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一章

12.救出作戦

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「だ、だれか、、」

 女性と思われる声が聞こえる。声は今にも消え入りそうなほど小さく耳をすまさなければ聞こえないほどだ。もしかしてさっき聞こえた断末魔の声の人だろうか。それにしては少し高い気もするが。ひとまず声の方へと足を進める。

 相変わらず視界が悪く先はほとんど見えないが何かが『山』になっている。おそらく農村だし落ち葉や枯れ草などで肥料でも作っているのだろう。声はその山から聞こえてくるようだ。近づくにつれて凄まじい異臭が立ち込める。先ほどまでも焼けたような匂いはあったがそれとは別。さっきまであった動物の焼けるような匂いにプラスして血のような鉄臭い匂いが混じっている。


「、、、お、ぉぇぇ、何だこのひどい匂いは、」

 鼻を刺す異臭に嗚咽と胃液が込み上げ吐きそうになる。ただ肥料を作るだけならこんな匂いはしないはずだが。もしあるとしても人糞だったり残飯などを再利用することはあるだろうがこんな変な匂いはしない。

「な、んだよこれ、、」

 動揺するのも仕方なかった。近づくにつれて『山』の中に人のような形が見え始める。一つ二つ、、目の前に来る頃にはこれが全て人で構成された『山』であることを理解した。投げ捨てられた死体で作られた山だ。男女子供関係なくまるでゴミの様に死体が積み上げられ周囲にはそこから垂れ流れるように血が流れ出て血溜まりができている。殺されて間もないのか血色が良い物が多くそれが余計に嫌悪感を引き立てる。

 別に『死体』を見るのが人生で初めというわけではない、葬式なんかで親戚の亡くなった姿は見たことはある。しかし俺が最も恐怖しているのはこの無惨な姿。ある者は目を潰され、ある者は体を引き裂かれ、原型すら留めてない物もいる。何故こんな残忍なことができるのか。これがさっきからする変な匂いの正体とするなら知りたくもなかった。


「、、、け、て」

 1人放心状態で立ち尽くしていると助けを求める声はその『山』の中から聞こえてくる。
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