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一章

1. 日々

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「もう朝か、、、」

 また、いつもの1日が始まる、頭上にあるカーテンの隙間から差し込む日差しが目に差し込み目が覚める。ここ最近のことだがなんだか体がだるい風邪でも引いただろうか、引きこもり気質の俺には特にこれと言って思い当たる節はないがあえてあるとするなら運動不足が原因だろう。

「ご飯よー!」

 一階から朝食のいい香りが漂ってくると共に母の大きな声が家中に響き渡る。気だるい体を引きづりながらもなんとか階段を降りると母が朝食をテーブルに並べているところだった。

「葉(ヨウ)!早く食べなさい、遅刻するわよ」

「んーわかってるよー」

 ミシッと音を立てながら木製の椅子に深々と腰を下ろし出された味噌汁と白米の朝食をかっくらう、朝食といえばやっぱりこのセットだ、質素だが味わいがある。

「やべ、遅刻する!」

 ふと机の上にある置き時計を見ると短針がもう少しで8を刺そうとしているところだ。急いで残りの飯を味噌汁で胃へと流し込み家を後にする。

 俺の家があるのは田舎としか表すしかない場所でコンビニなんて便利なものは無いし右を見ても左を見ても見渡す限りの山々があるだけで何もかも不自由だ、どこに行くにも車は必要だし大した娯楽もない。きっと嫌なところを上げたらキリがない。でも俺はまったりと時間が過ぎていくようなこの場所が俺は好きだ。

 そんな学生らしからぬ達観したことを考えてながら歩いていると我が母校の幻修(げんしゅう)学園が見えてきた。戦時より前からあるらしい校舎で結構な大きさがあるが全校生徒が50人ぐらいしかいないため持て余すぐらいだ。

 そそくさと木製の門を通り下駄箱で上履きに履き替る。教室があるのは一階の突き当たりでドアを開けると先生がちょうど点呼をとっているところだった。

――ガラガラッ
少し立て付けの悪いスライド式ドアの開く音が教室に響き渡る。

「葉くん、またギリギリだったわよ、最近遅いけどしっかり寝れてる?」

 担任の先生の言葉と共に10人ほどしかいないクラスメイトの視線が一斉に俺に集まる。普段からクラスメイトとはあまり話すことがないからなんだか気まずい。

 「す、すいません、今度からは気をつけます、、」

(……しっかり睡眠は取れてる方なのになんで朝起きれないんだろ、)

 申し訳なさを体で表す様に頭を下げつつ一番窓際の列にある古めかしい自分の席へとそっと座るとあいつの声が聞こえてくる。


「またかよー,キィつけろよ」

 教科書を取り出ながら3限目にある体育思い出し項垂れていると隣から幼馴染の光(こう)がささやき声で話しかけてきた。
 
「はいはいーわかってるよー」
 
「『はい』、は一回!!」

 光は小さい時からの腐れ縁で家が結構離れてるがよく一緒に遊ぶ友達(おさななじみ)。小さい頃はよくゲームなんかして遊んだし高校生の今になってもずっと一緒にいてくれるいい奴だ。






















 













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