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3日目
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「葵、大丈夫か?」
そこには中村さんがいた。大きなレジ袋を手に持ち、僕に近付いてくる。
「なかむらさん…?」
「心配だから来てみた。初めまして、中村和です。葵の会社の上司で28歳。よろしくね?」
『はい。』
「澪も自己紹介して?」
『澪です。月の光で狼になる狼男です。葵くんには拾われました。』
「なるほどねぇ、」
「おどろかないですか?」
「いや、驚いてるよ。でも、犬だと思ったら人間になったってことは葵は何も悪くないじゃないか」
確かに悪くないかもだけどもっと驚いてもいい気がする。
「そーだ。ご飯作りに来たんだった。色々買ってきたからキッチン借りるよ。」
僕は熱でぼーっとする頭でこくんと頷いた。僕の隣には澪が居てくれて頭を撫でてくれたり冷えピタを取り替えたりしてくれた。熱のある時にこーやって誰かと一緒にいるのそういえば子供の時以来だな。
暫くするとキッチンから美味しそうな匂いがして来て中村さんが声をかけてくれた。重い体を起こしてリビングに向かい、椅子に座ると卵がゆが作られていた。
「おいしそ…」
「食べられるだけでいいからね。澪くんにもはいどーぞ。」
2人も同じのを食べるみたいだ。澪は目をキラキラさせて料理を見ている。
「いただきます。」
僕はゆっくりだがお粥を食べ始めた。半分くらい食べたところでお腹いっぱいになり僕の手は止まってしまった。
「もうお腹いっぱい?」
「ごめんなさい…」
「大丈夫だよ。薬飲んで今日は寝な?」
僕は机に準備されていた風邪薬を飲んだ。苦いから少し苦手だけど、そんなこと言ってられない。身体が早く楽になればいいのに。
本当はお風呂に入りたかったけど、熱が上がりそうだから辞めておくことにした。
澪に手伝ってもらいながら着替えると僕は再びベッドに戻った。
「中村さん、ありがと」
「会社以外では和でいいって」
「かずさん、ありがと」
「いーえ。眠れそう?」
「2人が居てくれたら寝れる」
「大丈夫だよ。俺も澪くんも傍にいるよ。」
僕は澪に手を握ってもらい和さんに頭を撫でてもらいながら意識を手放した。
「さて、澪くん。少しお話あるんだけど、ここじゃ葵起こしちゃうし、リビングにきて?」
『うん。』
「澪くんは葵のことどう思ってるの?」
『どうって言われても、大切な人。』
「僕は葵の事を愛してるんだ。この世で誰よりも大事。澪くんは?」
『分からない。でも大事。大好き。』
「分かった。また変わったら教えてくれる?」
『うん。分かった。』
「じゃ改めてよろしくね。澪くん。」
『僕はなんて呼んだらいい?』
「和さんって呼んでいいよ。」
『分かった!よろしく和さん。』
こんな話がされているなんて僕は全く知る由もなかった。
そこには中村さんがいた。大きなレジ袋を手に持ち、僕に近付いてくる。
「なかむらさん…?」
「心配だから来てみた。初めまして、中村和です。葵の会社の上司で28歳。よろしくね?」
『はい。』
「澪も自己紹介して?」
『澪です。月の光で狼になる狼男です。葵くんには拾われました。』
「なるほどねぇ、」
「おどろかないですか?」
「いや、驚いてるよ。でも、犬だと思ったら人間になったってことは葵は何も悪くないじゃないか」
確かに悪くないかもだけどもっと驚いてもいい気がする。
「そーだ。ご飯作りに来たんだった。色々買ってきたからキッチン借りるよ。」
僕は熱でぼーっとする頭でこくんと頷いた。僕の隣には澪が居てくれて頭を撫でてくれたり冷えピタを取り替えたりしてくれた。熱のある時にこーやって誰かと一緒にいるのそういえば子供の時以来だな。
暫くするとキッチンから美味しそうな匂いがして来て中村さんが声をかけてくれた。重い体を起こしてリビングに向かい、椅子に座ると卵がゆが作られていた。
「おいしそ…」
「食べられるだけでいいからね。澪くんにもはいどーぞ。」
2人も同じのを食べるみたいだ。澪は目をキラキラさせて料理を見ている。
「いただきます。」
僕はゆっくりだがお粥を食べ始めた。半分くらい食べたところでお腹いっぱいになり僕の手は止まってしまった。
「もうお腹いっぱい?」
「ごめんなさい…」
「大丈夫だよ。薬飲んで今日は寝な?」
僕は机に準備されていた風邪薬を飲んだ。苦いから少し苦手だけど、そんなこと言ってられない。身体が早く楽になればいいのに。
本当はお風呂に入りたかったけど、熱が上がりそうだから辞めておくことにした。
澪に手伝ってもらいながら着替えると僕は再びベッドに戻った。
「中村さん、ありがと」
「会社以外では和でいいって」
「かずさん、ありがと」
「いーえ。眠れそう?」
「2人が居てくれたら寝れる」
「大丈夫だよ。俺も澪くんも傍にいるよ。」
僕は澪に手を握ってもらい和さんに頭を撫でてもらいながら意識を手放した。
「さて、澪くん。少しお話あるんだけど、ここじゃ葵起こしちゃうし、リビングにきて?」
『うん。』
「澪くんは葵のことどう思ってるの?」
『どうって言われても、大切な人。』
「僕は葵の事を愛してるんだ。この世で誰よりも大事。澪くんは?」
『分からない。でも大事。大好き。』
「分かった。また変わったら教えてくれる?」
『うん。分かった。』
「じゃ改めてよろしくね。澪くん。」
『僕はなんて呼んだらいい?』
「和さんって呼んでいいよ。」
『分かった!よろしく和さん。』
こんな話がされているなんて僕は全く知る由もなかった。
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