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後編

『人妻論《ママ狩り》 奥さんは熱いうちに突け! …後編ー③:愛玩×哀願×愛眼』

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 ◇・・・いやぁ~、しかし、日本オリンピックの森会長、女性差別発言で辞任しましたね。
 でも、どこの誰が、直接的に、あの森発言で傷ついているんですかね、実際は「誰かが深く傷ついているはずだ」と思っている人がいるだけで、傷ついてる人なんて、一人もいないんじゃないでしょうかね。
 でも、あんな爺さんの呟きを世界的な問題としている人々は、この作品の梨華さんの被虐を見たら、どう思うんですかね。
 梨華さんは蔑まれて快感を得ているのです。
 それでもなお、女は、男をひれ伏させるほどに、美しいんですよね……。

     


     10・愛玩×哀願×愛眼 (木曜日 13:26)

「リカさん、そのままの体勢でいてね、今、オチンチンを入れるから」
 奥さんは、息を荒げながら、下半身ガニ股の体勢、腰をこちらに突き出す形で、Tシャツ姿の上半身を壁に預けていた。
 汗ばんだTシャツの胸辺りにはブラのフリルの微かな凹凸が感じられた。
「覚えておいて欲しいのが、リカさんはこれから常に、俺と会う時、愛し合うときはいつでも、少なくとも下半身は衣服をつけない様にするんだよ」
 サラリととんでもないことを呟く俺に対し、主婦は、まだ快楽の中にいて、それに対し、返す言葉を持たない。
 俺は立ち上がり、ズボンのベルトを緩め、それをパンツごとストンと下に落とし、足で脇にのけた。
 ズボンを蹴飛ばした先には、先ほど脱ぎ捨てられたリカさんのダウンジャケットがあり、そのポケットからは、ローターのバッテリーケースから伸びるコードが三本、リカさんの膣内に長々と続いている。
 ……そう、リカさんへの責めは、全然終わっていない。
 激しい振動が、人妻の胎内を攪拌し続けている。
 小康状態のようでいて、リカマンコからは、泡立った愛液がブブッブブッ! とモーター音を立てながら、粘液体となって、奥さんの内ももを幾筋も伝っている。
 足元までも湿らしていた。
 リカさんの足の裏とフローリングの床の間には、ネチャネチャと愛液が糸を引いていた。
 そのうち、水たまりになろう。
 ただ、これから、俺が宣言したとおり、セックスをするにあたり、リカさんは、気になることを聞いてきた。
「避妊はしないのですか?」
「うん」と即答。
「ああああ」と嘆く奥さん、もはや、既に、俺に抗えないことが分かっているからだ。
「中には出さないでくださいねッ!!」
 人妻は、旦那ではない男に向かって叫んだ。
「いや、出すっしょ、当然!」
 俺は、リカさんと目を合わせた。
 俺の冷たい視線から「逃れられない運命を感じなよ!」と思った。
 すぐに、リカさんは瞳を潤ませ、ブワッと両頬に涙を伝わせた。
「わ、私が嫌がってもするつもりなんでしょッ!?」
「うん。たっぷり中出し!」
 すると、涙を流しながら、リカさん、あごをクイッと上げ、白目を剥いた。
 また、イッてるのだ。
 他人の男に「中出しされる」と言う、主婦にはあるまじき被虐に、打ちひしがれつつ、リカさんはイッた。

     すっげぇ! この奥さん、才能あるわ……。

 俺は、奥さんの頭を両手で抱き、「心配しないでいいよ、奥さんが良い子にしてたら、イク時は外に出してあげる。そうだっ! 精子を飲んでよ、ゴックンしてよ」と優しく言った。
「た、助かります。赤ちゃん出来ちゃったら、さ、さすがに困りますから。せ、精子は飲みますから、あっ、あっ、アッ!」
 またも「精子を飲む」と自分で口に出したら感じちゃってる。

     まだまだ序盤である、この先どうなるんだよ、この愛(う)いヤツめ!

「俺も、奥さんとこうした仲になったんだから、ずっと関係を続けたい。中出しとかしてたら、関係が崩れてしまうからね」
「は、はい」
 かくして、田仲梨華は、今後の、俺との「セックスワイフ」の約束も俺と交わしてしまった。
 ……「世の中は言葉で支配されている」……。

「リカさんのオマンコ、子供を二人も産んだとは思えないほど、美しい紅(べに)色だね」
 俺は、再び、リカさんの前に跪き、その性器をしげしげと見つめた。
 肉ビラが、ローターのバイブレーションに沿ってプルプルとゼリーのように震えている。
 小動物のような儚さだ。
 でも実際は、快楽を貪欲に貪り続けている。
 垂れてきた愛液がビラビラに伝ってくると、振動してるもんだから、水滴を周囲に振りまいていた。
「う、うう、言わないでください。酷いこと言われると、なんか知んないけど感じちゃうのです。お、おまん…こ、なんて単語、使われると恥ずかしくって……」
「恥ずかしくって、いいでしょ?」
「ううう」と、リカさんは、顔を両手で隠した。「正直に言います。そういった言葉を使われると、何故か胸がキュンキュンしちゃう」
 その時、リカさんは、愛液で濡れた床で、やや足を滑らしそうになった。
 俺は、それをすかさず支える。
「な、なんか、私、おかしい女みたいです。なんか、激しいことや、はしたない言葉を向けられると、身体の奥がキューンとなって、イッちゃうみたいです」
 俺は、ささやかな陰毛に滴った、リカの愛液にキスすると、チュチュッと吸った。
 甘露だ!
「家ではしっかり者のママさんも、その本性はドМなんだね」
「そ、そうみたいですぅ……」
 と言うと、リカさんは、ずるずると壁に沿って床に崩れ落ちそうになった。
 が、俺は身体を抱えて引き起こす。
「休ませないよ! これから結合するんだ!」
「は、はぇえ~」
 リカさん、ズレ落ちてるときにイッてるので、言葉にならない。
「でも、その前に……」
 俺は、リカさんのTシャツを引き上げた。
「いやぁ~!」
 リカさんは両手で顔を覆った。
 そう、一番気にしていた妊娠線を見られるのだった。
 が、そこには、うっすらと、そう、忍者マンガの主人公ナルトの頬の数本のヒゲみたいな線があるだけだった。
 嫌がっていたので、そこには、振り乱したメデューサの頭髪みたいな、派手な腹ボテ時の痕跡があるのかと思いきや、ささやかなものだ。
「なんだよ、全然目立たないじゃん。星飛雄馬の少年時代の顔のシワのレベルじゃん」
 俺は、この<人妻籠絡記>の読者の全年齢に対応すべく「NARUTO」及び「巨人の星」を引き合いに出すのだった。
「で、でもぉ……、昔はまっさらだったからぁ……、ヒッっ!」
 無駄な肉のない田中梨華の腹部、その皮膚下の腹筋が、あたかも内部にエイリアンでも潜んでいるかのように波打った。
 カクン! と、首の力を抜き、まつげを伏せる奥さん。
「今、また、イッた?」
 サラサラに美しくきめ細やかな腹部は小刻みに鳴動し続けている。
「は、はいぃぃ、イッてますぅぅぅ、何度もご、ごめんなさいぃぃ」
 俺は片手で奥さんのお腹を押さえ、もう一方の手で頭を撫でた。
「リカさんはいい子だ。言っておくけど、妊娠線は母親としての勲章なんだよ、奥さんとして旦那さんと愛を育み、その愛の結晶として子を宿す。子供はわんぱくに育っていき、時に疎ましくもなるけど、お風呂に入った時に鏡に映る自分のお腹を見て、お腹を痛めて産んだ時を思い出す。そして、愛しさを初心に戻すんだよね。家族写真とか、ちゃんと撮ってある?」
「はい……」
「うん。仲睦まじい四人家族の肖像画が目に浮かぶよ」
「ペットもいる?」
「はい、はいぃ。ワンちゃんがいます」
「犬種は?」
「こ、コーギー……ッ!」
「ああ、あの食パンみたいに可愛いのね」
「はい、だ、だから、名前はアツギリと言います……クーッ!」
 艱難の状況下、ちゃんと会話を成立させようとしている健気な他人の嫁。
 リカさん、なおもイキ続けている、陰毛についている愛液や汗の水滴が、スズランの控えめな花弁のように揺れている。
「それはセンスのいい名前だね。誰がつけたの?」
「む、息子です」
 スズランは控えめだが、毒もあるんだよね、俺も、その花に対抗し、優しさとともに毒を与える。
「あはは、こんな状況にありながら、リカさん、家族のことを思い出せるんだね。イキながら、息子さんの顔を思い浮かべている。今は、リカさんが俺のペットみたいな状況なのに……」
 とんでもない状況であったことに気づいたリカさん、世界の終わりかのような表情で顔をあげると、その高貴な三白眼で俺を見つめた。
 なにかを伝えたいかのような視線だ。
 ただ、俺を糾弾したいのか、助けを求めているのか、哀しみを抱いているのか、その主婦自身でもわからないようだった。
 額に玉の汗が浮かび、瞳は随喜の涙を流し続けている、が、瞳の光は美しいまま失われることはない。

     なんて、美しい人なんだ。

 しかし!
「ほれ!」
 俺はクリトリスを摘み、ちょいと捩じった。
「カハッ!」
 美しい両目が、スロットマシーンのロールのように瞬間にして、麻雀の「白(はく)」になった。
 手足の先を痙攣させている。

     美しさに罪をッ!!!

 ビシャーっ! と下品な音を立てて、潮かおしっこを放出させる人妻、とまらない、見る見るフローリングの床に水たまりが広がる。
「アハッ、アハッ」とゆうことを聞かない下半身にへたれているリカさん。
「あ、あとで、ちゃんときれいにしますからぁ」
 この期に及んで、懸命に理屈で話そうとしている。
「リカさんのおしっこは汚くないから、きれいにする必要はないさ、愛ある尿だよ、愛尿(あいにょん)だよ、あいみょんみたくていいネーミングでしょ? それよりも、挿入の前に、もうちょい言葉でイジメたい。リカさん、Tシャツを脱ぎ脱ぎしながら聞いてくれ」
 コクンと頷きTシャツの裾に両手を伸ばす奥さん、だが、少し身体をよじるだけで、胎内のローターが膣内壁に新たな刺激を生じせしめ、「はああああ」と快感が立ち上ってくるのを抑えられない。
 そんなリカさんを見て、俺は言葉責めの前に疑問を感じた。
「凄いね、イキっぱなしだね。まだ、部屋に入ってから三十分くらいだよ……」
「はいぃ、い、イキっぱなしです」
「旦那さんともそうなの?」
「……」
 旦那さんと聞くと一瞬 言葉を詰まらせるが、そんなのは、この女においては、快感の前においては偽りで、すぐに話し出す。
「夫とは……」
 俺は遮った。「今度から、夫とか主人とか言わないで、旦那さんのことは、その名前で呼んで!」
「??? は、はい。せ、誠二さんとのセックスではイッたことありません」
「えーっ! 結婚して10年以上だよね。リカさん、浮気をしたこともないって言ってたよね。やっぱ、オナニーとかで欲求不満を満たしていたの?」
「い、いえ、お、……オナニー、は、したことありません」
 オナニーと言う単語を発するのが恥ずかしそうな奥さん。
「じゃあ、結婚してからは絶頂感はなかったんだ? でも、それまではイッたことはあるんでしょ?」
「は、はい」と、そこで、リカさんは軽く右手を上げた。
「ん?」
「また、波が来ました。イキます……」
 目を閉じ上方を仰ぐ奥さん。
 俺はすかさず言った。
「今度は口を大きく開きながら言ってごらん」
 リカさんは頷くでもなく、口を大きく開いた。
「アアアアッ!」
 口の中から、物欲しげに舌が突き出された。
 舌のまわりには粘ついた唾液が糸を引いていた。
 イッている最中の奥さんの舌に俺は顔を近づけ、その舌を吸った。

     人妻の生臭さ、美味しいッ!!!

 リカさんは、不意のキスに、イキ終わることを忘れ、頭蓋骨を震動させて感じ狂っていた。
 しばらく舌を味わい堪能し、俺は顔を話した。
「き、キスされたから、気持ち良さが倍加しましたわ」と、頭が混濁しているのか、リカさんは上品なもの言いをした。
 なにしても、なに言っても、可愛い。
 薄目を開けながら、まつげをブルブル震わせている、まだ入室から一時間と経ってないのに……、ホテルを出るときにゃどうなっているんだ、このお母さんはッ!?
 俺は、挿入前に、リカさんを言葉責めでイジメ、その後の行為に爆発的な背徳感を抱かせようと思っていたのだが、予想に反し、ちょっと違った言葉責めのテーマを奥さん側から掲げてきたので、用意していた言葉責めは、後で、ベッドでガン突きしつつ執拗に問いただすことに決め、今は「アクメなき結婚生活」について問い詰めることにした。
「で、感じながらでも、イキながらでも、ふしだらなママさんは、ちゃんと会話しなくちゃだよ」
「は、はい……」
 目の焦点が合ってない。
「旦那さんとのセックスではイッたことないってことは、誰とのセックスでイッたことあるの?」
「主じ……、いえ、誠二さんと結婚する前に、ちょっと交際した人とです」
「でも、旦那さんとは、学生時代からずっとつきあっていたんでしょ? その前? その人と初体験したの?」
「……」
「ん?」
「いえ、初めての人は誠二さんです。つきあっている間に、な、なんか、私、この人と初めてつきあって、そして結婚して、私の人生、それで決定しちゃっていいのかしら、と思ってしまって……」
 夢の中をまさぐるかのような口調で、リカさんは告白する。
「つまり、浮気したことないとか言ってたけど、そのとき既に、浮気を経験しているんだ。旦那さんを裏切ってるんだ」
「う、ううう」と、おしっこの水たまりの中でうなだれる奥さん、涙が水たまりに落ち、波紋を生じさせた。
「俺も裏切っているよね。ちょっと、俺、プライドが傷ついた。俺が、リカさんの人妻としての貞淑を奪った初めての男になれるとの自負があったのに……」
「ち、違いますッ!」と身体をよじった奥さんは、膣内ローターに苛まれて、「アアンッ!」と叫ぶ。「……違います、私は、その時、結婚してなかったですし、私、とても悩んでいたのですッ!」

 女ってのは、言い合いすると、とんでもない論理に反したことを言う。
 ここでは、彼女が他の男に身を委ねることを問題にしている。
 当時、彼女が人妻であることが問題ではない。
 特定の男のものなのに、違う男と性行為したことが問題だ。
 そして、更に話はこじれる。
 俺は、特定の男のものとなっているリカさんを、初めて、その倫理のタガを外し、性の虜に出来ることに名誉欲・征服欲を満たせたと思っていたのだ。
 だが、リカさんは、はるか以前に、浮気・不倫を経験していたのだ、結婚していなかろうが、既に、愛する者を裏切っていた、裏切れる女だったことに変わりはない。
 俺は、リカさんに、旦那を裏切らせた男として、自己満足でしかないが君臨したかった。
 しかし、俺は、田中梨華の「裏切り人妻処女」を最初に奪えた男ではなかったのだ。
 にもかかわらず、リカさんは、「それは違う」と言う、何が違うのか……?
 ……その違いを説明しようとすればするほど、リカさんは、自分を貶め、俺の当初の予定通りに、「セフレ人妻」として逃れようもなく固められていくしかないハズなのだが……。

「その男の名前は?」
「リョウ、さんです」
「リョウさんに、イカされて、イクことを知ったの?」
「はい」
 なんか、リカさん、上目使いで俺を見た、俺がやや気分を害してるのを感じ、でも、もっともっと気持ち良くなり続けたいので、哀願の視線を向けてきたのだ。
 美しく高貴な女であるはずなのに、この媚はなんだよ、クソっ! 可愛い。
「Tシャツ、早く脱いじゃえよ」
 俺は、ちょっと気を逸らすために言った。
 リカさんは、やはり、シャツを脱ごうとするとローターで感じてしまうようだが、顔をしかめながら、身をよじっていた。
「で、リカさん、今、こんなにも、快感をエンジョイしているけど、そのときは、旦那さんよりもリョウさんがよくなって、彼氏を乗り換えようとは思わなかったの?」
 リカさんは、シャツを首までたくし上げ、顔が裏返った布で見えない状態になっていた。
 下着とペアの可愛いピンクフリフリのブラをしているのが見えた。
 うわっ、肌白い!
 デコルテに静脈が浮き出てるよ!
 ……リカさんの動きが止まった。
 顔を隠したまま止まった。
「どうした、またイキそうなのか?」
 リカさんは、その問いには答えなかった。
 違うことを叫ぶように言った。
「愛していたからッ!」
「?」
「誠二さんを愛していたからッ! リョウ君に溺れたらいけないと思ったッ!」
 顔は布で覆われたまま。
 とっさの主張に、以前の浮気相手の呼称が「リョウさん」から「リョウ君」に変わったのも、リアルな浮気を醸し腹が立つ……。……。

    仮面の告白、仮面での告白。

「でも、性的に充足できないのは辛いんじゃん。旦那さんとでもいつかはイケると思っていたの?」
「……何も考えてなかった。愛の方が大事だと思っていた」
「10年以上、欲求不満じゃなかったの?」
「子育てで、あまりエッチなことは考えなかった。誠二さんは、今でもちゃんと月に数回は相手してくれるし、イカなくても、挿入されると気持ち良くて、愛が感じられるし、今でも愛が一番って思っているよッ!」
「……今も思ってるわりには、俺とこんなことになっちゃって……」
「だから、あなたはリョウ君とは違うと言ってるの。……、ちょ、ちょっと待って、く、下さい……」
 また、アクメの波が来たのだ。
「おイキなさい。たーんと快感をおあがりよ」
「はいんッッ!!」
 ウエストのくびれを波立たせてイッた。
 腰にも、玉の汗が光っている。
 ブラの2つのカップの中心にワンポイントリボンが揺れ、その光沢のグラディエーションが揺れ、ピンクが赤になり、赤がピンクになりを繰り返した。
 イッてすぐに、顔を隠したままのリカさんは主張を続けた。
 そんなにも、こんなにも快感を与えてくれる俺の気分を損ねるのを避けたいのだ。
「しょ、正直に言っていいですか? 嫌われちゃうかもしれないけど、これが計算高い私なんです」
「ああ」
「正直に言います。あなたとの関係は、私が昔、リョウ君との誠二さんの二人を掛けた天秤で大事に思って選んだ<愛情>と言うものをけして失わないで済むと思ったからです。家族も守りつつ、自分の欲望も満たしていけると思ったんです」
「リョウクンとでは、大事な旦那さんとの愛が失われると思ったんだね」
「はい、あなたは、私の性的側面だけで交際できると思った」
 ……確かに、計算高い、いちお最高学府卒の語彙を使った合理的な考え方だと思う。

     仮面の向こうで、この淫乱な女は、どんな表情をして<愛>を語りやがっているのか?

 たかだか小一時間で、ここまで言わせた俺もなかなか凄いだろう。
 が、さてさて、リカさん、そんな割り切った考え方で、この先々、スムーズに進みますかね……?
 俺が、会話の中で、「奥さん」「人妻」「嫁」「お母さん」「ママ」「主婦」「旦那さん」「ご主人」「家庭」「家族」「子供」「息子さん」「娘さん」「学校」「自宅」「食卓」……などの単語を繰り返し言っているのには意味がある。
 それは、田中梨華の立場を何度も認識させることになる。
 リカさんに、自分の状況への<愛情>を確固としたものにさせたとき、必ず、俺との逢瀬においての「愛を裏切ったことにおける大きな罪悪感」が生まれると思うのだ。
 俺が人妻を狩るのは、その罪悪感に苛まれる奥さんを眺めて楽しむことが好きだからだ。
 口では言っていたが、リカさん、かなり、既に罪悪感を育んでいる気配もある。
 また、その罪悪感を快楽で消し去るのも、「ママ狩り」の醍醐味だ。

 ただ、女は同時に、正反対の二つのことを器用にやってのける動物でもある。
 まあ、少なくとも、三時間後には、俺vs田中梨華の勝負は決まる。

「じゃあさ、そのままそのまま、もう一回イッてごらん。そして、その後、オチンチン入れるよ。俺は田中梨華をものにするんだ!」
「はい! すぐ、イケます!」
 快楽に忠実な、いけないけどイケる奥さんは、おしっこだまりの中で膝立ちになった。
 さっきから小便臭いんだよ、この女ッ! ……その匂いが好き過ぎるわけだが。
 俺は片方の足で、その熟れ熟れのまんこを弄った。
「あああ、ンン、クーッ!」
「イク瞬間、ちゃんと言うんだよ!」
 更に、俺は刺激を与えるべく、両手を、リカさんの両房に近づけ、ブラの上から、その乳首をひねり上げた。
「あんッ、あんッ、違う衝ッ撃ィ! イキます、イキます、今 イキますッ!」
 身体中をバウンドさせる人妻!
 股間を弄っていた足に、更に体温の液体が迸る。
 俺はギュッと乳首をひねり上げ離すと、そのまま、両手で、Tシャツを取り去った。
 バサッ!
 そこには、顔が見えないからと快感に全て飲み込まれたメスの顔があるはずだ。
 果たして……。

                                (続く)

 ……うへっ、大した長編になっちゃいますな。
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