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ハリオット様が来てるって聞いて急ぎましたわ。
相手してる門番にも悪いですからね。
ランドール様が帰ってからで良かったですわ。

門まで行くとハリオット様は騒いでましたわ。

「おい、エリーナはまだか?せっかく俺様が来てやったんだから早く呼んでこい!!」
「復縁してやるんだからな、伯爵家に入ったら貴様らはクビだからな!!」

ありえないことを叫んでましたわ……。

「ハリオット様ごきげんよう、何しにいらしたのかしら?」
「復縁とか言ってましたがありえませんわ。」

近所迷惑になるので迎え入れましたわ、1番小さい客間に案内しましたわ。

入ってそうそうにハリオット様が宣言しましたわ。

「エリーナ、俺のこと愛してるだろ?だからもう1度復縁してくれ。」

「いきなり来てなんですの?愛してる?復縁?ありえませんわ。」

ハリオット様は頭の中はお花畑なんでしょうか……。

「俺を助けてくれ、支援金などの条件を忘れてたんだよ、このままだと勘当されそうなんだよ。家は兄さんが継いでるから行き場がないんだよ!!」
「次はちゃんとするから復縁してくれ。」

土下座しそうな勢いで言いよってきましたけど、無理ですわね。
侯爵家はハリオット様のお兄様が継いだんですね。
お断りして帰って頂きましょうかね。

「ハリオット様お断りしますわ。あなたのこと嫌いなんですの。」
「勘当されたらよろしいんじゃないですか?それか身ごもったという愛人キャサリン様のアビール伯爵家に婿入りしたらいいですわ。」

そう言うとまた騒ぎ始めましたわ。

「やっぱり可愛げないな、俺のこと好きなくせに嫌いとか嘘だろ。追いすがるぐらいしてみろよ。」
「キャサリンとは別れたしアビール伯爵家に戻したしな。」

どこまでもクズですわね……淑女を脱ぎ捨ててみましょうかね。

「嫌いだって言ってんだろ、お前と復縁なんかするわけないだろうが、さっさと帰れやこのクズが!!」
「身ごもった女捨てるとか最低だな。」

淑女らしかぬ口調で言いましたわ、これで帰ってくれるかしら?

ハリオット様はポカンと口を開けてみてましたわね。
付き合いたくないからドン引きされても構いませんわ。

「女の癖に口答えするなや、そんなに口悪い女は願い下げだ。」

「願い下げで結構ですわ、早く帰れ、2度と来るな!!」

そう言うとやっと帰りましたわ。
メイド達を見ると引きつってましたわ……こんな私を初めて見たからですわね。
それでもメイド達は受け入れてくれましたね。

「エリーナ様、凄いですね。」
「あたしはあれほど言えないですよ、かっこよかったです。」
キラキラした目で見られて、崇拝されそうですけどね。

お父様達にハリオット様のことを報告しに行きましょうか。

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