どうも、ヤンデレ乙女ゲームの攻略対象1になりました…?

スポンジケーキ

文字の大きさ
上 下
4 / 15

3話

しおりを挟む
う、うーん……あれ?ここはどこだろう……お城の中じゃないし、なんだか眩しいな……ん?あそこにいるのは子供?うずくまってる、何かあったのかな……
俺はその子供にゆっくりと近づいて行った……
「う、うぅ…お父様、お母様どこに行っちゃったのっ……置いてかないで、お願いだからっ…」
え…… 
「泣いてるの?」
「えっ…だ、誰っ、子供?」
つい、声をかけてしまった……あれ、なんで……
「ねぇ、どうしてここで泣いてるの?」
「っ……お父様とお母様がどこかに行ってしまってっ、探してるけど見つからない……」
なんでこの子を見ると、
「そうなんだ……なら、一緒に探そう!きっと、きっと見つかるよっ」
「ほ、ほんとに?」
「うん!だから、ほら一緒に行こう!」
俺はその子に手を差し出した
「う、うん!」
こんなにも胸が苦しくなるんだろう……

俺らは手を繋ぎながら周りを長い時間、ぐるぐるし続けた…話しているうちに少しづつ仲良くなって行った
「君はここがどこだかわかる?」
「……わかんない、でもお母様とお父様が絶対にいるはずなんだ」
「そっか…、絶対に見つかるよ……」
絶対に……分からないけど、その確信が俺にはあった…
「うぅ…」
「わぁ、な、泣かないで…どうしたの、どこか痛いの?は、早くお母さん達を見つけるから泣かないで……」
「ち、ちがっ…ちがくてっ、こんなに優しくしてくれたのっお父様とお母様以外に初めてでっ……」
「っ…………」
さっきの胸の苦しみがさらに強くなった…、こんなに幼い子がこんな風に泣いてるのが辛くなった……
「大丈夫…きっと、気づいてないだけで今も優しくしてくれる人がいて、そして大きくなっても優しくしてくれる人がいっぱいできるよ、自分が優しくしたいって思える人が沢山できる……だからさ…」
そんな風に泣かないないで…と言おうとした時
「ーー、どこにいるの、」
そんな声が聞こえてきた……
「あ、お母様!ここ、ここにいます!」
その子が大声でその人に叫んでいた……
「良かった、見つかったんだね…俺のことは大丈夫だから行ってきていいよ……」
「……ありがとう!また、会おうね!」
「うん、また会おう……ってそういえば、君の名前って……」
「あっ、そっか…えっと、僕の名前は……」
『ーーーー』




「はっ、はぁはぁ……」
なんでだろう涙が止まらない…あの子は笑ってくれたのに!…見つけられたのに!……なのに、あの子の声も顔も名前も思い出せない……
「奥様!旦那様!イキシア様が目覚めました!そこのあなたすぐに医師をよんできなさい!」
「わかりました!」
数分後
「シアン!、良かった…大丈夫なの?どこか苦しくない?」
「お、ごぼっごほっ……」
あれ、上手く喋れない……お母様とお父様が目の前にいるのに…
「イキシア様、お水をどうぞ……」
メイド長マーサが水を渡して来た
「落ち着いたか」
「はい……」
「イキシア様、落ち着いて聞いてください……貴方様は1年もの間ずっと眠り続けていたんです……」
えっ……
「いちっ!…ごほっ」
「驚くのも無理ないな…とりあえず、食事を用意しよう」
と言ってお父様はメイド長に用意をさせにいった
「シアン、これからお前は今まで習うはずだったの勉強の全てを半年でしないといけなくなる…もし、辛かったり苦しかったりしたら遠慮なく行ってね……」
お母様はそう行って部屋を出ていった……

1年間寝ていたって……おかしい、そんなのゲームの設定ではなかったはず……まさか、魔力を使ったから…とか…んー、でも、それぐらいしかないよな…体力が回復するまで魔法はやめておこう…だけどまずいな、あの闇堕ちストーリーまであと5年もないのか、早く月光蓮華の場所を見つけないと…
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

買われた悪役令息は攻略対象に異常なくらい愛でられてます

瑳来
BL
元は純日本人の俺は不慮な事故にあい死んでしまった。そんな俺の第2の人生は死ぬ前に姉がやっていた乙女ゲームの悪役令息だった。悪役令息の役割を全うしていた俺はついに天罰がくらい捕らえられて人身売買のオークションに出品されていた。 そこで俺を落札したのは俺を破滅へと追い込んだ王家の第1王子でありゲームの攻略対象だった。 そんな落ちぶれた俺と俺を買った何考えてるかわかんない王子との生活がはじまった。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ
BL
外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。 当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。 それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。 漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは… 出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。 メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。 最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

日本で死んだ無自覚美少年が異世界に転生してまったり?生きる話

りお
BL
自分が平凡だと思ってる海野 咲(うみの   さき)は16歳に交通事故で死んだ………… と思ったら転生?!チート付きだし!しかも転生先は森からスタート?! これからどうなるの?! と思ったら拾われました サフィリス・ミリナスとして生きることになったけど、やっぱり異世界といったら魔法使いながらまったりすることでしょ! ※これは無自覚美少年が周りの人達に愛されつつまったり?するはなしです

処理中です...