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第6章 夢と混沌の祭典
第49話 マスターコマンド
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~~side 第一サーバー代表・早瀬~~
『あぁっと!!ここでまさかの両者ダウン!倒れたまま動かないッ!!これはまさか、相打ちかぁぁぁ!?』
MCの啖呵をきっかけに、会場はどよめきに包まれる。驚きその場で感動を共有し合う者、どちらが先に倒れたか議論する者、動かない両者を心配する者…………あれは彼らの仲間達だろう。
「判定AIは?」
「既に作動しています。間も無く、演算終了かと」
「よし。終わり次第、すぐに結果をMCに入力しろ!可及的速やかにだ!」
最も、私はその結果を知っているが。ギリギリだが、確かにこの目で捉えたのだ。先に倒れたのは…………。
『ただいま判定が出ました!判定結果は…………』
と、モニターに映像が映る。判定AIに処理させていた、2人が倒れる瞬間の超スローモーション動画だ。
先に地に着いたのはプレアデス。この段階で歓声があがる。だが、まだ動画は続く。そう、大事なのはここではない。この先、どちらから先にパーティクル…………つまり、死亡演出が発生したか、だ。
プレアデスは完全に地に臥したものの、まだギリギリのところで耐えている。先に身体が発光し始めたのは春風の方だった。
本来なら春風は、あの爆発の時点で先に倒されていた。それを相打ち寸前まで持ち込んだのは、完全に彼女の意志の力…………言うなれば、彼女の強い思いだけが、失われるはずの彼女の意識をこの世界に繋ぎ止める要因だった。そしてトドメの一撃を受ける前に攻撃を完遂したことで、却って彼女の生への執着から現れる精神エネルギーが、その力を失ったのだろう。
『先に死亡したのは春風!!よってこの長い長い激闘を遂に制したのは…………………プレアデスだぁぁぁッッ!!!』
一瞬の沈黙を突き破り、音割れするほどの大歓声が鳴り響く。それは、プレアデスの勝利を祝福するものであると同時に、最高の戦いを見せてくれた2人への感謝や、労いの意味を孕んでいた。
「さて………………」
と、モニターを観るのも早々に、私は椅子から立ち上がる。予想はしていたが、やはりこうなったか。事前に根回しをしていて正解だったな。
「こちら第一サーバー管理課。本部へ管理者権限の一部行使を要請。負傷者2名のメディカルスペースへの転送を行いたい」
『こちら本部。事前通達によりシステムはオールグリーン。転送を許可する!』
間も無くして、地に臥していた2人のアバターは、スタジアム内の医務室へと転送されていった。
『ゆりかご』の影響を大きく受けた2人の激しい衝突がイレギュラーを起こしやすいことは、先日の春風とミハイルの決闘から見て明らかだった。まして、今回戦うのは『ゆりかご』の寵愛を受けて育ち、仮想世界に選ばれたプレアデス。私達の想定を遥かに超えた事象を引き起こすことは、容易に想像できた。
「…………それにしても驚きでしたねぇ。まさか、彼がマスターコマンドを使うとは」
「…………あぁ、そうだな」
マスターコマンド。仮想世界を制御し、変化させるための上位コマンドの総称だ。俗にいう、管理者権限…………さっき2人を世界の外からの入力で医務室に転送させたのも…………その前、プレアデスら3人を仮設スペースへ転送させたのも、同じマスターコマンドの1つ、転送だ。
当たり前だが、これらは通常プレイヤーが使えるものではない。プログラムそのものを管理している本部、及び本部が設定した特殊アカウント…………『創世神ステラバース』のみが実行可能であり、他は全て、許可を得て一時的にその権限を貸与される形だ。
つまり彼は、何らかの方法で本部システムに請願し使用を許可されたか、不正アクセスによって解析したか、ということになる。だが…………。
「本部へのアクセスログ、送られてきました!」
「見せてみろ」
「やっぱり変ですよ。プレイヤーサイドからのアクセス履歴は、サービス開始から見ても1つも見当たりません」
仮にその方法が正当なものであれイカサマであれ、アクセスしたという形跡自体は必ず残るはずだ。しかし、その履歴は全く残っていないという。
それに、プレイヤーが本来アクセスするのはサーバー個別のシステム。スキルやチャット機能など、彼らがプレイ中に使う機能は全てそこで管理しているからだ。一方、本部の方はこの世界そのものの管理システム。それこそマスターコマンドのような、世界への干渉に関わる場合でしか、基本的にそれにアクセスする機会はないのである。
「彼が足跡を辿られないよう、アクセスログを消去したんですかね?」
「それはないと思うっすよ。仮に向こうがログを消したとしても、こっちのシステムには履歴が残るっす。それを消さない限りは、どうにもならないっすよ」
「じゃあ、ハッキングか何かでその履歴も消した可能性は?」
「それもあり得ないっす。そもそも本部のシステムには強力なファイアウォールが何重にも張り巡らされているっす。仮にそれを掻い潜る術があったとしても、侵入を検知した時点で別のディレクトリにデータを移して逃げてしまう…………モグラ叩きのモグラみたいなもんっすよ」
「つまり、どう足掻いてもプレイヤー側がシステムにアクセスしたり、その履歴を消すことはできない、と?」
「そういうことっすね」
なるほどな…………確かに、2人の言う通りかもしれない。つまりプレアデスは、1度もシステムにアクセスすることなく、マスターコマンドを使ったということだ。
だが、だとしたらどうやって?まさか彼自身が、本部システムの使用権限を持っているとでもいうのか?
確かに、外部アクセスでなければ、プレイヤー側からのアクセスログに残ることはないし、アクセスキーがあればファイアウォールに引っかかることもない。本部に申請しアクセス許可を得ること自体は、私のように正常に認識されたこちら側の人間であれば可能だ。
しかし、そんなことがあり得るだろうか?一プレイヤーが、そこまでの権限を得られるというのは、普通はあってはならないことだ。私達社員ですら、プレイヤーとしてログインする時はそういった行為を一切禁止しているというのに。
「…………『世界の運命に選ばれた者』、か………………………」
博士が先日、彼についてそんなことを言っていたな。選ばれた、というのは、そういう意味なのだろうか?それに、彼の側に付いていた謎のAIプログラムも気になる。あれは明らかに、他のNPCやAIとは異なっていた。部分的ではあるが、あの思考パターンはまるで、本物の人間のような…………?
「…………さん?早瀬さん?」
「ッ!!」
いかんいかん。危うく変な考えに至るところだった。深く考えて詮索しすぎてしまうのは、昔からの悪い癖だな。
「すまない。何かあったか?」
「いえ……ただ、そろそろ全体会議のお時間ですので、念の為ご報告を」
うっ、そういえばそうだった…………彼らの戦いに見入りすぎて、現実から目を背けかけていたが……私にはまだ、やらなくてはならないことが残っているんだった。
はぁ、今回の賢者の石の件、どうやって説明しようか…………?解決には博士も一枚噛んでいるとはいえ、説明責任は私に全て委ねられている。サーバー責任者とはそういうものだ。
「…………また胃が痛くなってきた」
~~side 春風~~
「…………う、うん………………?」
目が覚める。気づいたら、知らない天井……あれ!?ボク、どうして!?何がどうなって…………!?
「…………って」
なんだ、医務室か。変に取り乱しちゃった。きっと、あの戦いの中で気を失って倒れてたから、誰かが運んでくれたんだろう。【狂乱化】…………使用後1分間、強制的に《気絶》状態になる。皆の見てるところでああいう状態になるのは、やっぱちょっとリスキーだよなぁ。もっと使い所考えないと。
「…………あれ?」
ふと時計を見ると、もう1時間以上経っている。そんな長時間、どうして…………?大会ルールで、対戦中に死んだとしても、いつもみたいな拘束時間は生じない設定になってるはずなのに。
それに何だか、もの凄く身体が重い。頭も少しズキズキする…………。戦い疲れかな?確かに、何回か死にかけて無茶な戦いしてたからなぁ。全く、戦闘狂すぎるのも考えものだ……。
『あぁっと!!ここでまさかの両者ダウン!倒れたまま動かないッ!!これはまさか、相打ちかぁぁぁ!?』
MCの啖呵をきっかけに、会場はどよめきに包まれる。驚きその場で感動を共有し合う者、どちらが先に倒れたか議論する者、動かない両者を心配する者…………あれは彼らの仲間達だろう。
「判定AIは?」
「既に作動しています。間も無く、演算終了かと」
「よし。終わり次第、すぐに結果をMCに入力しろ!可及的速やかにだ!」
最も、私はその結果を知っているが。ギリギリだが、確かにこの目で捉えたのだ。先に倒れたのは…………。
『ただいま判定が出ました!判定結果は…………』
と、モニターに映像が映る。判定AIに処理させていた、2人が倒れる瞬間の超スローモーション動画だ。
先に地に着いたのはプレアデス。この段階で歓声があがる。だが、まだ動画は続く。そう、大事なのはここではない。この先、どちらから先にパーティクル…………つまり、死亡演出が発生したか、だ。
プレアデスは完全に地に臥したものの、まだギリギリのところで耐えている。先に身体が発光し始めたのは春風の方だった。
本来なら春風は、あの爆発の時点で先に倒されていた。それを相打ち寸前まで持ち込んだのは、完全に彼女の意志の力…………言うなれば、彼女の強い思いだけが、失われるはずの彼女の意識をこの世界に繋ぎ止める要因だった。そしてトドメの一撃を受ける前に攻撃を完遂したことで、却って彼女の生への執着から現れる精神エネルギーが、その力を失ったのだろう。
『先に死亡したのは春風!!よってこの長い長い激闘を遂に制したのは…………………プレアデスだぁぁぁッッ!!!』
一瞬の沈黙を突き破り、音割れするほどの大歓声が鳴り響く。それは、プレアデスの勝利を祝福するものであると同時に、最高の戦いを見せてくれた2人への感謝や、労いの意味を孕んでいた。
「さて………………」
と、モニターを観るのも早々に、私は椅子から立ち上がる。予想はしていたが、やはりこうなったか。事前に根回しをしていて正解だったな。
「こちら第一サーバー管理課。本部へ管理者権限の一部行使を要請。負傷者2名のメディカルスペースへの転送を行いたい」
『こちら本部。事前通達によりシステムはオールグリーン。転送を許可する!』
間も無くして、地に臥していた2人のアバターは、スタジアム内の医務室へと転送されていった。
『ゆりかご』の影響を大きく受けた2人の激しい衝突がイレギュラーを起こしやすいことは、先日の春風とミハイルの決闘から見て明らかだった。まして、今回戦うのは『ゆりかご』の寵愛を受けて育ち、仮想世界に選ばれたプレアデス。私達の想定を遥かに超えた事象を引き起こすことは、容易に想像できた。
「…………それにしても驚きでしたねぇ。まさか、彼がマスターコマンドを使うとは」
「…………あぁ、そうだな」
マスターコマンド。仮想世界を制御し、変化させるための上位コマンドの総称だ。俗にいう、管理者権限…………さっき2人を世界の外からの入力で医務室に転送させたのも…………その前、プレアデスら3人を仮設スペースへ転送させたのも、同じマスターコマンドの1つ、転送だ。
当たり前だが、これらは通常プレイヤーが使えるものではない。プログラムそのものを管理している本部、及び本部が設定した特殊アカウント…………『創世神ステラバース』のみが実行可能であり、他は全て、許可を得て一時的にその権限を貸与される形だ。
つまり彼は、何らかの方法で本部システムに請願し使用を許可されたか、不正アクセスによって解析したか、ということになる。だが…………。
「本部へのアクセスログ、送られてきました!」
「見せてみろ」
「やっぱり変ですよ。プレイヤーサイドからのアクセス履歴は、サービス開始から見ても1つも見当たりません」
仮にその方法が正当なものであれイカサマであれ、アクセスしたという形跡自体は必ず残るはずだ。しかし、その履歴は全く残っていないという。
それに、プレイヤーが本来アクセスするのはサーバー個別のシステム。スキルやチャット機能など、彼らがプレイ中に使う機能は全てそこで管理しているからだ。一方、本部の方はこの世界そのものの管理システム。それこそマスターコマンドのような、世界への干渉に関わる場合でしか、基本的にそれにアクセスする機会はないのである。
「彼が足跡を辿られないよう、アクセスログを消去したんですかね?」
「それはないと思うっすよ。仮に向こうがログを消したとしても、こっちのシステムには履歴が残るっす。それを消さない限りは、どうにもならないっすよ」
「じゃあ、ハッキングか何かでその履歴も消した可能性は?」
「それもあり得ないっす。そもそも本部のシステムには強力なファイアウォールが何重にも張り巡らされているっす。仮にそれを掻い潜る術があったとしても、侵入を検知した時点で別のディレクトリにデータを移して逃げてしまう…………モグラ叩きのモグラみたいなもんっすよ」
「つまり、どう足掻いてもプレイヤー側がシステムにアクセスしたり、その履歴を消すことはできない、と?」
「そういうことっすね」
なるほどな…………確かに、2人の言う通りかもしれない。つまりプレアデスは、1度もシステムにアクセスすることなく、マスターコマンドを使ったということだ。
だが、だとしたらどうやって?まさか彼自身が、本部システムの使用権限を持っているとでもいうのか?
確かに、外部アクセスでなければ、プレイヤー側からのアクセスログに残ることはないし、アクセスキーがあればファイアウォールに引っかかることもない。本部に申請しアクセス許可を得ること自体は、私のように正常に認識されたこちら側の人間であれば可能だ。
しかし、そんなことがあり得るだろうか?一プレイヤーが、そこまでの権限を得られるというのは、普通はあってはならないことだ。私達社員ですら、プレイヤーとしてログインする時はそういった行為を一切禁止しているというのに。
「…………『世界の運命に選ばれた者』、か………………………」
博士が先日、彼についてそんなことを言っていたな。選ばれた、というのは、そういう意味なのだろうか?それに、彼の側に付いていた謎のAIプログラムも気になる。あれは明らかに、他のNPCやAIとは異なっていた。部分的ではあるが、あの思考パターンはまるで、本物の人間のような…………?
「…………さん?早瀬さん?」
「ッ!!」
いかんいかん。危うく変な考えに至るところだった。深く考えて詮索しすぎてしまうのは、昔からの悪い癖だな。
「すまない。何かあったか?」
「いえ……ただ、そろそろ全体会議のお時間ですので、念の為ご報告を」
うっ、そういえばそうだった…………彼らの戦いに見入りすぎて、現実から目を背けかけていたが……私にはまだ、やらなくてはならないことが残っているんだった。
はぁ、今回の賢者の石の件、どうやって説明しようか…………?解決には博士も一枚噛んでいるとはいえ、説明責任は私に全て委ねられている。サーバー責任者とはそういうものだ。
「…………また胃が痛くなってきた」
~~side 春風~~
「…………う、うん………………?」
目が覚める。気づいたら、知らない天井……あれ!?ボク、どうして!?何がどうなって…………!?
「…………って」
なんだ、医務室か。変に取り乱しちゃった。きっと、あの戦いの中で気を失って倒れてたから、誰かが運んでくれたんだろう。【狂乱化】…………使用後1分間、強制的に《気絶》状態になる。皆の見てるところでああいう状態になるのは、やっぱちょっとリスキーだよなぁ。もっと使い所考えないと。
「…………あれ?」
ふと時計を見ると、もう1時間以上経っている。そんな長時間、どうして…………?大会ルールで、対戦中に死んだとしても、いつもみたいな拘束時間は生じない設定になってるはずなのに。
それに何だか、もの凄く身体が重い。頭も少しズキズキする…………。戦い疲れかな?確かに、何回か死にかけて無茶な戦いしてたからなぁ。全く、戦闘狂すぎるのも考えものだ……。
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