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5話

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数日後
「ふわぁ~」
あっ、やべ、つい大きなあくびしちゃった…誰も見てないよな……
シアンは周りをチラッと見た
良かった、誰もいないっぽい…っていうかほんとに誰もいないな、そういえば、今日から5日間にかけてパーティーの準備をするとか言ってたな……
んー、何すっかな…今日もあそこにいってみるかぁ……
あそことは城内にある国内最大級の書庫のことである、書庫に行けば月光蓮華についてなにかあるかなーって思ってここ数日入り浸っているのだ……
だからみんな俺の事を本好きだと思っているみたいだけど、別に本は好きでも嫌いでも無いから勘違いしないで欲しい……俺的にはもっと高度魔法な勉強とか剣術の指導とかそういうのがしたいんだけどな、
そんなことを考えながら歩いていたら書庫に着いた
「おっ、イキシア様じゃないですか!今日も本を読みに来たんですか?」
「あっ、レオンさん!はい、実はそうなんです」
彼は名前はレオン・ポディウム、騎士団の警備隊で今は書庫の警備をしているらしい、若い青年なので最初は独身だと思われていたがじつは結婚していて俺と同じくらいの子供がいるらしい…いつか会ってみたいな
まぁ、そんなことは置いといて……
「あの…レオンさん、今回は高いところにある本を見たくて出来たら手伝って貰えると嬉しいなと……」
そう、実は昨日挑戦はしてみたものの無理そうだったのでレオンさんが来たのはまさにグットタイミングなのである
レオンさんは一瞬目を見開いたがすぐに笑顔に戻った
「イキシア様のお願いと言うのであればもちろんです!」
「本当ですか!ありがとうございます」
やった、これでもっと調べることが出来る…俺はレオンさんと一緒に植物のことについて書かれてあるコーナーへと向かった、向かっている途中でレオンさんが「俺の息子にはイキシア様の護衛について欲しいっすねー」と言っていたが是非ともそうして欲しい、レオンさんの息子さんならきっと一緒にいて楽しいだろう…まぁ、別に思っていた人と違ってもそれはそれで楽しそうだからいいんだが…とりあえず、俺は「それはとても楽しそうですね」と返しておいた、パーティーには来るって言っていたから、攻略対象と関わる前に仲良くなっておくのもありだな…
そんなことを思いながら、いつも読んでいるコーナーに来たのでレオンさんにお願いし、高いところにある本を取ってもらった「それでは戻りますね!戻せなそうだったら本はそのままで大丈夫ですから!」と言っていつもの配置に戻って行った、ほんとにありがたい…
俺はいつものように5冊程度ある本を5時間で全て読み終わり、月光蓮華になにか関係のありそうな部分をメモした
「はぁ、これといって有力な情報はないか……」
まぁ、そうだよな、そんなにホイホイに見つかるんだったらお父様も苦労しなかったはず…公式設定にも月光蓮華についてはすごい重要そうなのにあまり触れられてこなかったし……
よし、月光蓮華について今わかっている情報を整理しよう
まず、開花時期は推定12月から2月の間であること、そして、花は温暖な地になると一瞬で溶けてなくなってしまうらしい…ちなみにこの国ではこの機関が1番寒いとされていてゲームで言われていた大寒波では都市部でも平均-30℃になっていたらしい……
次に、開花場所はこの国の極寒の地『SNOWFOREST』の奥地にあり、また、どんな温度でも凍らないと言われる湖の中心に1輪だけ咲いてある、ここは真夏の時期でも平均-20℃であり、さっきの大寒波の時には最低気温-70℃になった時もあったらしい……
最後に、これを見つけたことのある人物は3人、初代国王、とある薬師、そしてヒロインだ…まぁ、ヒロイン以外の2人はもう200年以上前になくなってるし、ヒロインは見つけたと言ってもイキシアの悲劇が起きたあとの話なのである、しかもゲームではそこまでの道のりは氷竜がヒロインをのせて連れて行っていたので具体的にどのルートがいいかなんて分からないのだ……
……今考えると結構絶望的な植物なんだよな、最近ではお母様の病気を他の治療方法で治せるんじゃないかと思いそれについても探していた…あるにはあったがでも、これ以外の治療方法は闇魔法での治療だけなのである、「なんだ、あるんじゃん」と思った人もいると思うが闇魔法がよく使われていたのは古代であり、今、使えると言われている人は少なくともこの国には居ない、ゲームのキャラに1人だけ使えるキャラがいたがそのキャラは隠しキャラであり、しかも暗殺者だ…会える確率はことごとく低いし、会えたとしても多分それは最悪な出会い方だ……
そんな、長い葛藤の中俺は書庫を後にした……
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