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後編
『人妻論《ママ狩り》 奥さんは熱いうちに突け! …後編ー㉘:もう一つの赤い靴、そしてクンバカ』
しおりを挟む承前 (木曜日 15:31)
「う~、うう、う、おお……、凄いの、ずっと凄いの」
言うまでもないが、この人妻は、クリストローしてから、ずーっとアクメ状態なのである。
何度でも行ける膣イキと違い、陰核のイキは、男の射精と似て、連続してエクスタシーに達せられるものじゃあない。
男はイッたあと、ペニスを刺激されると、敏感になり過ぎて狂おしいほどくすぐったくなってしまう、クリトリスも同じはずのもの。
イキまくれるものではない。
リカ・・・・・・、本来は忘我となる絶頂感の中で、①多少なりとも言葉を紡ぎ、②家族を想い、③それでも、更なる快楽の高みを目指していた。
イキっ放しの絶頂感に順応しようとしているのだ、まともな人間業(わざ)じゃあない。
なんたる強靭かつ欲張り女ッ!!!
夢うつつでの激し過ぎる甘美の中、リカは思っていた。
人は、衣服こそが、身体を保護するものと認識しているけど、こうして裸でいると、肌こそが、「人」を周囲から如実に断絶してくれているものだと分かる、と……。
もちろん、言葉として、そう考えているわけではない。
このメス主婦の、直感していることに答えを見出そうとすると、そうなる。
「ああああ、ああンッツ!」
なぜなら、こうして、肌のカバーからひん剥かれた陰核(クリトリス)、肌のカバーを貫かれた膣壁、両方の粘膜を蹂躙され、こうも、一個の人格が「個」を保てなくなってしまうほどよがり狂うのである。
「肌」は「装甲」だったんだ。
リカは、先ほど、「俺」がアドバイスしてくれた、同時多発の快感を「骨盤(=腰)」一つに集約する考え方にしろ、を忠実に守り、少しだけ、そう思えるようになってきていた。
剥き出しの粘膜の敏感な神経の表面を、クリトリスでは、唾液をふんだんに湛えた舌が捉える。
膣壁には、愛液を滴らせた玩具が潤滑油によって滑らされる。
「う~、ヒャー、こそばゆさがぁ、いっぱいぃ、あーん!」
田中梨華を愛おしいと思うのが、状況をちゃんと言葉にしようとする努力を怠らないことだ。
……いや、それは「努力」ではなかろう。
◇ ◇
ちょっとここで田中梨華ではなく、少し名前の似たオリンピック女子競泳選手について語らせて欲しい。
大病を患い、オリンピックを断念せざるを得ない、と思ったが、回復に努め、鍛錬を怠らず、オリンピック延期に伴い、その延期期間もあり、代表戦にて奇跡の復活、代表権を獲得する。
そのインタビューで涙ながらに「努力は報われる」と言っていた。
ただ、作者はこう思った。
それは「努力」なのだろうか?
幼少の頃より水泳の申し子のように育ってきた、その選手の「運命」なんじゃないか、と思った。
その「努力」には、それを生み出す辛さはなかったはずだ、人は、自分の選んだ道を「運命」と思い、自然に、淡々とこなすしかないのだ、と。
◇ ◇
田中梨華の、過激な性への精神的・肉体的順応、それを会得するには「努力」はいらない、「才能」とも言えない、自然に対応出来ているのは「運命」だからだろう……。
「俺」が、どんなに舌を硬くしようが、本来のバイブが硬質で内壁をこそげ取るように抉ろうが、天然のローションが粘膜に優しい。
張りつめた弦として伸ばされたクリトリスは、舌により、鋭角の振動が神経を直撃され続ける。
「あああ、のぼせッちゃう……」
密集した膣内細胞は、ミッチミチの女(め)肉で侵入物を包み込み、それが与えてくる刺激を100パー逃さんとする。
「ううう、もっとぉもっとぉ、肉が破ける程、ピスってぇええええ!」
……バイブ挿抜のピストン運動を略して「ピス」と呼ぶ田中梨華のオリジナル言語センスだけはダサい……。
優しい…、とは言え、神経を撫でる、それだけで、快感は凄まじい。
「きもちい、きもちい、気持ちいいよぉ~、……や、やめてぇ! やめろー!」
感じすぎるがゆえに、言葉は常に矛盾する。
「俺」は、その快感を極限まで人妻に与え、その時間を最大限持続させる。
快感は気持ち良さの一言ではすまない。
激し過ぎる痛痒感、その爆発は、どうしても身体で抗い、大声をあげずにはいられない。
嗚咽、悲鳴、慟哭へと至る。
「うおおおおお!」
少年ジャンプのバトルマンガのような野太い叫び!
俺たちの戦いはこれからだーっ!
だが、その気持ち良さは突き刺さるようなシャープさ!
研ぎ澄まされた絶頂感!
だが、「俺」は、そんな時でさえも、外界からの情報を吸収できるお母さんであることを知っている。
いわゆる頭が「真っ白」になるアクメ中の心に、「俺」は言葉を送り込む。
「俺」は、先ほど、自分が、このメス妻に支配されていて、あたかも、呪いの「赤い靴」を履かされて、やめられないダンスを続けさせられているようなイメージに囚われた(アンデルセン)。
マグロ姫の、寝ながら被クンニに使役される<舌作業従者>のイメージ。
いや、リカの魅力にはほとほと参ってるので、それはそれで構わない、クンニは好きだ。
美麗な女の汚い部分に、一番縁遠いと思われる他人、しかも、その頭部顔面を近づけ、その羞恥や嫌悪とともに、飲食の如く味覚として味わうのはたまらない。
だが、そのままだけではいられないのである。
だから、「赤い靴」イメージ返しをするのである。
「童謡の赤い靴を想像するんだ(野口雨情作詞/本居長世作曲)。で、今、母親を待っている娘さん、メリカちゃんと言ったか、が、赤い靴を履いていると思ってみて」
ああああ、また、また、「俺」さんが嫌なことを話そうとしているぅ。
アクメ人妻は、イキながら首をフリフリした。
渇いては涙を流し、渇いては涙を流させられる、随喜の涙であり、悲しみの涙でもあり、あまりの過激な「俺」の責めに、瞬く暇なく見開いて渇いた眼球を潤す涙でもあった。
「ふむ、俺が何を話そうとしているか分かっちゃったみたいだね。言うのやめた~!」
「俺」は、娘が待ちぼうけの最中に誘拐され、「♪異人さんに連れられて行っちゃった~」と想像させようと思っていた。
「そ、そうよ! な、舐めるの続けなさいよ!」
母親は強気に言うのだが、人間の想像力は言葉よりも広い、人は言葉に支配されて想像を膨らませる。
子を想う母親の想像力では、先だって見た「96時間」と言う映画作品の記憶がオーバラップする。
娘・メリカが、少女を欲すアラブの石油王の親衛隊に誘拐されて、金に飽かせて全く痕跡を残さずに、中東の何重にも外壁に囲まれた大邸宅の窓のない部屋で慰み者になるイメージ!
「そうそう、でも、メリカちゃんにとって、可愛くさえしていれば、何の不自由のない満たされた生活を送れるかもね」
……ッ!
「俺」さんの恐ろしさはこれだ! と、リカは思った、口に出してないことに絶妙の相槌を打つのである、この場合は、悪い意味での完璧な返答。
「だ、ダメよ! そ、そんなの、メリカも、か、家族から引き離されて、嫌に決まっているわよ!」
「ふーん! じゃあ、今のリカと同じだね! リカも、家族から隔絶されて、俺にいいように扱われている。それが嫌なんだねッ!」
「俺」は、無情にも、クリストローをグイと引っ張り上げ、<黒色バイブ>をズンと限界まで押しこんだ!
「おおおおーっ! いやー! いやー! いやー、じゃない! 最ッ高ぅうううう!!!!」
もう、下半身がバウンドし、ヨガの呼吸法クンバカを使った浮遊のように、下半身を浮かせた!
「メリカなんてどうでもいいって言ってごらん!」
あまりにもの快感に、母親は躊躇なかった。
「メリカなんてどうでもイイッ! イイッ! 気持ちイイッ! うおお、私はあなたのものぉでぇすぅ!」
……そして、全身に玉の汗を吹き出させ、リカの下半身は落ち・墜ち・堕ち、どうやらグタッと気絶した。
「最低なお母さんだッ!」
俺は吐き捨てるように言うのだが、そ・れ・で・も、最低ママ、その震えた身体のラインは美しかった……。
ああ、「クンバカ」って、「クンニバカ」の略なんかな、それって、リカの言う「ピス」以上にセンスのない略称だな……、と、「俺」は思った。
(続く)
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