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後編

『人妻論《ママ狩り》 奥さんは熱いうちに突け! …後編ー㉙:取り残された男が縋る希望』

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     田中梨華は、イキ過ぎて気絶している……。

     29:取り残された男が縋る希望 (木曜日 15:45→13:08)

 筒井康隆の傑作「七瀬、ふたたび」でこんなシーンがある。
 美しきテレパシスト七瀬に、タイムトラベラー藤子が、このような告白するのである。
 私が危機に陥り、その危機から逃げるために過去に飛ぶ、そしたら、その危機的時間帯に取り残された仲間はどうなるの?
 私は、何の考えもなしに時間跳躍をしてきたけど、最近、それを考えると辛い……。
 私は、自分が助かるために、時を飛ぶたびに、仲間の不幸を踏み台にして生き永らえているのかも知れない。

 話はそして、パラレルワールドの概念が語られる。
 つまり、そのタイムトラベラーが時を遡るたびに、それまでの世界は、時間跳躍者を不在にしたまま存在し、また、それとは違った、また少し異なる世界が生まれるという多元宇宙論だ。

 ……「俺」はそんなことを想っていた。
 どうやら、気絶した主婦は、おそらく、過去に飛んでいった、と、「俺」は確信している。
 アルティミシアのタイムワープ「時間圧縮」は、主体分離型。
 人妻は二つに分かれ、その「主役級」が「時間圧縮」で過去に戻ったのだ、と……。

     「俺」は、取り残されたのだ。

 目の前には、何百回となくイキまくり、グタッとなっている人妻がいた。
 依然として、手足は縛られている。
 小さい華奢な身体なのに、その肉体は、力なく受け身でありながらも神々しい……。
 さすがにクリストローも倒れている。
 身体にはまだまだ火照りがあり、大気を通し「俺」にも伝わっていた。
 火照りの桃色に染まった白い肌……、女性器だけが神聖かつ毒々しい濃紺の赤い切れ込みを見せていた。
 管の中でも陰核が勃起しているから刺激され続けていたのだろう、今は、その局所は屹立から解放され、ただ、真空に捕らわれているのみ。
 今、ここに倒れている主婦は、「時間圧縮」で過去に飛び、更なる性の高みに昇り詰めていく田中梨華ではなかった。
 第2ループ、第2パラレル世界で脱落した女に過ぎない。
 いや、それでも、普通の人間としては稀なる偉業ではある。
 だが、俺ともども、主役から転げ落ちたことは否めない。
 もうすぐ、奥さんは目覚めるだろう、しかし、「俺」らは負け組である。
 「俺」は、ベッドのへりに座り、主婦のヴァギナに埋まっている<黒色バイブ>を抜こうとした。
 15センチはあるバイブだが、奥まで突きあげてイカせたので、その全てが挿入されていて、媚肉が基底部に覆いかぶさり、蛇の丸飲みのようだった。
 俺は覗き込み、葡萄色のお肉に爪を立ててしまうようなことがないように、慎重にお肉をかき分けて抜こうとした。
     ズボ、ズボボボボッ、ズボボーボ・ズボーボボ……。
 白濁クリーミィーに覆われた<黒色バイブ>、完全に抜けようとしていた。
 その瞬間、チュポンッ!! と、可愛い音が鳴った。
 なんて可憐なサウンドかッ!
「マジ、可愛い……」
 「俺」は、再び、バイブを差し入れた。
     チュピ、チュピピ……。
 半透明にも見える小陰唇が差し込まれたバイブを受け入れようと、愛液がクリーム状になったものと摩擦し、チュピチュピ音を立てて、ビラビラを震わせている。
「なんて愛らしいんだ、サン〇オのマスコットキャラみたいじゃん」
 俺はバイブの抜き差しを繰り返した。
 心地良くてやめられない。
 つい力を込めると、愛らしいリズムが下品なズボズボ音になってしまうので、俺は慎重に、幼女が跳ね回るようなテンポを楽しんだ。
「う、ううぅ~ん」と、リカが寝返りを打った。
 そして、目を覚ます、「あたし、また、気持ち良くて気絶しちゃってた? ……あっ、今日のエッチの復習を話さなくちゃいけないんだよね」
 その快楽に打ちのめされ、「俺」に徹底的な愛の服従を誓った瞳の光……。
 「俺」はたまらなく愛しくなり、股間のバイブの抜き差しをしながら、片手を伸ばし、その、自らの体液で湿度を増していた部屋にいたせいか、しっとりした髪のリカの頭部を撫ぜた。
 なんて、可愛いんだ……。
「あっ、あなた、ベッドに座ってくれてる! も、もう、生贄台とか言わないでね、クッ……ッッ!」
 言いながら、早速、バイブに感じる人妻。
「いや、ここは生贄台、主婦の拷問台だよ、でも、性奴隷奥さんが気を失ったら介抱くらいするさ」
「は、はいッ!」
 喜んでいいやら、悲しんでいいやら分からないお母さん。
 「俺」は思った。
 この世界で生きていこう!
 この世界の田中梨華を、リアルな時間軸の中で苛め抜こう!
「じゃあ、今日のエッチの復習を話すね」
「手足はそのままでいいの?」
「はい、あなたの思うがままに。私はこのままでも平気よ」
「じゃあ、そのまま話してくれ、お前は拘束が似合う!」
「はいッ!」
 密室に人妻の明るい声が響いた。
 十数年の欲求不満が、4時間×2ループで完全解消され、時は未来へ流れ出す……。


                   (完)

 ……とはならない。

     ◇     ◇

     承前 (木曜日 15:45→13:08)

「う、ううぅ~ん」と、リカが寝返りを打った。
 そして、目を覚ます。
「あたし、また、気持ち良くて気絶しちゃってた? ……あっ、今日のエッチの復習を話さなくちゃいけないんだよね」
 その、快楽に打ちのめされ、「俺」に徹底的な愛の服従を誓った瞳の光……。
 「俺」は即座に理解した。
 こいつ、「時間圧縮」で戻ってきたんだ!
 今、「俺」たちはホテルの一室に入ってきたばかり、すぐに、立ち眩みを起こしたような人妻をささえ、備え付けのソファに横たわらせていた。
 ここまでの展開では、こんなトロンとした目で、奥さんに見つめられる流れにはないはずだから!
 「俺」は、ふいにたまらなく愛しくなり、片手を伸ばし、リカのサラサラ髪の頭部を撫ぜた。
 なんて、可愛いんだ……。
 俺のものになったんだな、ならば、これからの数時間、継続ラブるのみ……。
「あっ、また、あなた、服を着せてくれたのね? 今日のエッチのおさらいを話す時間はある?」
「あっ、ああ、む、娘さんの迎えにはまだまだ時間があるよ」
 なんとなく適当に言った。
 当たり前である、今は午後一時を過ぎたばっかだ、だが、レストランの会話で、時間制限の理由の予測はついていた。
「はい! では、今日の最初から話すね」
 リカは「俺」を100パー信用していて、自分で時間を確かめる必要を感じていないようだ。
「うん」
 俺は、頭を撫でるのを続ける、のだが、リカは言った。
「あなた、さっき、言ってたよ、今日のおさらいをあたしが話すときには、クンニしてくれるって!」
 と、有無を言わさず、スキニージーンズを、ソファに横になりながらにモソモソ脱ぎはじめた。
 いきなりの淫乱奥さん行動に、俺も動揺しながら、最終的にはパンツもはぎ取った。
「あなたの言いつけ通りにしてるだけだからね……」
 乙女チックなフリルのパンツを脱ぎながら、人妻はさして恥ずかしげもなく、下半身をM字に開き、その股間をせり出した!
 俺は生唾を飲んだ!
 凄まじく上品な楚々とした色素沈着の少ない主婦マンコが現われた。
「優しく舐めてください、激しいと私、話せなくなっちゃうから……」

     ……第3ループの始まりだ。

                        (続く)
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