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ミートボールの気分だったのに(4)
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「ナナ、ご飯は?待ってるけど」
あー。言ってた気がするけど忘れられてる。
エレベーターのボタンを押しながら、返信する。
「ごめん、美容院。先食べてて」
外に出ると、そこは金曜の夜の新宿だった。居酒屋、カラオケ、ガールズバーのキャッチ。
春から社会人の大学生の集団。
異動がきまった先輩の送別会っぽい集団。
喧騒をかき分けながら、発信ボタンを押した。
******
その後のことはあまり覚えてない。
電話をかけたのに、数コール鳴ったあと、強制終了になった。
どうして良いかわからない。頭が真っ白になった。
まっすぐ家に帰る気分にならなかったので、ルミネをうろうろして、スタバに入って、どこかでご飯食べて帰ったんだと思う。
翌朝、リビングに降りると、トモヤが支度をしていた。
「どこか行くの?」
「どこでもいいだろ。それより、姉ちゃん。あ、もうこんな時間。行くわ」
「なに?気になるじゃん」
「母さんから聞いたら。じゃ」
母を探したが、朝から出かけているようだった。
幸い、家に誰もいないので、食卓に置いてあった目玉焼きを食べて、部屋に戻り、再び布団に入った。
気がどうにかなりそうだった。
タツヤとは、大学3年生の秋からずっと付き合っていて、お互いの両親にも会い、当然結婚するものだと思っていた。
なんで急に強制終了されたのか全く頭がついて行かない。残酷すぎて、涙すらでない。
あー。言ってた気がするけど忘れられてる。
エレベーターのボタンを押しながら、返信する。
「ごめん、美容院。先食べてて」
外に出ると、そこは金曜の夜の新宿だった。居酒屋、カラオケ、ガールズバーのキャッチ。
春から社会人の大学生の集団。
異動がきまった先輩の送別会っぽい集団。
喧騒をかき分けながら、発信ボタンを押した。
******
その後のことはあまり覚えてない。
電話をかけたのに、数コール鳴ったあと、強制終了になった。
どうして良いかわからない。頭が真っ白になった。
まっすぐ家に帰る気分にならなかったので、ルミネをうろうろして、スタバに入って、どこかでご飯食べて帰ったんだと思う。
翌朝、リビングに降りると、トモヤが支度をしていた。
「どこか行くの?」
「どこでもいいだろ。それより、姉ちゃん。あ、もうこんな時間。行くわ」
「なに?気になるじゃん」
「母さんから聞いたら。じゃ」
母を探したが、朝から出かけているようだった。
幸い、家に誰もいないので、食卓に置いてあった目玉焼きを食べて、部屋に戻り、再び布団に入った。
気がどうにかなりそうだった。
タツヤとは、大学3年生の秋からずっと付き合っていて、お互いの両親にも会い、当然結婚するものだと思っていた。
なんで急に強制終了されたのか全く頭がついて行かない。残酷すぎて、涙すらでない。
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