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第5章 失われたもの、大切なもの
第15話 和解宣言?
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結界が解ける。デュエルが終了し、外界との隔たりが無くなり、彼らギャラリーが見えるようになる。同時に、どよめきが聞こえてくる。それはボクの勝利を讃える声でも、ミハイルの敗北を悲しむ声でもない。そして、ボクたちの戦いぶりに感動したというものでもないだろう。
大勢いるミハイルの取り巻きの誰かが、ついに言葉を発した。
「おいお前!何なんだよあれは!?せっかくミハイルさんが申し出を受けたってのに、チートなんか使いやがって!」
そうだ、そうだと便乗の声が続発する。誰かがそう言うのを、待っていたかのように。
「違う、あれはチートなんかじゃ……!」
「うるせえぞ!こんな勝負は無効だ!無効!」
誰かがそう言うと、喧騒は更にヒートアップする。カンナさんとセイスさんも反論の声をあげてくれているが、焼け石に水とはこのことだ。
……正直、予想はついていた。刀が自律的に動いたかと思えば、今度は死んだはずのボクが蘇り、勝負を決するはずだった攻撃を跳ね返してそのまま逆転。これがチートでない正当な手段によるものだと受け入れてもらうには、あまりにも展開が出来すぎているんだ。まして、初めからアウェーなこの状況。初めから結果は見えていた。
どうするか……。この状況、下手に何か反論するのは良くない。揚げ足を取られて余計面倒になる。だからといって何もしないのもダメだろう。その時は逆に、ボクに反論の余地がないと思われて、収まるどころかさらに加熱する。
手っ取り早いのは全員まとめて倒すか、いっそ開き直ってチーターであることを一旦認めてしまうかだろう。でも、ボクは両方ともしたくない。この場は収まっても今後この世界で遊んでいく上で確実に支障になるし、何よりそれでプレア殿に迷惑をかけるのが一番辛い。だから、何とか耐えて凌ぐしかない……と、諦めかけた矢先。
「おいっ、うるせぇぞ!一旦その口閉じやがれ!!」
突然響いた声に全員がハッとして黙り込む。声のした方を辿ると、いつの間にかミハイルが起き上がり、疲れたような表情で周りを見渡している。意外なことに、この状況を収めてくれたのはミハイル本人だった。まあ、一応彼らのリーダーなんだし、当たり前っちゃ当たり前なんだけど……。
「ったく。お前らのせいで、負けたオレが余計に惨めじゃねえか」
やれやれとため息をつきながら、寝癖のように乱れた金髪を掻く。掻きながら、立ち上がる。そのままゆっくりと、ボクの方に近づいてきた。さっきまで発していた殺意のようなものは、今はひとまず見られなかった。
「不本意だが、負けちまったもんは仕方ねえ……約束は約束だ!望み通り、今日のことは見なかったことにしてやる」
なんて、ぶっきらぼうにそう言うものだから、ボクはイメージとの違いに思わず笑ってしまった。
「ふふ、はははっ……!」
「あぁ?何がおかしい……!?」
「意外だなぁ。一緒になって責め立ててくるかと思ったのに」
「うっせ、笑ってんじゃねぇよ……オレは面倒なのが嫌いなだけだ」
そう言う彼は、少し照れ臭そうな感じがした。そして、更に数歩詰め寄ってくる。長身を少し屈ませるようにして、彼はボクに耳打ちした。
「大会で首洗って待ってやがれ。その時は……お前のその妙な力ごと、叩き斬ってやる」
え?大会?急なことを言われて少し困惑する。ポカンとした、少しだけ訝しげな顔をミハイルに向ける。そんなボクの心情を知ってか知らずか、彼は前に傾けていた身体を戻すと、そのままクルッと向き直り、ポケットに手を入れて立ち去っていった。……一瞬、後ろを向く瞬間、口元が緩んでいたようにみえた。
ミハイルの後を追って、続々と周りの男たちが立ち去っていく。ボクに最初矛先を向けたらしき人物も、聞こえよがしに置き土産の舌打ちをくれると、バツが悪そうに彼らの少し後ろを歩いて出ていった。この場に静寂が、戻った。
「ふぅ。とりあえず、一件落着かな?」
なんて、独り言を呟いてみる。直後、ボクは背中に温かいものを感じた。
「……やられたかと、思いました」
カンナさんだ。どうやら、泣いているようだった。ボクは振袖で叩かないように気をつけて、後ろ手に彼女の髪を撫でる。
「本当だ。余計な心配させないでくれ」
彼女の後ろから、セイスさんがゆっくり近づいてくる。その声色は、とても穏やかだった。
「すみません……ちょっと、油断してました」
「ああ、俺もまさか、ミハイルがあそこまで強くなっているとは思ってもなかった……俺では、精々逃げ切るくらいしか出来なかっただろう」
何となく、謙遜しているんだと思った。実際、彼の強さはボクもよく知っているから。でも確かに、彼にとっても確実に勝てる勝負じゃなかった気がする。ミハイルのあの様子では、まだ何か隠し玉でもありそうな感じがした。思わぬところに、強敵が潜んでいた。
「大会で、か……すまない、妙な因縁を押し付けることになって」
「いえいえ、大丈夫ですよ!それより、大会って何のことなんですか?」
「……春風。もしかして通知とか、あまり見ないタイプか?」
「え、通知……?」
セイスさんが苦笑いを見せる。あれ、そんな通知来てたっけ?とボクは運営からのお知らせを確認する。……今朝のトップニュースじゃん。プレア殿のこともあって、よっぽど余裕なかったんだろうな、ボク。
「あー……ありましたね、通知」
ハハハ……と肩を竦める。セイスさん曰く、今回のイベントは全プレイヤー参加型の大規模なもので、いくつかの部門で腕を競い合ったり、パーティー会場やアトラクションのある専用エリアでプレイヤーとの交流を深めたりできるらしい。
イベントの開始はリアルタイムで1週間後。凄く楽しみだ。その時までには、プレア殿と仲直りしたい。だからこそ今、自分の弱い一面と向き合うんだ。
ボクが彼の元を離れてしまった理由。最初は、それが彼に迷惑をかけない一番の方法で、お互いのためになると思い込んでいた。でも、こうして離れて時間が経って、ミハイルと戦ってやっと分かった。
ボクは、強くなりたくて離れたんじゃない。彼にいつか嫌われてしまうのが怖かったんだ。だからそうなる前に、強くなって戻るという名目で逃げてしまった。なんて自分勝手で、独善的だったんだろう。何でこんなこと、してしまったんだろう。プレア殿のことを第一に考えているようで、本当はそこまで考えてなかったんだ。
さっきのあのデュエルが、ボクにそれを教えてくれた。ミハイルの剣は、どこか強くあることに執着しているような感じがした。何故そんなことになっているのかは分からない。けど、ボクが最初ああも押し切られていたのは、数字の違いだけじゃなくて、きっと剣に込める想いの強さもあったんだろう。
そういう意味じゃ、ボクはプレア殿がいないとどうしようもない。ボクがあの時逆転できたのは、結局のところ、小春を介した彼の助けがあったから。それのおかげで、ボクは本来の自分と、刀たちに秘めた本来の感情を取り戻せたんだ。それがなかったら、ボクは間違いなく負けていただろう。
今まではそんな自分に、どこか嫌気が差していたんだと思う。自分のことは何でも自分で済ませなきゃ気が済まないというわけじゃないけれど、貰いっぱなしは嫌。でも、なかなか恩返しもできないまま、まともな防具だってボクだけが着けている状態で……。
きっと、そんな状態が心の中で許せなかったんだろう。ボクたちの関係はもっと公平であってほしい。プレア殿にも、もっと自分を優先してほしい。ボクのせいで彼に迷惑をかけて、そのせいで彼が傷ついていくのを……見たくなかったんだ。
今ならわかる。ボクだけじゃなくプレア殿も、離れている方がずっと辛い。今までずっと一緒にやってきたからか、どこかそれが当たり前のように感じていたけど……それはこんなにも、尊いことだった。
だから、もう逃げない。仮に彼に嫌われてしまったとしても、またやり直せばいい。逃げるんじゃなく、信じるんだ。プレア殿を……彼と築きあげてきた、大切な思い出を。
そのために必要なのは……やっぱり、強くなることだ。今度は、精神的に。
(……こんなこと考えるから、脳筋とか言われるのかもしれないなぁ)
なんて思いを、胸にしまって。ずっと待ってくれている2人に向き直る。
「行きましょう。ボスを倒しに」
2人の顔に、安堵したような笑顔。大丈夫、もう大丈夫だ。ちゃんと弱みと向き合って、また歩き出すと決めたんだから。脳筋だろうが、繊細だろうが……ただ、前に進むんだ。他の何でもない、ボクたち自身のために。
大勢いるミハイルの取り巻きの誰かが、ついに言葉を発した。
「おいお前!何なんだよあれは!?せっかくミハイルさんが申し出を受けたってのに、チートなんか使いやがって!」
そうだ、そうだと便乗の声が続発する。誰かがそう言うのを、待っていたかのように。
「違う、あれはチートなんかじゃ……!」
「うるせえぞ!こんな勝負は無効だ!無効!」
誰かがそう言うと、喧騒は更にヒートアップする。カンナさんとセイスさんも反論の声をあげてくれているが、焼け石に水とはこのことだ。
……正直、予想はついていた。刀が自律的に動いたかと思えば、今度は死んだはずのボクが蘇り、勝負を決するはずだった攻撃を跳ね返してそのまま逆転。これがチートでない正当な手段によるものだと受け入れてもらうには、あまりにも展開が出来すぎているんだ。まして、初めからアウェーなこの状況。初めから結果は見えていた。
どうするか……。この状況、下手に何か反論するのは良くない。揚げ足を取られて余計面倒になる。だからといって何もしないのもダメだろう。その時は逆に、ボクに反論の余地がないと思われて、収まるどころかさらに加熱する。
手っ取り早いのは全員まとめて倒すか、いっそ開き直ってチーターであることを一旦認めてしまうかだろう。でも、ボクは両方ともしたくない。この場は収まっても今後この世界で遊んでいく上で確実に支障になるし、何よりそれでプレア殿に迷惑をかけるのが一番辛い。だから、何とか耐えて凌ぐしかない……と、諦めかけた矢先。
「おいっ、うるせぇぞ!一旦その口閉じやがれ!!」
突然響いた声に全員がハッとして黙り込む。声のした方を辿ると、いつの間にかミハイルが起き上がり、疲れたような表情で周りを見渡している。意外なことに、この状況を収めてくれたのはミハイル本人だった。まあ、一応彼らのリーダーなんだし、当たり前っちゃ当たり前なんだけど……。
「ったく。お前らのせいで、負けたオレが余計に惨めじゃねえか」
やれやれとため息をつきながら、寝癖のように乱れた金髪を掻く。掻きながら、立ち上がる。そのままゆっくりと、ボクの方に近づいてきた。さっきまで発していた殺意のようなものは、今はひとまず見られなかった。
「不本意だが、負けちまったもんは仕方ねえ……約束は約束だ!望み通り、今日のことは見なかったことにしてやる」
なんて、ぶっきらぼうにそう言うものだから、ボクはイメージとの違いに思わず笑ってしまった。
「ふふ、はははっ……!」
「あぁ?何がおかしい……!?」
「意外だなぁ。一緒になって責め立ててくるかと思ったのに」
「うっせ、笑ってんじゃねぇよ……オレは面倒なのが嫌いなだけだ」
そう言う彼は、少し照れ臭そうな感じがした。そして、更に数歩詰め寄ってくる。長身を少し屈ませるようにして、彼はボクに耳打ちした。
「大会で首洗って待ってやがれ。その時は……お前のその妙な力ごと、叩き斬ってやる」
え?大会?急なことを言われて少し困惑する。ポカンとした、少しだけ訝しげな顔をミハイルに向ける。そんなボクの心情を知ってか知らずか、彼は前に傾けていた身体を戻すと、そのままクルッと向き直り、ポケットに手を入れて立ち去っていった。……一瞬、後ろを向く瞬間、口元が緩んでいたようにみえた。
ミハイルの後を追って、続々と周りの男たちが立ち去っていく。ボクに最初矛先を向けたらしき人物も、聞こえよがしに置き土産の舌打ちをくれると、バツが悪そうに彼らの少し後ろを歩いて出ていった。この場に静寂が、戻った。
「ふぅ。とりあえず、一件落着かな?」
なんて、独り言を呟いてみる。直後、ボクは背中に温かいものを感じた。
「……やられたかと、思いました」
カンナさんだ。どうやら、泣いているようだった。ボクは振袖で叩かないように気をつけて、後ろ手に彼女の髪を撫でる。
「本当だ。余計な心配させないでくれ」
彼女の後ろから、セイスさんがゆっくり近づいてくる。その声色は、とても穏やかだった。
「すみません……ちょっと、油断してました」
「ああ、俺もまさか、ミハイルがあそこまで強くなっているとは思ってもなかった……俺では、精々逃げ切るくらいしか出来なかっただろう」
何となく、謙遜しているんだと思った。実際、彼の強さはボクもよく知っているから。でも確かに、彼にとっても確実に勝てる勝負じゃなかった気がする。ミハイルのあの様子では、まだ何か隠し玉でもありそうな感じがした。思わぬところに、強敵が潜んでいた。
「大会で、か……すまない、妙な因縁を押し付けることになって」
「いえいえ、大丈夫ですよ!それより、大会って何のことなんですか?」
「……春風。もしかして通知とか、あまり見ないタイプか?」
「え、通知……?」
セイスさんが苦笑いを見せる。あれ、そんな通知来てたっけ?とボクは運営からのお知らせを確認する。……今朝のトップニュースじゃん。プレア殿のこともあって、よっぽど余裕なかったんだろうな、ボク。
「あー……ありましたね、通知」
ハハハ……と肩を竦める。セイスさん曰く、今回のイベントは全プレイヤー参加型の大規模なもので、いくつかの部門で腕を競い合ったり、パーティー会場やアトラクションのある専用エリアでプレイヤーとの交流を深めたりできるらしい。
イベントの開始はリアルタイムで1週間後。凄く楽しみだ。その時までには、プレア殿と仲直りしたい。だからこそ今、自分の弱い一面と向き合うんだ。
ボクが彼の元を離れてしまった理由。最初は、それが彼に迷惑をかけない一番の方法で、お互いのためになると思い込んでいた。でも、こうして離れて時間が経って、ミハイルと戦ってやっと分かった。
ボクは、強くなりたくて離れたんじゃない。彼にいつか嫌われてしまうのが怖かったんだ。だからそうなる前に、強くなって戻るという名目で逃げてしまった。なんて自分勝手で、独善的だったんだろう。何でこんなこと、してしまったんだろう。プレア殿のことを第一に考えているようで、本当はそこまで考えてなかったんだ。
さっきのあのデュエルが、ボクにそれを教えてくれた。ミハイルの剣は、どこか強くあることに執着しているような感じがした。何故そんなことになっているのかは分からない。けど、ボクが最初ああも押し切られていたのは、数字の違いだけじゃなくて、きっと剣に込める想いの強さもあったんだろう。
そういう意味じゃ、ボクはプレア殿がいないとどうしようもない。ボクがあの時逆転できたのは、結局のところ、小春を介した彼の助けがあったから。それのおかげで、ボクは本来の自分と、刀たちに秘めた本来の感情を取り戻せたんだ。それがなかったら、ボクは間違いなく負けていただろう。
今まではそんな自分に、どこか嫌気が差していたんだと思う。自分のことは何でも自分で済ませなきゃ気が済まないというわけじゃないけれど、貰いっぱなしは嫌。でも、なかなか恩返しもできないまま、まともな防具だってボクだけが着けている状態で……。
きっと、そんな状態が心の中で許せなかったんだろう。ボクたちの関係はもっと公平であってほしい。プレア殿にも、もっと自分を優先してほしい。ボクのせいで彼に迷惑をかけて、そのせいで彼が傷ついていくのを……見たくなかったんだ。
今ならわかる。ボクだけじゃなくプレア殿も、離れている方がずっと辛い。今までずっと一緒にやってきたからか、どこかそれが当たり前のように感じていたけど……それはこんなにも、尊いことだった。
だから、もう逃げない。仮に彼に嫌われてしまったとしても、またやり直せばいい。逃げるんじゃなく、信じるんだ。プレア殿を……彼と築きあげてきた、大切な思い出を。
そのために必要なのは……やっぱり、強くなることだ。今度は、精神的に。
(……こんなこと考えるから、脳筋とか言われるのかもしれないなぁ)
なんて思いを、胸にしまって。ずっと待ってくれている2人に向き直る。
「行きましょう。ボスを倒しに」
2人の顔に、安堵したような笑顔。大丈夫、もう大丈夫だ。ちゃんと弱みと向き合って、また歩き出すと決めたんだから。脳筋だろうが、繊細だろうが……ただ、前に進むんだ。他の何でもない、ボクたち自身のために。
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