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直撃
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レビの言葉を無視し、ヴァリトラは手の平を上に向けると、バスケットボールぐらいの大きさの火球を生み出した。そしてレビに狙いを定めると、振り被って思いっ切り投げつけた。
ウォンと唸るように火球はレビに迫ったが、それを左に飛んでかわす。
するとレビの着地点を狙い、ヴァリトラは左の手の平を突き出し、今度はノーモーションで炎の柱を噴出した。
(やべっ!!)
炎の柱は、空中で身動きの取れないレビを直撃するはずだった。
が、レビの前にイブのクマのぬいぐるみが飛び出し、全ての炎を吸い込んだ。
クマのぬいぐるみは炎を吸い込み終わると、ボンッと発火し跡形もなく焼けてしまった。
「アァッ??」
ヴァリトラは顔をしかめた。
(油断した…。いきなり死ぬとこだった…。)
レビの全身から汗が吹き出る。
(遠距離から様子見かと思ったら、いきなり殺りにきやがった…)
「森のレビ…。自身の視野にある植物を操ることができる。自身の距離に比例して操れる最大質量が変わる。植物を生み出す能力は低い…。と聞いたが…。」
「よくご存知で…。」
「なんだ今のは?まあいい…。もう焼けてなくなった。」
レビはイブのぬいぐるみを、ヴァリトラが到着する一瞬前に叢へと隠していた。
それは戦いの隠しカードとして、数を悟らせず、ぬいぐるみの効果を増すためであった。
(すぐに世話になっちまったな…。大事なぬいぐるみを悪いイブ…。)
レビはさっとヴァリトラの横の木に意識を集中させる。
太く鋭い木の槍がヴァリトラに迫ったが、ヴァリトラはその方向を見ることもなく、右手から炎の柱を噴射し、槍を木炭へと変えた。
(これはきついね…。)
レビは苦笑を浮かべ、熱さと焦りで流れる額の汗を拭った。
ウォンと唸るように火球はレビに迫ったが、それを左に飛んでかわす。
するとレビの着地点を狙い、ヴァリトラは左の手の平を突き出し、今度はノーモーションで炎の柱を噴出した。
(やべっ!!)
炎の柱は、空中で身動きの取れないレビを直撃するはずだった。
が、レビの前にイブのクマのぬいぐるみが飛び出し、全ての炎を吸い込んだ。
クマのぬいぐるみは炎を吸い込み終わると、ボンッと発火し跡形もなく焼けてしまった。
「アァッ??」
ヴァリトラは顔をしかめた。
(油断した…。いきなり死ぬとこだった…。)
レビの全身から汗が吹き出る。
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「よくご存知で…。」
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それは戦いの隠しカードとして、数を悟らせず、ぬいぐるみの効果を増すためであった。
(すぐに世話になっちまったな…。大事なぬいぐるみを悪いイブ…。)
レビはさっとヴァリトラの横の木に意識を集中させる。
太く鋭い木の槍がヴァリトラに迫ったが、ヴァリトラはその方向を見ることもなく、右手から炎の柱を噴射し、槍を木炭へと変えた。
(これはきついね…。)
レビは苦笑を浮かべ、熱さと焦りで流れる額の汗を拭った。
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