6 / 202
第1章 錬金術の世界
第3話 付与強化①
しおりを挟む
街に戻った僕達は、冒険者ギルドで『ホワイトラビット』の素材を一部売却してGを手に入れ、満腹度回復のために併設された食堂で、先程の肉を使った『ホワイトラビットの香草ステーキ』を注文した。
『ホワイトラビットの香草ステーキ』☆2
売価100G。中央エルメイア平原に主に生息するホワイトラビットの肉を、ハーブなどの香草と一緒に焼いた料理。その安さと味から、冒険者にとっては不動の人気No.1メニュー。
このゲームには満腹度という概念があり、食事によってそれを回復させることができる。因みに、30%を切るとSTRやAGIなどのステータスが低下し始め、0%になると《飢餓》の状態異常になる。こうなった場合はHPが減少し続け、30%以上に回復させないと解除できない。さっき僕達は40%だったのでまあまあ危なかった。
しかし、どうだ。見た目だけじゃない、この香りや湯気の暖かさ。五感がほぼ現実レベルまで再現されたこのゲームで、食事というのは発売前から期待されてきた要素の一つだったのだ。
ナイフで一口大に切って早速口に。うーん、噛み締める度に肉汁が溢れて、その割に脂もしつこくなくていくらでも食べられそうだ。最も食べ過ぎると《過食》の状態異常にかかるがそれは言わないお約束。言っちゃったけど。
「うん、兎の肉なんてリアルじゃまず食べられないけど、結構臭みもなくて食べやすいんだね!美味しい~」
目の前の春風も満足そうに顔を綻ばせている。何というか、アレだな。戦闘の時の強くてカッコいいイメージを知ってる分より可愛く見えるな…いや実際可愛いんだけど。って、何を言っているんだ僕は。
「今日はありがとう。プレアデス殿のヘイト管理のおかげでかなり捗ったよ」
「こちらこそ。僕1人じゃまともに狩ることもできなかったからね…そうだ、お礼に春風の武器を強化させてよ。やったことないけど一応、鍛治職人だし?」
「えっ、いいの!?じゃあ、お言葉に甘えて。プレアデス殿の仕事の練習台になってあげるよ」
その後、もう一つずつステーキを頂いて、お互い満腹度を100%にしたところでお支払い。僕が奢っても良かったんだけど、春風が頑なに断ってきたので割り勘にした。僕としてもそっちの方がありがたいから良かった。
2つ食べたため200Gかかるはずだが、素材持ち込みの場合半額で済むため合計100G。14体分のドロップ素材の売却含め、差し引き600Gの利益が出た。因みに基本ドロップは肉と毛皮。肉は全て食料にするので、毛皮の50Gの売価だけだ。
別の1体から出たレアドロップ『ホワイトラビットの毛皮(良)』はこれの5倍の価値があり、どちらの利益にするか話し合った結果、これを素材に何か作ることで落ち着いたのだった。
というわけで工房にご案内…できるほど進んでもないので、宿屋で部屋を借りることにした。何故か2人1部屋で借りることになり、受付のおばさんがニヤニヤしていたが大丈夫だろうか。まあこのゲーム全年齢対象だしそういう描写はないだろう、多分。
「さて、じゃあ早速始めますかね」
そう言って僕はアイテムボックスから採ってきた素材と初期アイテムの作業台を床に並べる。
『ホワイトラビットの毛皮(良)』☆2
売価250G。ホワイトラビットから稀に入手できる上質な毛皮。通常の毛皮より大きく丈夫で、衣服などの素材に適している。
『石材』☆1
売価5G。どこにでもある石。
『アルバノの木の枝』☆1
売価5G。エルメイア王国中に広く生育するアルバノの木から採取できる。
『アルバノの木の若枝』☆2
売価10G。アルバノの木から採取できる若い枝。大地の恵みを多く吸収し、強度も高い。
『初心者の作業台セット』☆1
売却不可。冒険を始める初心者のためにギルドから支給された作業台と数種類の工具。基本的な作業しかできないが、何回使っても壊れない。
「さて、とりあえずは☆1素材から手を付けようかな?予備もたくさんあるし」
「その方が良いだろうね。何かボクに手伝えることはあるかい?」
そう言って人差し指を口に当てて首を傾げる春風。普通の人がやるとあざといと言われるんだろうが、不思議とそんな感じがしないんだよなあ。っと、作業を始めないと。
春風には加工の状態を俯瞰してもらうよう伝えて、僕は石材と木材を取り出す。…戦力外通告じゃないよ?何なら僕だって初めてだし。とりあえず何か作ってみよう。作業台の上に置くと、加工メニューが…出ない。つまり自分でやってみろってことか。これは思ったより大変だなあ。
『石のボロ槌』☆0 ATK+1
売価0G。石に木の棒をくっつけただけの武器。数回使うと壊れる。
「うわぁ…これは酷い」
まさかここまでゲーム側に貶されるとは。流石に悔しいなこれは。説明文もけちょんけちょんに言ってくるし、極め付けは売価0G。元々売る気なんてなかったが、こうもハッキリ言われると製作者としては心が抉られる。
春風にもこの酷い説明文を見せると「驚いた。☆0なんてものもあるんだね」と。…違う、そこじゃない。
春風に辛さを共感してもらえなかった可哀想な僕はその後何回か石材と木材でやりくりしたが上手くいかず、売価0Gの駄作がこじんまりと山を作ったところ、
ーーー職業レベルがアップしました。(Lv.1→2)
ーーー称号《試行錯誤》を獲得しました。
《試行錯誤》
職業Lv.1の状態で売価0Gのアイテムを5つ以上生産することで取得。アイテム製作の成功率に小補正。
どうやらレベルアップと同時に運良く称号を獲得したようだ。効果は結構ありがたいが、これ条件…どうやら失敗作でも5つ作ればレベルアップできるようで、1個でも成功すると称号を入手できなくなるという…運が良いのやら悪いのやら分からなくなってきたので考えないことにした。
そしてレベルが上がったおかげか否か、一つ妙案を思いついた。念のため春風と意見を共有してみたところ、かなり好評だったため実践してみることに。僕は石材ともう一つ、自分の武器『初心者の槌』を作業台に置いた。
『初心者の槌』☆1 ATK+5
売却不可。冒険を始める初心者のためにギルドから支給された木製の槌。威力は弱いが何回使っても壊れない。
補正やステータスが不十分な以上、春風のようなリアルチートでもない限り最初から上手く出来るとは思えなかったため、考え方を変える。今までは鋳型も設計図もなしに原型を一から作ろうとしてきたが、今回は原型を用意し、それを素材を使って加工する方針で行ってみようと思う。
この武器の攻撃力の低さは叩く場所、つまり頭部の硬さや重さが足りないことにある。そこで、頭部に石材をコーティングして補強をしてみる。とは言っても所詮は石。金属のように展性に優れているわけでもなく、加工器具もあまり無いので形はデコボコになる。まあどうせ初心者武器なんてゲーム内2日も持たないだろうし気楽に行こう。
と、春風も僕の手元を見つめるなかトンテンカンと石を打ち付けていると…
ーーーシークレットコマンド『付与強化』に初めて成功しました。ユニークスキル【付与強化】を獲得しました。
ーーー付与強化に成功しました。『初心者の槌』は『初心者の石槌』に強化されました。
ーーー職業レベルがアップしました。(Lv.2→3)
『ホワイトラビットの香草ステーキ』☆2
売価100G。中央エルメイア平原に主に生息するホワイトラビットの肉を、ハーブなどの香草と一緒に焼いた料理。その安さと味から、冒険者にとっては不動の人気No.1メニュー。
このゲームには満腹度という概念があり、食事によってそれを回復させることができる。因みに、30%を切るとSTRやAGIなどのステータスが低下し始め、0%になると《飢餓》の状態異常になる。こうなった場合はHPが減少し続け、30%以上に回復させないと解除できない。さっき僕達は40%だったのでまあまあ危なかった。
しかし、どうだ。見た目だけじゃない、この香りや湯気の暖かさ。五感がほぼ現実レベルまで再現されたこのゲームで、食事というのは発売前から期待されてきた要素の一つだったのだ。
ナイフで一口大に切って早速口に。うーん、噛み締める度に肉汁が溢れて、その割に脂もしつこくなくていくらでも食べられそうだ。最も食べ過ぎると《過食》の状態異常にかかるがそれは言わないお約束。言っちゃったけど。
「うん、兎の肉なんてリアルじゃまず食べられないけど、結構臭みもなくて食べやすいんだね!美味しい~」
目の前の春風も満足そうに顔を綻ばせている。何というか、アレだな。戦闘の時の強くてカッコいいイメージを知ってる分より可愛く見えるな…いや実際可愛いんだけど。って、何を言っているんだ僕は。
「今日はありがとう。プレアデス殿のヘイト管理のおかげでかなり捗ったよ」
「こちらこそ。僕1人じゃまともに狩ることもできなかったからね…そうだ、お礼に春風の武器を強化させてよ。やったことないけど一応、鍛治職人だし?」
「えっ、いいの!?じゃあ、お言葉に甘えて。プレアデス殿の仕事の練習台になってあげるよ」
その後、もう一つずつステーキを頂いて、お互い満腹度を100%にしたところでお支払い。僕が奢っても良かったんだけど、春風が頑なに断ってきたので割り勘にした。僕としてもそっちの方がありがたいから良かった。
2つ食べたため200Gかかるはずだが、素材持ち込みの場合半額で済むため合計100G。14体分のドロップ素材の売却含め、差し引き600Gの利益が出た。因みに基本ドロップは肉と毛皮。肉は全て食料にするので、毛皮の50Gの売価だけだ。
別の1体から出たレアドロップ『ホワイトラビットの毛皮(良)』はこれの5倍の価値があり、どちらの利益にするか話し合った結果、これを素材に何か作ることで落ち着いたのだった。
というわけで工房にご案内…できるほど進んでもないので、宿屋で部屋を借りることにした。何故か2人1部屋で借りることになり、受付のおばさんがニヤニヤしていたが大丈夫だろうか。まあこのゲーム全年齢対象だしそういう描写はないだろう、多分。
「さて、じゃあ早速始めますかね」
そう言って僕はアイテムボックスから採ってきた素材と初期アイテムの作業台を床に並べる。
『ホワイトラビットの毛皮(良)』☆2
売価250G。ホワイトラビットから稀に入手できる上質な毛皮。通常の毛皮より大きく丈夫で、衣服などの素材に適している。
『石材』☆1
売価5G。どこにでもある石。
『アルバノの木の枝』☆1
売価5G。エルメイア王国中に広く生育するアルバノの木から採取できる。
『アルバノの木の若枝』☆2
売価10G。アルバノの木から採取できる若い枝。大地の恵みを多く吸収し、強度も高い。
『初心者の作業台セット』☆1
売却不可。冒険を始める初心者のためにギルドから支給された作業台と数種類の工具。基本的な作業しかできないが、何回使っても壊れない。
「さて、とりあえずは☆1素材から手を付けようかな?予備もたくさんあるし」
「その方が良いだろうね。何かボクに手伝えることはあるかい?」
そう言って人差し指を口に当てて首を傾げる春風。普通の人がやるとあざといと言われるんだろうが、不思議とそんな感じがしないんだよなあ。っと、作業を始めないと。
春風には加工の状態を俯瞰してもらうよう伝えて、僕は石材と木材を取り出す。…戦力外通告じゃないよ?何なら僕だって初めてだし。とりあえず何か作ってみよう。作業台の上に置くと、加工メニューが…出ない。つまり自分でやってみろってことか。これは思ったより大変だなあ。
『石のボロ槌』☆0 ATK+1
売価0G。石に木の棒をくっつけただけの武器。数回使うと壊れる。
「うわぁ…これは酷い」
まさかここまでゲーム側に貶されるとは。流石に悔しいなこれは。説明文もけちょんけちょんに言ってくるし、極め付けは売価0G。元々売る気なんてなかったが、こうもハッキリ言われると製作者としては心が抉られる。
春風にもこの酷い説明文を見せると「驚いた。☆0なんてものもあるんだね」と。…違う、そこじゃない。
春風に辛さを共感してもらえなかった可哀想な僕はその後何回か石材と木材でやりくりしたが上手くいかず、売価0Gの駄作がこじんまりと山を作ったところ、
ーーー職業レベルがアップしました。(Lv.1→2)
ーーー称号《試行錯誤》を獲得しました。
《試行錯誤》
職業Lv.1の状態で売価0Gのアイテムを5つ以上生産することで取得。アイテム製作の成功率に小補正。
どうやらレベルアップと同時に運良く称号を獲得したようだ。効果は結構ありがたいが、これ条件…どうやら失敗作でも5つ作ればレベルアップできるようで、1個でも成功すると称号を入手できなくなるという…運が良いのやら悪いのやら分からなくなってきたので考えないことにした。
そしてレベルが上がったおかげか否か、一つ妙案を思いついた。念のため春風と意見を共有してみたところ、かなり好評だったため実践してみることに。僕は石材ともう一つ、自分の武器『初心者の槌』を作業台に置いた。
『初心者の槌』☆1 ATK+5
売却不可。冒険を始める初心者のためにギルドから支給された木製の槌。威力は弱いが何回使っても壊れない。
補正やステータスが不十分な以上、春風のようなリアルチートでもない限り最初から上手く出来るとは思えなかったため、考え方を変える。今までは鋳型も設計図もなしに原型を一から作ろうとしてきたが、今回は原型を用意し、それを素材を使って加工する方針で行ってみようと思う。
この武器の攻撃力の低さは叩く場所、つまり頭部の硬さや重さが足りないことにある。そこで、頭部に石材をコーティングして補強をしてみる。とは言っても所詮は石。金属のように展性に優れているわけでもなく、加工器具もあまり無いので形はデコボコになる。まあどうせ初心者武器なんてゲーム内2日も持たないだろうし気楽に行こう。
と、春風も僕の手元を見つめるなかトンテンカンと石を打ち付けていると…
ーーーシークレットコマンド『付与強化』に初めて成功しました。ユニークスキル【付与強化】を獲得しました。
ーーー付与強化に成功しました。『初心者の槌』は『初心者の石槌』に強化されました。
ーーー職業レベルがアップしました。(Lv.2→3)
12
お気に入りに追加
177
あなたにおすすめの小説
【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~
夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。
多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』
一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。
主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!!
小説家になろうからの転載です。
最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした
水の入ったペットボトル
SF
これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。
ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。
βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?
そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。
この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。
運極さんが通る
スウ
ファンタジー
『VRMMO』の技術が詰まったゲームの1次作、『Potential of the story』が発売されて約1年と2ヶ月がたった。
そして、今日、新作『Live Online』が発売された。
主人公は『Live Online』の世界で掲示板を騒がせながら、運に極振りをして、仲間と共に未知なる領域を探索していく。……そして彼女は後に、「災運」と呼ばれる。
Select Life Online~最後にゲームをはじめた出遅れ組
瑞多美音
SF
福引の景品が発売分最後のパッケージであると運営が認め話題になっているVRMMOゲームをたまたま手に入れた少女は……
「はあ、農業って結構重労働なんだ……筋力が足りないからなかなか進まないよー」※ STRにポイントを振れば解決することを思いつきません、根性で頑張ります。
「なんか、はじまりの街なのに外のモンスター強すぎだよね?めっちゃ、死に戻るんだけど……わたし弱すぎ?」※ここははじまりの街ではありません。
「裁縫かぁ。布……あ、畑で綿を育てて布を作ろう!」※布を売っていることを知りません。布から用意するものと思い込んでいます。
リアルラックが高いのに自分はついてないと思っている高山由莉奈(たかやまゆりな)。ついていないなーと言いつつ、ゲームのことを知らないままのんびり楽しくマイペースに過ごしていきます。
そのうち、STRにポイントを振れば解決することや布のこと、自身がどの街にいるか知り大変驚きますが、それでもマイペースは変わらず……どこかで話題になるかも?しれないそんな少女の物語です。
出遅れ組と言っていますが主人公はまったく気にしていません。
○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○
※VRMMO物ですが、作者はゲーム物執筆初心者です。つたない文章ではありますが広いお心で読んで頂けたら幸いです。
※1話約2000〜3000字程度です。時々長かったり短い話もあるかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる