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第1章 錬金術の世界
最終話 今はまだ
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「はぁ、はぁ…」
乱れる息を整える。ボク、いつから…?無機質なシステムメッセージと共に、ボクの意識が蘇る。倒れていたわけじゃない、むしろ自分の足で立っていたのだ。そして目の前には、特殊演出のせいかポリゴン化せずにその場に残っている『ミュータントバークウルフ』。ボクは…何てことを。よもや怒りに身を任せ、殴りながら我を忘れるとは…。
「ハ、ル…?」
と、ふと声のした方を振り返ると…。
「「「………」」」
唖然とした表情でボクを見つめるセイスさん、カンナさん、そして…プレア殿。あぁ、最悪だ…セイスさんはいい、カンナさんも別にいい。でも、プレア殿にだけは、大切な友達である、彼にだけは見せたくなかった。見られたくなかった。自分が、心の弱さに逆上し、彼を待ち頼ろうともせず、ただ1人怒りに身を任せ攻撃し続ける姿を…。
「あ、あぁ…」
声が上手く出せない。何とか振り絞っても、震えてしまう。
「プレア、殿…」
怖い。自分の心の弱さを、情けないところを見せてしまった。失望されたらどうしよう?もう友達でいてくれなかったらどうしよう…?怖いよ…。
何かあったのか、セイスさんとカンナさんが視界の端に消えていく。間も無く、ここはボクとプレア殿の2人だけの空間になった。
「「………」」
残されたボクたちは、沈黙。気まずい空気が一帯を吹き抜ける。何か…何か言わないと。このままでは、ボクは本当に嫌われてしまうかもしれない。それは嫌だ。でも、今更何を言えば…?
わからない、怖い。ただそれだけで、ボクの唇は凍りついたように動かなくなっていた。そんな中、プレア殿の口が動き始める。何を言われるのかな?やっぱり…怖がられちゃった、かな…?
「す…っごい、ハル、こんなに強かったんだね!あんな化け物を、たった1人で…」
「……へ?」
思いもよらない言葉に、素っ頓狂な声を上げてしまった。え、ボクが…強い?自我を失ってすらいたのに?
「違う…」
思わず、否定をしてしまう。それが自分の意志ではないことに気づくのに、そう時間はかからなかった。でも、その時には既に、黒い霧が内側から渦巻いて、大きくなってボクを飲み込もうとしていた。
「違わないよ。ハルはこんなに…」
抑えていた感情が、灼熱をもって底から沸き立つ。ボクはそれを抑えられなくなり、そして…屈してしまった。ボクの口が、噴火するように暴れ出す。
「違うっ!ボクは…ボクは強くなんかない!!」
刃のような鋭い言葉の切っ先を、あろうことか彼に向けてしまう。何をやってるんだボクは。それに気づいた時にはもう遅く…心にも思ってないようなことが、思いたくもないような感情が、言葉になって吐かれ続ける。
~~side プレアデス~~
ハルの口から放たれる数々の言葉を、僕は黙って受け止める。中には普段のハルからは想像もつかないような暴言も。それでも、僕は受け止める。それは、これが全てハルの、本心からの言葉ではないと分かっているからだ。
僕が追いついた時、ハルは一心不乱に刀を振り回していた。何だかんだ物打ちで打ててはいたが、その剣筋があまりにも歪で、型にはまった彼女の剣とは程遠いことは、ずっと彼女の剣を見てきた僕にはすぐに分かった。その時、ハルの精神が解離していたことも、何となく。
「ボクは…師範の鍛錬から逃げた根性無しなんだ!心はずっと弱いまま…あの時から、何も成長出来ちゃいない…!」
ハルは、自分の心の弱さを嘆いていた。そして、そんな自分に憤ってもいた。それは、ハルという1人の剣士にとっては、許されないことなのかもしれない。でも、僕にとってはそんなこと…。
正直、どうだって良いことだ。
~~side 春風~~
「ボクは…師範の鍛錬から逃げた根性無しなんだ!心はずっと弱いまま…あの時から、何も成長出来ちゃいない…!」
ボヤけたように視界が霞む。ボクは知らず知らずのうちに、自分の心の弱さを次々と言い放っていた。強い語気で、何も悪くないプレア殿に。ああ、もうやめて。どんどん、心の中でプレア殿が離れて行く。嫌だ、もう、失いたくない…!
「だからボクは…私は…っ!」
あ、やばい…また、意識が…。
トサッ、
「おっと。大丈夫?」
倒れそうになった直後、プレア殿が受け止めてくれた。温かい…ホムンクルスの、生物の温もりのない腕に抱かれ、何故かそう感じている自分がいる。
「ハルは…どうしてそこまで、強くいようとするの?」
そんなことを聞いてくる。剣士だから…とは言えない。それもあるのだが、ボクはそれ以上に大きな理由を抱えてしまっていたから。それを恐れて隠そうとして、結局余計に傷を広げてしまったけれど。だからこそ、今更そんなことを言えるわけもなく…ボクはずっと黙ったままだった。
「でも僕は、ハルは凄いと思うよ?勿論剣もそうだけど…何より、自分の弱い所に、苦しみながらもちゃんと向き合おうとしてる。それは、誰もが当たり前のように出来ることじゃないよ」
ボクの頭上から、優しい言葉が降り注ぐ。ボクを…肯定してくれる。意識が飛びかけて、さっきまでの燃えるような感情も、何も出てこなくなったボクは、その言葉が雨粒のように、ボクに沁み渡っていくのをどこかで感じていた。
「それともう一つ。友達はそんな些細なことで、離れて行くような存在じゃないよ」
その言葉にボクはハッとして顔を上げる。そこには、昇り始めた太陽を眩しそうにしながら、微笑みかけてくれる彼の顔があったんだ。ボクが、一番言ってほしかった言葉。諦めかけていた言葉。それを当然のように言ってみせる彼は、ボクにとって、太陽の光よりも明るく輝いていた。
「プレ、ア…」
声が上ずる。堪えていたものが、またこみ上げてくる。そんなボクを覆い隠すように、彼は優しく抱きしめてくれた。そして、手を頭に乗せながら言う。
「誰だって感情のコントロールは難しいよ。特に、ずっと我慢してきたものは」
「うぅ、ひっぐ…」
彼の言葉一つ一つが、燃えて乾いた大地を潤おし、所々に水溜りを作っていく。それは今大きな湖となって、間もなく溢れ出そうとしている。ボクは、それを抑えることが出来なくなっていた。
抱きしめる力が、少しだけ強くなる。痛くなんかない。むしろ、彼の優しさをより強く感じられた。
「そう、それでいいんだよ?泣きたい時は、思い切り泣けばいい。僕は…ずっとここにいるから」
その言葉がトドメとなった。抑えていたものが、完全に崩壊し、流れ出す。呼吸の荒くなるボクの背中を、何度も何度もさすってくれる。そんな彼のことが、心なしか、いつもよりも大きく感じて…ボクは、私は。その頼もしさに、またも甘えてしまうのだった。
………
「うぅ…」
「ん、もう大丈夫?」
どれくらい経っただろうか。彼の湿りきった身体から身を起こし、その眩しさに目を瞑る。辺りは、もう既に光に満ちていた。そしてボクの中に立ち込めていた霧も、いつの間にか晴れ渡っていた。
「うん…ごめんね、色々と迷惑かけて」
「まさか。ハルがいなかったら、あの狼に皆やられてた。ハルが、僕を…僕達を守ってくれたおかげだよ。だから、迷惑なんかじゃなくて…ありがとうって気持ち」
そう言ってニカっと笑ってみせる彼の顔は、もう朱鷺色ではなくなった真っ白な朝日に照らされ、とても眩しく輝いていた。なんだろ、別の何かがこみ上げてきたな…。
「さて、僕達もそろそろ帰ろう?狼だけじゃない。まだやることは、やりたいことはいっぱいあるでしょ?それを楽しみに行こうよ」
「うん…帰ろう。ボクたちのいる街に」
そう言って立ち上がってみせた。もう、大丈夫。また1人でも歩いていける。今回は、結局また彼に甘えてしまったけど…同時に自分にとって、やっぱり欠かせない存在なんだって分かったから、今はそれで良いよね?私。
そうして2人、並んで歩き出す。朝露に照らされキラキラと、ダイヤモンドのように輝く草原の真ん中を、2人で…
「あっ」
「どうしたの?プレア殿」
「……街に帰るの、アクセサリーの素材、採りに行ってからでいい?」
そう言って振り返るプレア殿。やっちまった、なんて顔をしながら。ああもう、せっかく良い雰囲気だったのにぶち壊しだよ、全く。でも…
「…ふふっ。あははっ!やっぱり、プレア殿はプレア殿だ!」
「あっ、ちょっそれどういう…」
「いやーおかしいと思ったんだよ。プレア殿があんなに優しくてカッコいいわけないよなって…」
「ちょっと!?言わせておけば!僕だって結構頑張ったんだからそんなこと言わないでよー」
「あっはははははは!」
あぁ、やっぱり楽しいな。彼といると。色々と優しさに甘えちゃうところもあるし、何れはきちんと、その優しさに縋る自分を絶たないといけないんだけど。でも、それはまだ先。今はまだ、このゲームを、この時間を全力で楽しみたい。何だかボクたちなら、何でも出来るような気がするから。
無いものは、足りないものは作ればいい。だって錬金術って…そういうことだもんね?ボクに今足りないものも、いっぱいあるけれど…この世界で過ごしている中で、それを見つけていければいいな、なんて無いものねだりをしながら。ボクと彼は、さっきまで進んできた道を、足早に戻るのだった。
春風 Lv.13
種族:獣人(狐)/職業:戦士Lv.12
HP:200
MP:0(+300)
STR:60→75
VIT:20
AGI:70
INT:0(+100)
RES:5
DEX:10
LUK:10
SP:15→0
頭:なし
胸:初心者の服(上)
右手:大地の精霊刀アルバノ=ガイア
左手:-
脚:初心者の服(下)
足:初心者の靴
特殊:なし
所持金:13300G
満腹度:50%
称号:《勝負師》《卓越した剣技》《バークウルフの天敵》《居合術の使い手》《狂戦士の目覚め》
スキル:【レイジ】【燕返し】【付加:地縛】【カウンター】【狂乱化】
乱れる息を整える。ボク、いつから…?無機質なシステムメッセージと共に、ボクの意識が蘇る。倒れていたわけじゃない、むしろ自分の足で立っていたのだ。そして目の前には、特殊演出のせいかポリゴン化せずにその場に残っている『ミュータントバークウルフ』。ボクは…何てことを。よもや怒りに身を任せ、殴りながら我を忘れるとは…。
「ハ、ル…?」
と、ふと声のした方を振り返ると…。
「「「………」」」
唖然とした表情でボクを見つめるセイスさん、カンナさん、そして…プレア殿。あぁ、最悪だ…セイスさんはいい、カンナさんも別にいい。でも、プレア殿にだけは、大切な友達である、彼にだけは見せたくなかった。見られたくなかった。自分が、心の弱さに逆上し、彼を待ち頼ろうともせず、ただ1人怒りに身を任せ攻撃し続ける姿を…。
「あ、あぁ…」
声が上手く出せない。何とか振り絞っても、震えてしまう。
「プレア、殿…」
怖い。自分の心の弱さを、情けないところを見せてしまった。失望されたらどうしよう?もう友達でいてくれなかったらどうしよう…?怖いよ…。
何かあったのか、セイスさんとカンナさんが視界の端に消えていく。間も無く、ここはボクとプレア殿の2人だけの空間になった。
「「………」」
残されたボクたちは、沈黙。気まずい空気が一帯を吹き抜ける。何か…何か言わないと。このままでは、ボクは本当に嫌われてしまうかもしれない。それは嫌だ。でも、今更何を言えば…?
わからない、怖い。ただそれだけで、ボクの唇は凍りついたように動かなくなっていた。そんな中、プレア殿の口が動き始める。何を言われるのかな?やっぱり…怖がられちゃった、かな…?
「す…っごい、ハル、こんなに強かったんだね!あんな化け物を、たった1人で…」
「……へ?」
思いもよらない言葉に、素っ頓狂な声を上げてしまった。え、ボクが…強い?自我を失ってすらいたのに?
「違う…」
思わず、否定をしてしまう。それが自分の意志ではないことに気づくのに、そう時間はかからなかった。でも、その時には既に、黒い霧が内側から渦巻いて、大きくなってボクを飲み込もうとしていた。
「違わないよ。ハルはこんなに…」
抑えていた感情が、灼熱をもって底から沸き立つ。ボクはそれを抑えられなくなり、そして…屈してしまった。ボクの口が、噴火するように暴れ出す。
「違うっ!ボクは…ボクは強くなんかない!!」
刃のような鋭い言葉の切っ先を、あろうことか彼に向けてしまう。何をやってるんだボクは。それに気づいた時にはもう遅く…心にも思ってないようなことが、思いたくもないような感情が、言葉になって吐かれ続ける。
~~side プレアデス~~
ハルの口から放たれる数々の言葉を、僕は黙って受け止める。中には普段のハルからは想像もつかないような暴言も。それでも、僕は受け止める。それは、これが全てハルの、本心からの言葉ではないと分かっているからだ。
僕が追いついた時、ハルは一心不乱に刀を振り回していた。何だかんだ物打ちで打ててはいたが、その剣筋があまりにも歪で、型にはまった彼女の剣とは程遠いことは、ずっと彼女の剣を見てきた僕にはすぐに分かった。その時、ハルの精神が解離していたことも、何となく。
「ボクは…師範の鍛錬から逃げた根性無しなんだ!心はずっと弱いまま…あの時から、何も成長出来ちゃいない…!」
ハルは、自分の心の弱さを嘆いていた。そして、そんな自分に憤ってもいた。それは、ハルという1人の剣士にとっては、許されないことなのかもしれない。でも、僕にとってはそんなこと…。
正直、どうだって良いことだ。
~~side 春風~~
「ボクは…師範の鍛錬から逃げた根性無しなんだ!心はずっと弱いまま…あの時から、何も成長出来ちゃいない…!」
ボヤけたように視界が霞む。ボクは知らず知らずのうちに、自分の心の弱さを次々と言い放っていた。強い語気で、何も悪くないプレア殿に。ああ、もうやめて。どんどん、心の中でプレア殿が離れて行く。嫌だ、もう、失いたくない…!
「だからボクは…私は…っ!」
あ、やばい…また、意識が…。
トサッ、
「おっと。大丈夫?」
倒れそうになった直後、プレア殿が受け止めてくれた。温かい…ホムンクルスの、生物の温もりのない腕に抱かれ、何故かそう感じている自分がいる。
「ハルは…どうしてそこまで、強くいようとするの?」
そんなことを聞いてくる。剣士だから…とは言えない。それもあるのだが、ボクはそれ以上に大きな理由を抱えてしまっていたから。それを恐れて隠そうとして、結局余計に傷を広げてしまったけれど。だからこそ、今更そんなことを言えるわけもなく…ボクはずっと黙ったままだった。
「でも僕は、ハルは凄いと思うよ?勿論剣もそうだけど…何より、自分の弱い所に、苦しみながらもちゃんと向き合おうとしてる。それは、誰もが当たり前のように出来ることじゃないよ」
ボクの頭上から、優しい言葉が降り注ぐ。ボクを…肯定してくれる。意識が飛びかけて、さっきまでの燃えるような感情も、何も出てこなくなったボクは、その言葉が雨粒のように、ボクに沁み渡っていくのをどこかで感じていた。
「それともう一つ。友達はそんな些細なことで、離れて行くような存在じゃないよ」
その言葉にボクはハッとして顔を上げる。そこには、昇り始めた太陽を眩しそうにしながら、微笑みかけてくれる彼の顔があったんだ。ボクが、一番言ってほしかった言葉。諦めかけていた言葉。それを当然のように言ってみせる彼は、ボクにとって、太陽の光よりも明るく輝いていた。
「プレ、ア…」
声が上ずる。堪えていたものが、またこみ上げてくる。そんなボクを覆い隠すように、彼は優しく抱きしめてくれた。そして、手を頭に乗せながら言う。
「誰だって感情のコントロールは難しいよ。特に、ずっと我慢してきたものは」
「うぅ、ひっぐ…」
彼の言葉一つ一つが、燃えて乾いた大地を潤おし、所々に水溜りを作っていく。それは今大きな湖となって、間もなく溢れ出そうとしている。ボクは、それを抑えることが出来なくなっていた。
抱きしめる力が、少しだけ強くなる。痛くなんかない。むしろ、彼の優しさをより強く感じられた。
「そう、それでいいんだよ?泣きたい時は、思い切り泣けばいい。僕は…ずっとここにいるから」
その言葉がトドメとなった。抑えていたものが、完全に崩壊し、流れ出す。呼吸の荒くなるボクの背中を、何度も何度もさすってくれる。そんな彼のことが、心なしか、いつもよりも大きく感じて…ボクは、私は。その頼もしさに、またも甘えてしまうのだった。
………
「うぅ…」
「ん、もう大丈夫?」
どれくらい経っただろうか。彼の湿りきった身体から身を起こし、その眩しさに目を瞑る。辺りは、もう既に光に満ちていた。そしてボクの中に立ち込めていた霧も、いつの間にか晴れ渡っていた。
「うん…ごめんね、色々と迷惑かけて」
「まさか。ハルがいなかったら、あの狼に皆やられてた。ハルが、僕を…僕達を守ってくれたおかげだよ。だから、迷惑なんかじゃなくて…ありがとうって気持ち」
そう言ってニカっと笑ってみせる彼の顔は、もう朱鷺色ではなくなった真っ白な朝日に照らされ、とても眩しく輝いていた。なんだろ、別の何かがこみ上げてきたな…。
「さて、僕達もそろそろ帰ろう?狼だけじゃない。まだやることは、やりたいことはいっぱいあるでしょ?それを楽しみに行こうよ」
「うん…帰ろう。ボクたちのいる街に」
そう言って立ち上がってみせた。もう、大丈夫。また1人でも歩いていける。今回は、結局また彼に甘えてしまったけど…同時に自分にとって、やっぱり欠かせない存在なんだって分かったから、今はそれで良いよね?私。
そうして2人、並んで歩き出す。朝露に照らされキラキラと、ダイヤモンドのように輝く草原の真ん中を、2人で…
「あっ」
「どうしたの?プレア殿」
「……街に帰るの、アクセサリーの素材、採りに行ってからでいい?」
そう言って振り返るプレア殿。やっちまった、なんて顔をしながら。ああもう、せっかく良い雰囲気だったのにぶち壊しだよ、全く。でも…
「…ふふっ。あははっ!やっぱり、プレア殿はプレア殿だ!」
「あっ、ちょっそれどういう…」
「いやーおかしいと思ったんだよ。プレア殿があんなに優しくてカッコいいわけないよなって…」
「ちょっと!?言わせておけば!僕だって結構頑張ったんだからそんなこと言わないでよー」
「あっはははははは!」
あぁ、やっぱり楽しいな。彼といると。色々と優しさに甘えちゃうところもあるし、何れはきちんと、その優しさに縋る自分を絶たないといけないんだけど。でも、それはまだ先。今はまだ、このゲームを、この時間を全力で楽しみたい。何だかボクたちなら、何でも出来るような気がするから。
無いものは、足りないものは作ればいい。だって錬金術って…そういうことだもんね?ボクに今足りないものも、いっぱいあるけれど…この世界で過ごしている中で、それを見つけていければいいな、なんて無いものねだりをしながら。ボクと彼は、さっきまで進んできた道を、足早に戻るのだった。
春風 Lv.13
種族:獣人(狐)/職業:戦士Lv.12
HP:200
MP:0(+300)
STR:60→75
VIT:20
AGI:70
INT:0(+100)
RES:5
DEX:10
LUK:10
SP:15→0
頭:なし
胸:初心者の服(上)
右手:大地の精霊刀アルバノ=ガイア
左手:-
脚:初心者の服(下)
足:初心者の靴
特殊:なし
所持金:13300G
満腹度:50%
称号:《勝負師》《卓越した剣技》《バークウルフの天敵》《居合術の使い手》《狂戦士の目覚め》
スキル:【レイジ】【燕返し】【付加:地縛】【カウンター】【狂乱化】
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