の吐き気も最初に比べればなにげにマシになった。小水の時は別に扱く必要は無いだろうし…
そんなビッチ計算を頭の中でして…
「いけます。王様の名誉は絶対に守ります!」
『…そ、そうか?』
異世界転移をして世界が相対化された結果だろうか?
“死“に対する見方が変わった…と言うか変えられてしまった。
後世があるなら…転移があるなら転生もあるんじゃないかと。
今の人生が最高なら生き続けたいけど何といっても後世の罰の生なのだ。チートも見せられて実感してしまえば…ズルくなってしまう。
途中リタイヤしたら後世の自分にどれだけ迷惑掛けるのか分からないけどこの世界は私に取って無理ゲー過ぎる。この世界に留まり続ける事が私の心に取っての死なのだ。
どうやったら不死の設定の裏を掛けるのだろうか?
それを知る為には死ねる機会は逃してはダメだ。
とは言っても踏ん切りが付かなかったけど王様に名前を貰って覚悟が決まった。名前の無い性奴隷のままじゃ何も決められ無かったけどユールディと言うラーガドルーの担い手になったんだ。
ちゃんと役目を果たして死ぬ言い訳をくれた王様に恩を返そうと思う。
でも設定の方が強かった時にご迷惑をお掛けしては申し訳無いな。
「もし儀式を終わっても生け贄が死に切れ無かったらどうなりますか?」
神官様はニヤリと笑って
『それはラーガドルーの思召しという事になるな…ただ、期待するなよ。例はほとんど無い』
良かった…王様や神官様の不手際って話にはならないようだ。
犠牲の儀式の次第はまず受取りの儀、次に神官様による奉納の儀式、そして焚祭だ。
受取りの儀の最初は王様でこれだけは壇上の別室で行われる。
その後段下の選ばれた100匹の生命素を受取って壇上に戻る。
奉納の儀は2パートに分かれる。神官様に受取りが上手く行ったか確認してもらう確認の儀と私をラーガドルーに捧げる為の祈祷をして貰う奉納の儀本体だ。
それからさっき広間で見たでっかい火鉢に立て掛けたハシゴを登って身を投げる焚祭へと言う事らしい。
その後供餐の儀があるけどこれは事切れた私の身体をみんなで食すると言うものなので私が何かしなければならないという事は無い…食べられるだけだ。
…美味しく食べてね?
そしてあの女ザマあだ…上手くいけばだけど。
神官様に秒で死ぬコツを聞いたら中で熱い空気を思いっ切り吸い込めば肺が焼けて直ぐに窒息で意識を失うという事だ。
なるほど…まあ、窒息自体がすごい苦しいのは分かってるんだけどね。
因みに焚祭で私の身体が焼き上がったかチェックするのは神官様の役割らしい。ちょうど良い時に魔法で引き揚げて女たちの用意した大皿に私の丸焼きを乗っけてくれる。
宜しくお願いします!
「あの…上手く焼けるのに良い飛び込み方ってあるんでしょうか?」
『な…』
何故か絶句する神官様。
「いえ、でもなんかまだら焦げとか変なかっこうで焼き上がっちゃっうのは…」
『う、うむ…ラーガドルーの担い手としての名誉を守ろうとする姿勢は立派である…経験上手足を伸ばして勢いよく飛び込んだ場合全身が灰に包まれ比較的状態良く引き上げられる事が多い』
おう、なるほど…
「蒸し焼きになるようにすればいいんですね!頑張ります!」
死んだら身体動かせないから飛び込む時の一瞬の判断が全てを分ける。それに窒息する時も頑張って身体動かさないようにしないと変な姿勢で固まっちゃうだろう…厳しい世界だった。
…イメトレよくしとこう。
それにしても王様が最初とは…何とか発作が抑えられれば良いんだけど。
その後、神官様は立ち去り女達に身体をお湯で清められ身体中にラードを薄く塗り込まれる。ラードは美味しく焼ける様に焚祭の直前にも塗り直してくれるらしい…そっちは本格的でハチミツとか調味料も混ざるようだ。
その上に胸元と脇の大きく空いた貫頭衣を改めて羽織る。
それから洗ったネクタイだけ返された…疑問符が浮かぶ私に女達は私物を一つ身に付けられると話した。下は裸足じゃないとダメなので必然的にこれになるという事だ。
貫頭衣とネクタイで視線が胸元に集中する感じだ。人間目線だけど結構艶めかしい姿なんじゃ?と言うか目立つ胸が好きなのは亜人も人間も共通だった。
それから神官様が迎えに来た。
再び壇上に上がる。
なるべく段下の方は見ない様にしたがそれでも動悸が激しくなって行く。
ラーガドルーの方を向いて土下座すると神官様が告げる。
『この者人間の娘ユールディはラーガドルーの担い手として見出したる者なり。霊通の能は担い手としても相応しき位格…ラーガドルーよ認めざれば直ちにこの者の息吹きを取り上げられたし!』
途端にゴブリン達から歓声が上がる。
その狂乱ぶりを聞いた私は一瞬にして恐怖に囚われる。
そもそもパリピがウェイしてる場面とか私に取ってガチゴミでしかない…しかも全員盛ったゴブリン雄どもなのだ。
呼吸が止まり目眩がし始める。
しかもなんなんだ、その暗示に掛ける様な祈願文は!こう言うのってなっちゃダメって意識すると亢進しちゃうんだぞ!
ガチにヤバい…今、発作が出たら資格なしと認定されかねない!
ともかく動かない様にして心を落ち着けて発作が収まるのを待たなければ。
しかし、酸素不足は私から自制心を奪い去って行った。
窒息して身悶えする私の様子に不審な声を上げる者が出始めた。
神官様も気が付いて私の脇に跪き、どうした?と小声で声を掛けて来た。
「…しょ、衝撃を!何かで殴って!」
私は口パクでそれを神官様に伝えようとした。
ダメだ…伝わらない。
しょうがなく頭を何度も岩の床に叩きつけて回復しようとするけど自分ではどうしても力を入れ切れない。
次の瞬間、全身に稲妻が落ちた様な衝撃が走った。
神官様が軽い雷撃魔法を私に放ったらしい。
一瞬にして硬直が溶けた私は貪る様に空気を吸い込む…やっぱり痛いの効くよお!(とてもいい感じ)
ぜいぜいと言う私の呼吸音が辺りに響きわたる。
『ふむ…この娘はラーガドルーに特に愛されたる者の様だ。儀式に当たって大いなる息吹を与えられたぞ』
神官様は本当に頼れるゴブリンだった。
その上現ご主人様になって頂いたしご期待に添えるよう頑張らないと!
お願いをすれば遊び半分に引き摺り回されるのは明らかなので自分で付いて行くしか無い。
私より身長の低い化け物にペットの様に連れ回されるのは屈辱的な筈だけど私は何も感じなくなっていた。
その上裸で下半身血塗れで精液を垂れ流しながら平然と歩き回ってるのだ。
自分自身でも壊れたなー、と思わざるを得ない。
…気にしたら殴られるので現実的にどうしようもないんだけどね。
私たち(と言うかご主人様と奴隷)は岩屋内の隧道を進んでいた。
同じ引きづられるにしても岩屋に入る前には蔦の首輪だったのが鉄の首輪にステップアップしている…性奴隷としての地位もうなぎ登り?
時々冷たい石の床に出来た裂け目に上履きの先を引っ掛けてつんのめる。
するとゴブリンは苛々して鎖を凄い力で振り回して私を何度も洞窟の壁に叩き
付けた。せっかく治った肩や腕や顔にまた痣が出来てしまう。
マジで何でも暴力で解決しようとするのは止めて欲しかった。
その内に先から騒めきと薄明かりが感じられる様になっていた。
そこは正面の岩棚に大きな火鉢と木の玉座みたいなものが設えてあった大広間だった。遥かに高い天井から灰色の大きな塊が吊り下げられていた。シャンデリアみたいなものだろうか?
広間には沢山のゴブリンが集結していて岩棚の上に注目していた。
そのゴブリン界のパリピの皆様が視界に入った途端私は硬直状態に入ってしまう。
ヤバい…呼吸が完全に止まっている。
鎖を引っ張った途端そのまま倒れて悶え始めた私をゴブリンは呆れた様に眺めていたが私が気を失いそうになると怒りに血管を浮き立たせて猛烈な勢いでストンピングを始めた。
衝撃と激痛が繰り返される。
五発目で急に呼吸が回復しビックリする。
酷い暴力を振るわれたお陰でパニック障害が悪化したのに更に酷い暴力を振るわれると身体が動く様になると言うのはどう言う機序なんだろうか?何をしても時間が経たないと治らなかった発作が消えていた。
被虐症候群どころか被虐依存症になりそうだった。
「ありがとうございますっ!」
呼吸が回復した私は慌てて土下座をして機先を制するとゴブリンのちんぽにしゃぶり付いた。
これは移送時の休憩中に偶然発見したクールダウンの方法だ。
とりま現ご主人様の肉棒を出来るところまで呑み込んで舌の奥で扱くとむくむくと大きくなって来た。イボイボでその周りが傷だらけになるけどまあ遅かれ早かれだし。
その他にもなんかびっしりとカリフラワーのちっちゃい穂先みたいのが付いてる…流れ出た精液に粒々みたいなカケラが混じってたのはコレが剥がれて私のアソコに残ってるからなんだなと考える。
それにしても暴力の学習効果って凄い…こんな私でも半日で立派な性奴隷だ。元の世界でも結構色々な事されたけど女だったので直接の暴力と言うのは流石にほとんどなかった。
私に暴力ってこんなに効くんだって正直驚いてる。
『おい…今は不味い。行くぞ』
私の髪を掴んだ現ご主人様がイキリちんぽを私の口から引き抜く。
素人以下の舌技だったけどそれなりの効果はあったらしい…冷静さを取り戻したそいつが呟く。
私は群衆がなるべく目に入らない様上を見て後に続いた。
ちょっとしたさ騒ぎを起こした筈なのに群衆の興味は私達には向かなかった。
壇上での激しい口論に意識が集中していたからだ。
壇上には三匹のゴブリンがいた。
一匹は玉座に座ったちょっと色の掠れた皺だらけのゴブリンだった。
その左に立つのは沢山の羽飾りを付けて杖を持ったゴブリンだ。
このゴブリンとこちらに背を向けて立つ大きなゴブリン…赤首が口論をしていた。
『笑わせるぜ…魔力持ちなんか幾らでも探せる。もっと面白え使い道が出来るかも知れねえのによ』
『それも所詮は人の娘の戯言に過ぎぬ。ラーガドルーへの捧げはもう10ヶ月も出来ておらぬ…それもこれも狩り手が怠惰だからでは無いか?』
『場所が悪いんだよ!幾ら見つかりにくいからって人里も亜人どもの居留地からも遠いとこに岩屋を作るからだろ?』
『ラーガドルーのお告げを侮辱するか!』
『侮辱?寝惚けた神官が間違っ…』
そこで玉座のゴブリンが口を挟んだ。
『あー、良い…赤首(ジャバシュ)よ、死の主人への奉納は義務じゃ、ここは控えよ』
すると憤然とこちらを振り向いた赤首は壇を飛び降りた。
そしてゴブリン達を掻き分けて出口と言うかこちらに向かってきた。
一旦収まった動悸がまた激しさを増す。
念の為に言っておくけどこれは恋では無い。
途中で固まっていた手下が後に続く。
あの時の連中より数が多い。多分赤首はこのゴブリン王国?の派閥のリーダーなんだろう。
私の現ご主人様(最後に私をボコったり犯したりして躾けてくれた存在を暫定的に認定)もそわそわしだす。
直ぐに私の前までやって来た赤首は私を見下ろした様だ。
と言うのは直接対面するとまた呼吸停止しそうだったので咄嗟に土下座をして視線を合わせないようにしたからだ。
移送中からこうすると楽だった。
今のところ私の男性とのコミュニケーション手段は土下座かフェラチオに限られる。
『ふん…随分礼儀が分かって来たじゃねえか?』
…ど、どうしよう?
しゃぶった方が良いのかな?
この人数の前で公開フェラとか死ぬるしか無いのに…そんな事普通に思う私マジ逝ってる…喋れよ。
悩んでる内にそもそも私の反応とか気にして無かったのか赤首は現ご主人様に命令する。
『ゼゾ…連れて来い』
…鎖が震える。
なんとなく総合すれば状況は理解出来た。
要は私を生贄にするか人質として利用するかの路線対立なんだろう。
…上を見ていた私には分かる。
ラーガドルーとは多分上から吊るされた灰色の塊、そしてそれは人の髑髏の集合体だった。
奉納とはだから人身供儀だ。
で、赤首は一線を超えつつあると…いやー、人間ドラマだなあ。いやゴブリンドラマか?
ほぼほぼどう進んでも私ナイチャンなんだけど不死の設定はどう仕事するつもりなんだろうか?
『申し訳ねえ!』
横目で見ると現ご主人様も土下座していた!
まさかの主従共のダブル土下座だった。
でも良かった…土下座はちゃんとゴブリン文化圏にあったんだ。一応受け入れられてるみたいだったけど途轍もなく奇妙な行動だと思われてたらどうしようと思ってたところだったからだ。
いきり立った他の赤首信者が現ご主人様に槍を突き付ける。
それに対してその周りの連中も武器を構える。
一触即発だった。
『ジャバシュ…』
壇上の神官が杖を掲げていた。
その周りに煙のような炎の様な気流が生まれる。
魔法?!
一気にファンタジー度が上がる。
だけどそれ打ち込まれたら私も巻き込まれ無いか?
『く…』
赤首が悔しげに声を上げる。
そして荒々しく足音を蹴立てて去って行った。続いて信奉者からも後に続くものが出て行く。
私達主従は大広間の岩の床に這い蹲ったまま取り残されていた。
『ゼゾ!その娘をこちらに…』
『…へえ』
神官様の声が聞こえると現ご主人様はのろのろと立ち上がり私の首輪を引っ張った。
これで性奴隷から生け贄にステップアップしたって事だろうか?
サクッと殺してくれれば良いけど…既にキャパを遥かに越える負荷を受け続けたんで人生継続に対するモチベーションはマイナス域に突入しつつあったけどそう簡単に行かない気がした。
壇上まで連れて来られると王様に向かって跪かされた。土下座しようとしたら止められたからゴブリンにも色々と文化的なコードがあるらしい。
一応、状態が悪化する事は無かった。
『ふむ…人の娘よ名前は何と申す?』
なんと!まず名前を聞かれた!
やっぱり生け贄は性奴隷よりランクが上らしい…神官様有難う!
え…と…あれ?名前が思い出せない。
赤首には話していた筈なんだけど…記憶障害かよ。
なんかこっちもステップアップしてるみたいでこまる。
…いやいや、とりあえずこの場どうしよう?
「お…王様のお好みでお呼びください…あ…えーと、捕ま…いや、この岩屋に来ました時に性奴隷…あ、いや王様の奴隷?として以前の名は捨てました」
うわ…怪訝な顔をされた。性奴隷とか勝手に自分で状況に当てはめただけだし。やっぱ色々変か?…と言うか私みたいな底辺ぼっちに場面での会話スキル求めないで欲しい。
『王よ…ラーガドルーは担い手の真名を自ずとお知りになります。呼び掛けは儀式の次第に必要なだけ。王が名付けるのはこの者にとって名誉な事でしょう』
神官様が助け舟を出してくれる。
紳士だ…
『ふむ…なるほどこの者なりの事情もあろう。済まぬな…担い手の奉納は一統の継続の為にもどうしても必要なのじゃ』
今度は気遣われた!
言葉だけでも…どうしよう…涙が出て来る。
『…ユールディ(星)と呼ぼう。それでどうじゃ?』
ユールディ?…その響きは他のゴブリン語とは違って聞こえた。
一瞬不思議そうに見上げた私に王様は小声で『これは古い人間の王国の言葉で星を意味するのじゃ』と付け加えた。
…人の言葉?星?
神官様の咳払いが聞こえやっぱり小声で『贄に過剰な情けは…』と嗜める言葉が続いた。
突然私は号泣してしまった。
たった二つの気が付いた理由…でも私の心はその選択に深いやさしさを感じとってしまったのだ。
だからと言って何でこんなに泣いてしまうのかは分からないけど…パニック障害で涙が止まらなくなる症状があるみたいだけどそれだろうか?
跪く格好を継続できずに身を投げ出した様になってしまった。
ざわっとした反響が拡がる。
…みんな困ってる…王様。
何とか収めようと努力する度に更に酷く涙が流れ出す。下らない事で注目を集めてしまう自分がウザくて本気の憎しみを感じる…でも止まらない!
どうしたんだよ現ご主人様!殴り付けて止めてよ!!
お前の奴隷が粗相しまくりだよ!
壇上の二人は待ってくれていたものの段下の騒めきが大きくなる。
露骨に退屈した様な唸り声やヒソヒソ話が其処彼処から聴こえてくる。
流石に神官様が杖をこちらに向ける。
魔法でのお仕置きだろうか?
これ以上迷惑を掛けるのは忍びなかった。
「あじがじょうございます!」
涙を断ち切る様に私は大声を上げた。ちょっと霊通者の翻訳が心配なレベルの不明瞭な発音だったけど一度感情の波を断ち切ると後はちゃんと出て来た…止まった!
「ユールディは担い手として皆様のお気持ちをラーガドルーへとお届けする事を誓います!短い間ですがよろしくお願い致します!」
担い手ってニュアンスからこう言う事の筈だ…多分。
激バカなセリフで草生え過ぎてサバンナになってしまうけど何か言わなきゃ治んないと思ったのだ。底辺ぼっち以下略…
王様がちょっと目を落とした。
段下のゴブリン達が一瞬で静まった。
そして困惑した様なさっきまでより遥かに小さな呟きが広がった。
生け贄が宣誓する事とか無いのかな?
…ある訳無かった。
しかし此処でも神官様が治めた。
『うむ、ユールディ殿は担い手として相応しい覚悟を示した。ラーガドルーもさぞお喜びであろう…一刻を置いて担いの儀式を始めるぞ』
…それから私は通路の一つに入りそこに並んだ部屋の一つに連れて行かれた。
初めて見たゴブリン女が首輪や身に着けていた残骸を外し貫頭衣の様なものを着せてくれる。
やがて神官様が入って来るとレクチャーが始まった。
『…全く困った事を口走りおって』
「申し訳ありません…涙が止まらなくて…」
『儀式の内容は知っておるのか?あの様に誓いを立てながら儀式で泣き叫んだら王の名誉に関わるのだぞ…そもそもその様子…』
私は神官様の足元で土下座をしていた。
神官様と言えど近寄って男性と対面するとパニック発作が酷くなってしまうのだ。
私の中に罪悪感が広がってくる…確かにその通りだった。
「ど、どんな事でも頑張ります。ユールディは立派に死んでラーガドルーの元に参ります!」
『死ではなく霊旅だ』
「は、はい…霊旅にはどの様にして出るのですか?」
『焚祭壇の火輪門で炎に包まれ肉体を離脱する。そして身に受けた皆の生命素をラーガドルーに届け、逆に恵みを携え祭壇の肉体に受肉させ餐食にて皆の身に返すのだ』
どちゃくそハードだった…丸焼きかよ。
しかもやっぱ最後は食べられるのか。
ちょっと身震いしてしまった私にため息を漏らす神官様。
『更に…生命素の受取りの儀はその身に一統の精と陰水を受けるものなのだぞ』
「…それってその…」
輪姦って言っていいか迷う。
上品な言い換えが思いつかないぞ。
「皆様のそちらから出る白い精とお小水を食べたり飲んだりするという事でしょうか?」
なるべく上品に神官様の股間を指し示しながら確認する。アソコでも受けないといけない気がしたけどそれは神官様に語って頂こう。
…言い辛い。
『…その通りである。口より参列者の陰陽の生命素を受取り体内に収めて霊旅へと赴くのだ』
「え?アソコは使わなくて良いんですか?」
思わず聞き返してしまってから真っ赤になる。私半日前までは一応処女だったのに…環境が悪いとは言え急速にビッチと化す自分が怖くなる。
『当たり前だ。そんなところに収めても霊旅の前に流れ出てしまうでは無いか』
確かにその通り…いや、でもこれは何とか乗り切れるかもしれない!
真面目な性奴隷の私はご主人様方のご指導よろしくフェラの時に口で受けたら全部飲み込んでいた。
更にお小水は…日本でも飲まされた事があった。
中学二年の頃、迫害に対して私なりの対処法として一切逆らわず命令も全部こなす論を実践した事があった。やる事全部やったら流石にその内何も思い付かなくなるんじゃ無いかと言うある意味人間の残虐性と創造性を舐めたやり方だったけどそれを気味悪るがったクラスメートにはある程度効果があった。
ただ三年の先輩に目を付けられてウリを強要されそうになって破綻した(結局不登校と言うジョーカーを切らざるを得なかった…)がその過程で飲まされたのだ。
そのグループの先輩の間でおしっこ健康法が実際に存在するかどうかで論争となり、当然の流れで私で実験をしようと言う事になった。
紙コップまでパシらされ無かったのは何かそれを主導した先輩にもやり過ぎって意識が有ったのだろうか?女子トイレの個室で先輩三人に囲まれて採尿すると言うのは中々シュールな光景だった。
最初は噴きこぼしたら先輩の服が汚れると言う恐怖で無理矢理飲み込んだ。直後にやっぱ無理で便器に吐き出したが家に帰って思い返すと行けるんじゃ無いかと考え直した。ネットで調べても別に害は無いらしかったし…
それから数日私の飲尿健康法を見学させられた先輩達は自分達が気持ち悪くなって自然解散となった。
グクった時、同時にうんちの方の半端なさも知った私はそっちに進まない様平気で美味しそうに飲む特訓を家でもしていたのだ。うんち食べろと言われたら泣き叫んで許しを乞うたのに…情報は力だった。
「それで何人くらいなのでしょう?」
あそこに居た全員だとそれでもさすがにきびしい。その前に物理的に胃に収まらない気がするし。
『選ばれた50名づつだ』
赤首にレイプされてからさっきまでごっくんした回数を考えると15回くらいだ。別に美味しくなった訳じゃないけど慣れてしまって呑みこむ時の吐き気も最初に比べればなにげにマシになった。小水の時は別に扱く必要は無いだろうし…
そんなビッチ計算を頭の中でして…
「いけます。王様の名誉は絶対に守ります!」
『…そ、そうか?』
異世界転移をして世界が相対化された結果だろうか?
“死“に対する見方が変わった…と言うか変えられてしまった。
後世があるなら…転移があるなら転生もあるんじゃないかと。
今の人生が最高なら生き続けたいけど何といっても後世の罰の生なのだ。チートも見せられて実感してしまえば…ズルくなってしまう。
途中リタイヤしたら後世の自分にどれだけ迷惑掛けるのか分からないけどこの世界は私に取って無理ゲー過ぎる。この世界に留まり続ける事が私の心に取っての死なのだ。
どうやったら不死の設定の裏を掛けるのだろうか?
それを知る為には死ねる機会は逃してはダメだ。
とは言っても踏ん切りが付かなかったけど王様に名前を貰って覚悟が決まった。名前の無い性奴隷のままじゃ何も決められ無かったけどユールディと言うラーガドルーの担い手になったんだ。
ちゃんと役目を果たして死ぬ言い訳をくれた王様に恩を返そうと思う。
でも設定の方が強かった時にご迷惑をお掛けしては申し訳無いな。
「もし儀式を終わっても生け贄が死に切れ無かったらどうなりますか?」
神官様はニヤリと笑って
『それはラーガドルーの思召しという事になるな…ただ、期待するなよ。例はほとんど無い』
良かった…王様や神官様の不手際って話にはならないようだ。
犠牲の儀式の次第はまず受取りの儀、次に神官様による奉納の儀式、そして焚祭だ。
受取りの儀の最初は王様でこれだけは壇上の別室で行われる。
その後段下の選ばれた100匹の生命素を受取って壇上に戻る。
奉納の儀は2パートに分かれる。神官様に受取りが上手く行ったか確認してもらう確認の儀と私をラーガドルーに捧げる為の祈祷をして貰う奉納の儀本体だ。
それからさっき広間で見たでっかい火鉢に立て掛けたハシゴを登って身を投げる焚祭へと言う事らしい。
その後供餐の儀があるけどこれは事切れた私の身体をみんなで食すると言うものなので私が何かしなければならないという事は無い…食べられるだけだ。
…美味しく食べてね?
そしてあの女ザマあだ…上手くいけばだけど。
神官様に秒で死ぬコツを聞いたら中で熱い空気を思いっ切り吸い込めば肺が焼けて直ぐに窒息で意識を失うという事だ。
なるほど…まあ、窒息自体がすごい苦しいのは分かってるんだけどね。
因みに焚祭で私の身体が焼き上がったかチェックするのは神官様の役割らしい。ちょうど良い時に魔法で引き揚げて女たちの用意した大皿に私の丸焼きを乗っけてくれる。
宜しくお願いします!
「あの…上手く焼けるのに良い飛び込み方ってあるんでしょうか?」
『な…』
何故か絶句する神官様。
「いえ、でもなんかまだら焦げとか変なかっこうで焼き上がっちゃっうのは…」
『う、うむ…ラーガドルーの担い手としての名誉を守ろうとする姿勢は立派である…経験上手足を伸ばして勢いよく飛び込んだ場合全身が灰に包まれ比較的状態良く引き上げられる事が多い』
おう、なるほど…
「蒸し焼きになるようにすればいいんですね!頑張ります!」
死んだら身体動かせないから飛び込む時の一瞬の判断が全てを分ける。それに窒息する時も頑張って身体動かさないようにしないと変な姿勢で固まっちゃうだろう…厳しい世界だった。
…イメトレよくしとこう。
それにしても王様が最初とは…何とか発作が抑えられれば良いんだけど。
その後、神官様は立ち去り女達に身体をお湯で清められ身体中にラードを薄く塗り込まれる。ラードは美味しく焼ける様に焚祭の直前にも塗り直してくれるらしい…そっちは本格的でハチミツとか調味料も混ざるようだ。
その上に胸元と脇の大きく空いた貫頭衣を改めて羽織る。
それから洗ったネクタイだけ返された…疑問符が浮かぶ私に女達は私物を一つ身に付けられると話した。下は裸足じゃないとダメなので必然的にこれになるという事だ。
貫頭衣とネクタイで視線が胸元に集中する感じだ。人間目線だけど結構艶めかしい姿なんじゃ?と言うか目立つ胸が好きなのは亜人も人間も共通だった。
それから神官様が迎えに来た。
再び壇上に上がる。
なるべく段下の方は見ない様にしたがそれでも動悸が激しくなって行く。
ラーガドルーの方を向いて土下座すると神官様が告げる。
『この者人間の娘ユールディはラーガドルーの担い手として見出したる者なり。霊通の能は担い手としても相応しき位格…ラーガドルーよ認めざれば直ちにこの者の息吹きを取り上げられたし!』
途端にゴブリン達から歓声が上がる。
その狂乱ぶりを聞いた私は一瞬にして恐怖に囚われる。
そもそもパリピがウェイしてる場面とか私に取ってガチゴミでしかない…しかも全員盛ったゴブリン雄どもなのだ。
呼吸が止まり目眩がし始める。
しかもなんなんだ、その暗示に掛ける様な祈願文は!こう言うのってなっちゃダメって意識すると亢進しちゃうんだぞ!
ガチにヤバい…今、発作が出たら資格なしと認定されかねない!
ともかく動かない様にして心を落ち着けて発作が収まるのを待たなければ。
しかし、酸素不足は私から自制心を奪い去って行った。
窒息して身悶えする私の様子に不審な声を上げる者が出始めた。
神官様も気が付いて私の脇に跪き、どうした?と小声で声を掛けて来た。
「…しょ、衝撃を!何かで殴って!」
私は口パクでそれを神官様に伝えようとした。
ダメだ…伝わらない。
しょうがなく頭を何度も岩の床に叩きつけて回復しようとするけど自分ではどうしても力を入れ切れない。
次の瞬間、全身に稲妻が落ちた様な衝撃が走った。
神官様が軽い雷撃魔法を私に放ったらしい。
一瞬にして硬直が溶けた私は貪る様に空気を吸い込む…やっぱり痛いの効くよお!(とてもいい感じ)
ぜいぜいと言う私の呼吸音が辺りに響きわたる。
『ふむ…この娘はラーガドルーに特に愛されたる者の様だ。儀式に当たって大いなる息吹を与えられたぞ』
神官様は本当に頼れるゴブリンだった。
その上現ご主人様になって頂いたしご期待に添えるよう頑張らないと!
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