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EpisodeⅠ
1-2 少女、こんにちわは悪魔
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魔素が蠢いていた。魔素拡散によって森中に散らばっていた魔素が濃縮し凝縮されながら一点に集まり始めた。
魔素を視ることも感じることができない者でも理解できるほどの濃密までな魔素が1箇所に集まって行っていた。
死闘を繰り広げ死線を潜り抜けて来た彼でも今、目の前で行われている異常現象を前に恐怖と言う文字が頭の片隅から消えてくれない。
白磁のように純白な四肢が形成されていき、そして十秒もしない間に裸体がそこに出現した。月のような仄かに白い輝きを放つ髪に何処までも赤い真紅の瞳を持った白い白い少女がそこに現れた。
彼はそれを視て確信していた。
敵ではない、と。だが、警戒を解いてはならない、とも。敵性ではないとわかっているだけだ。
ハルバートを握り締める右手に力を込め魔力を活性化させて肉体強化を行いそこを見る。
起伏が乏しいのは残念ではあるが、そのまま成長できれば将来絶世の美女になるのは間違いない。とは言え、それはありえないと彼も理解している。
目の前に現れたのは吸血鬼だからだ。自然発生する吸血鬼は魔素が溜まりそこに思念が流れ込み生まれる。その場合の多くが怨念や憎悪のため人間社会では『邪悪』とされ一部では魔物と言われている。
真紅の瞳が彼の視線と合った。
その時、彼の頭にヂリヂリとむず痒いような感覚が襲った。
(攻撃された!?)
その現象は彼が持つ〖直感〗が働いたためだ。何かが起こった。何かをされた。
そこまで思考が行った時、何が起きたかを理解した。
《魅了を無効にしました》
彼の頭に直接、転生前に会話をしていたあの声に似た声音が響いた。
(――魅了ッ?! 確か、吸血鬼が持つ種族技能だったか……)
生まれたての存在であるため、技能がまだ上手く扱えていないのだろう。そう考えた彼は口を開く。
「……どうして、ここに転生した?」
理由が知りたかった。相手が魔物を選んだとしてたまたま周辺に転生させられたのならまだわかる。だが、吸血鬼だ。
選択種族の中にあり、それでいて普通の自然発生条件下に当てはまらないこの場所。
わざわざこの地を選び、世界にとって問答無用で『悪』とされるはずの魔物――それも悪魔の前に現れるというのか。
「『コンゼンス』」
「――!? お、お前は……」
「エクリプスって言う名前だったよ、リーダー」
その少女から告げられた単語に驚愕の表情をしながらも、この三年間で培わられた思考を回転させる。
「そう言えばリアルは女子高生って言ってたな……にしては――ああ、そういう事か。状態がまだ『冷静』になってるからか」
「?」
「あー、まずは服を……服とか持ってないのか?」
精神が沈静化していくに従い重要なことに思考が至った。
新たな生命の誕生――人から人が産まれる際、どんな状態で生まれるのか。それを考えれば今の吸血鬼の少女の状況もわかる。
「……『木の棒』しか配給されてないみたい……?」
指摘されようやくその状況を知った少女は周囲を見渡すと『木の棒』を見つけた。
「お前もか……いや、とりあえずはこれ羽織っておけ。悪いが女子用の服はないから当面はそれで我慢してくれ」
「わか――下着ってもしかしてない?」
「……悪いな。持ってない。今度行商人か村に降りて探しておく」
彼は羽織っていたマントを投げて渡した。恥辱は状態が冷静であるためか、今のところマントのみでも心の平穏は無事だ。
無事ではあるが理性があるためやはり少しは問題がある。
「因みに、冷静ってどれくらいでなくなるの?」
「マチマチらしい。今の身体にある程度慣れたら自動的に解除される……が、多分、お前は早いと思うぞ?」
「可愛さとかはどうでもいいからなる早でお願い」
もしも、冷静でなくなったらどうなるのか……想像しなくともわかってしまう。それまでに冷静でいられる状況を少しでも早く構築しなくてはならない。
「あ、ああ、わかった。明日にでも村に降りて買って来る。まずは移動だな」
少しその気迫に少し、少しではあるが気圧されながら頷き歩き始める。
こうして、吸血鬼と悪魔は異世界で再会を果たした。
《第三者の認識により、『名』がつきました》
◇◆◇
悪魔・准男爵である彼――転生者ファーリは三年間の月日を脳裏に浮かべていた。
たくさんのことがあった。色々なことがあった。喜びや怒り、絶望、悲しみ……本当に様々なことがあった……、
天を見上げれば温かい水滴が頬を伝い流れていく。
どんなに平静を装おうともこればかりは誤魔化すことができない。化け物となった身体、人外の領域となった技能。だが、それでも彼の心は未だに日本で暮らしていた時のように弱々しい。
「まさか、君に最初に出会えるなんて思わなかったよ……」
「そう?」
出会えたことに対し二人の思いの重みは違う。それは仕方ないことだ。
「ああ、そうとも! 今まで二人……二人の境遇者と会っていてもここまで嬉しいことはなかったよ!」
「何となく会える気がしてたんだけど……思考誘導とかされてたのかな、やっぱし――」
エクリプスはそこで言葉を止めた。後ろを振り返ったファーリの顔を見て考えていた思考は消え去り思ってしまったことが口を動かす。
「ひとつ言いたいんだけど……その顔がデフォ? 言い難いんだけど……怖い。普通に恐い」
三本の角を生やし浅黒い肌をした二メートル半ばの身長。目は爛々と金色に輝き、口の隙間から見える歯が生き物の恐怖を掻き立てる。腰辺りから生える尻尾の先は刃物のように鋭く尖っている。
それを見て今まで何も言わなかったのは他に思うことがあったからだし、他人の容姿についてとやかく言う気は起きなかったからだ。
「ああ、悪魔としては普通だぞ? 何故か、イケメンに属するらしい……俺としても……怖いとは思うが、もう三年近くこの顔だからな……慣れたな」
達観した顔をした気がする表情を見て相槌くらいはしようと思い頭を振ろうとしたが、途中で止まった。止めた。
聞き流していいような内容ではなかったこともそうだし、聞かなくてはならない、と直感が囁いたためだ。
「ふ~~ん、ん? ん? んん? 今、三年近くって言った!?」
「そうだぞ。俺はここで既に三年を過ごしている。最古は七年らしいが……」
その言葉を聞いてエクリプスは立ち止まった。状態が『冷静』でいてもそれはあくまでも『冷静』になるだけであり、感情の起伏を操るものではない。
だからそのため、呆然と立ち尽くすのは何もおかしなことではない。
「? 何かあったのか?」
「ちょっと、待って! なんで三年も……あ、その前にこの世界の常識を教えて」
「洞穴に着いてからにしようと思ったが、仕方ないな。森歩きは慣れていないだろうし、ここらで休憩をするか」
ファーリは倒れていた木に座り、エクリプスにも座るように促す。――が、座れるような場所は当然なく、地べたに座ることにした。
ローブ越しに地面の冷たさを感じるが、ファーリから語られる言葉を単語ひとつも聞き逃さないために必死であったため、気にはならなかった。
この世界は8柱の神々によって成立している。
ひと月25日、一年15ヶ月の一年375日。一日24時間。ただし、地球の24時間よりも間延びしている。
技能で決まる世界ではあるが、それは絶対ではなく種族や職業によって多少左右される。それは、技能が強いだけに胡座は掻かず技能の等級を上げるための話し。
「あ、長くなりそうだからなんで転生に差があるか教えてくれる?」
世界の常識は必要ではあるが、今聞きたいことを聞けるまでに時間が掛かりそうになったため結論を願う。
「ま、まあ、存在進化や階級上昇とかは必要に迫った時でもいいか……」ゴホンとわざとらしく咳払いをして結論から言う。「端的に言って問題は時間だ」
「時間?」
「そう、時間だ。ひとつの生命が生まれる場合、どんな工程を踏むと思う?」
「……セクハラって何処に訴えればいい?」
異性に対して生命の育み方を尋ねるなどというおかしなことをする相手には出る所に出てしっかりと話し合わなくてはならない。
「――あ、いやっ、そういう意味ではなくてでなっ! 吸血鬼の場合、憤怒と憎悪に満ちた魔素溜りから生まれるし、人間は人間から、森妖精は森妖精から、竜族は竜族から、などと決まった条件で誕生する。転移先を乱数で設定せず地域や場所を指定した場合、そこでその条件を起こらなくてはならない」
竜族が竜族以外の親から――例えば人間から卵を産み落とすなどということは起きたりはしない。その逆も然り。
エクリプスが選択した種族は『吸血鬼』。憤怒と憎悪の魔素で満ちた場所でなくてはならない。
「だから、転生する時期がズレるのは仕方ないだろ?」
「……確かにそうだけれど……選ぶ種族間違えた? その前に…………――あ。ねぇ、その場合魔物の方が有利じゃない?」
「いや、逆だな。魔物は言わば総称だ。ゴブリンなら最も早く生まれたであろうし、伝説級の魔物ならば人為的でない限り生まれはしない。一番は制約にマシマシな精霊だな」
「精霊? ああ、たしかに……でも、選ぶ人ってどうなんだろうね」
精霊に転生した者がいることを聞いていなければ転生する者などいない、と言い切る。それほどまでに精霊と言う種族は理不尽だ。
「さあな。それよか、そろそろ歩くぞ。魔素が消えたから凶悪な化け物は生まれることはないが、盗っ人共と遭遇するのは避けたい」
「盗っ人?」
「日本で……ラノベとかマンガで言う所の――冒険者のことだ」
☆
《現時点で転生者は総勢8,817人です。人間6,057。精霊13。森妖精1,680。山妖精34。獣妖精1。夢妖精3。吸血鬼19。竜族1,004。魔物、妖魔1、悪魔1、屍食鬼1、幽鬼1、蝿王1、聖鳥1。です》
《迷宮解放は3柱です。内1柱は処分を終了し、新たな存在へと生まれ変わりました》
《進捗状況に問題有りと判断。転生手順の短縮を開始します》
魔素を視ることも感じることができない者でも理解できるほどの濃密までな魔素が1箇所に集まって行っていた。
死闘を繰り広げ死線を潜り抜けて来た彼でも今、目の前で行われている異常現象を前に恐怖と言う文字が頭の片隅から消えてくれない。
白磁のように純白な四肢が形成されていき、そして十秒もしない間に裸体がそこに出現した。月のような仄かに白い輝きを放つ髪に何処までも赤い真紅の瞳を持った白い白い少女がそこに現れた。
彼はそれを視て確信していた。
敵ではない、と。だが、警戒を解いてはならない、とも。敵性ではないとわかっているだけだ。
ハルバートを握り締める右手に力を込め魔力を活性化させて肉体強化を行いそこを見る。
起伏が乏しいのは残念ではあるが、そのまま成長できれば将来絶世の美女になるのは間違いない。とは言え、それはありえないと彼も理解している。
目の前に現れたのは吸血鬼だからだ。自然発生する吸血鬼は魔素が溜まりそこに思念が流れ込み生まれる。その場合の多くが怨念や憎悪のため人間社会では『邪悪』とされ一部では魔物と言われている。
真紅の瞳が彼の視線と合った。
その時、彼の頭にヂリヂリとむず痒いような感覚が襲った。
(攻撃された!?)
その現象は彼が持つ〖直感〗が働いたためだ。何かが起こった。何かをされた。
そこまで思考が行った時、何が起きたかを理解した。
《魅了を無効にしました》
彼の頭に直接、転生前に会話をしていたあの声に似た声音が響いた。
(――魅了ッ?! 確か、吸血鬼が持つ種族技能だったか……)
生まれたての存在であるため、技能がまだ上手く扱えていないのだろう。そう考えた彼は口を開く。
「……どうして、ここに転生した?」
理由が知りたかった。相手が魔物を選んだとしてたまたま周辺に転生させられたのならまだわかる。だが、吸血鬼だ。
選択種族の中にあり、それでいて普通の自然発生条件下に当てはまらないこの場所。
わざわざこの地を選び、世界にとって問答無用で『悪』とされるはずの魔物――それも悪魔の前に現れるというのか。
「『コンゼンス』」
「――!? お、お前は……」
「エクリプスって言う名前だったよ、リーダー」
その少女から告げられた単語に驚愕の表情をしながらも、この三年間で培わられた思考を回転させる。
「そう言えばリアルは女子高生って言ってたな……にしては――ああ、そういう事か。状態がまだ『冷静』になってるからか」
「?」
「あー、まずは服を……服とか持ってないのか?」
精神が沈静化していくに従い重要なことに思考が至った。
新たな生命の誕生――人から人が産まれる際、どんな状態で生まれるのか。それを考えれば今の吸血鬼の少女の状況もわかる。
「……『木の棒』しか配給されてないみたい……?」
指摘されようやくその状況を知った少女は周囲を見渡すと『木の棒』を見つけた。
「お前もか……いや、とりあえずはこれ羽織っておけ。悪いが女子用の服はないから当面はそれで我慢してくれ」
「わか――下着ってもしかしてない?」
「……悪いな。持ってない。今度行商人か村に降りて探しておく」
彼は羽織っていたマントを投げて渡した。恥辱は状態が冷静であるためか、今のところマントのみでも心の平穏は無事だ。
無事ではあるが理性があるためやはり少しは問題がある。
「因みに、冷静ってどれくらいでなくなるの?」
「マチマチらしい。今の身体にある程度慣れたら自動的に解除される……が、多分、お前は早いと思うぞ?」
「可愛さとかはどうでもいいからなる早でお願い」
もしも、冷静でなくなったらどうなるのか……想像しなくともわかってしまう。それまでに冷静でいられる状況を少しでも早く構築しなくてはならない。
「あ、ああ、わかった。明日にでも村に降りて買って来る。まずは移動だな」
少しその気迫に少し、少しではあるが気圧されながら頷き歩き始める。
こうして、吸血鬼と悪魔は異世界で再会を果たした。
《第三者の認識により、『名』がつきました》
◇◆◇
悪魔・准男爵である彼――転生者ファーリは三年間の月日を脳裏に浮かべていた。
たくさんのことがあった。色々なことがあった。喜びや怒り、絶望、悲しみ……本当に様々なことがあった……、
天を見上げれば温かい水滴が頬を伝い流れていく。
どんなに平静を装おうともこればかりは誤魔化すことができない。化け物となった身体、人外の領域となった技能。だが、それでも彼の心は未だに日本で暮らしていた時のように弱々しい。
「まさか、君に最初に出会えるなんて思わなかったよ……」
「そう?」
出会えたことに対し二人の思いの重みは違う。それは仕方ないことだ。
「ああ、そうとも! 今まで二人……二人の境遇者と会っていてもここまで嬉しいことはなかったよ!」
「何となく会える気がしてたんだけど……思考誘導とかされてたのかな、やっぱし――」
エクリプスはそこで言葉を止めた。後ろを振り返ったファーリの顔を見て考えていた思考は消え去り思ってしまったことが口を動かす。
「ひとつ言いたいんだけど……その顔がデフォ? 言い難いんだけど……怖い。普通に恐い」
三本の角を生やし浅黒い肌をした二メートル半ばの身長。目は爛々と金色に輝き、口の隙間から見える歯が生き物の恐怖を掻き立てる。腰辺りから生える尻尾の先は刃物のように鋭く尖っている。
それを見て今まで何も言わなかったのは他に思うことがあったからだし、他人の容姿についてとやかく言う気は起きなかったからだ。
「ああ、悪魔としては普通だぞ? 何故か、イケメンに属するらしい……俺としても……怖いとは思うが、もう三年近くこの顔だからな……慣れたな」
達観した顔をした気がする表情を見て相槌くらいはしようと思い頭を振ろうとしたが、途中で止まった。止めた。
聞き流していいような内容ではなかったこともそうだし、聞かなくてはならない、と直感が囁いたためだ。
「ふ~~ん、ん? ん? んん? 今、三年近くって言った!?」
「そうだぞ。俺はここで既に三年を過ごしている。最古は七年らしいが……」
その言葉を聞いてエクリプスは立ち止まった。状態が『冷静』でいてもそれはあくまでも『冷静』になるだけであり、感情の起伏を操るものではない。
だからそのため、呆然と立ち尽くすのは何もおかしなことではない。
「? 何かあったのか?」
「ちょっと、待って! なんで三年も……あ、その前にこの世界の常識を教えて」
「洞穴に着いてからにしようと思ったが、仕方ないな。森歩きは慣れていないだろうし、ここらで休憩をするか」
ファーリは倒れていた木に座り、エクリプスにも座るように促す。――が、座れるような場所は当然なく、地べたに座ることにした。
ローブ越しに地面の冷たさを感じるが、ファーリから語られる言葉を単語ひとつも聞き逃さないために必死であったため、気にはならなかった。
この世界は8柱の神々によって成立している。
ひと月25日、一年15ヶ月の一年375日。一日24時間。ただし、地球の24時間よりも間延びしている。
技能で決まる世界ではあるが、それは絶対ではなく種族や職業によって多少左右される。それは、技能が強いだけに胡座は掻かず技能の等級を上げるための話し。
「あ、長くなりそうだからなんで転生に差があるか教えてくれる?」
世界の常識は必要ではあるが、今聞きたいことを聞けるまでに時間が掛かりそうになったため結論を願う。
「ま、まあ、存在進化や階級上昇とかは必要に迫った時でもいいか……」ゴホンとわざとらしく咳払いをして結論から言う。「端的に言って問題は時間だ」
「時間?」
「そう、時間だ。ひとつの生命が生まれる場合、どんな工程を踏むと思う?」
「……セクハラって何処に訴えればいい?」
異性に対して生命の育み方を尋ねるなどというおかしなことをする相手には出る所に出てしっかりと話し合わなくてはならない。
「――あ、いやっ、そういう意味ではなくてでなっ! 吸血鬼の場合、憤怒と憎悪に満ちた魔素溜りから生まれるし、人間は人間から、森妖精は森妖精から、竜族は竜族から、などと決まった条件で誕生する。転移先を乱数で設定せず地域や場所を指定した場合、そこでその条件を起こらなくてはならない」
竜族が竜族以外の親から――例えば人間から卵を産み落とすなどということは起きたりはしない。その逆も然り。
エクリプスが選択した種族は『吸血鬼』。憤怒と憎悪の魔素で満ちた場所でなくてはならない。
「だから、転生する時期がズレるのは仕方ないだろ?」
「……確かにそうだけれど……選ぶ種族間違えた? その前に…………――あ。ねぇ、その場合魔物の方が有利じゃない?」
「いや、逆だな。魔物は言わば総称だ。ゴブリンなら最も早く生まれたであろうし、伝説級の魔物ならば人為的でない限り生まれはしない。一番は制約にマシマシな精霊だな」
「精霊? ああ、たしかに……でも、選ぶ人ってどうなんだろうね」
精霊に転生した者がいることを聞いていなければ転生する者などいない、と言い切る。それほどまでに精霊と言う種族は理不尽だ。
「さあな。それよか、そろそろ歩くぞ。魔素が消えたから凶悪な化け物は生まれることはないが、盗っ人共と遭遇するのは避けたい」
「盗っ人?」
「日本で……ラノベとかマンガで言う所の――冒険者のことだ」
☆
《現時点で転生者は総勢8,817人です。人間6,057。精霊13。森妖精1,680。山妖精34。獣妖精1。夢妖精3。吸血鬼19。竜族1,004。魔物、妖魔1、悪魔1、屍食鬼1、幽鬼1、蝿王1、聖鳥1。です》
《迷宮解放は3柱です。内1柱は処分を終了し、新たな存在へと生まれ変わりました》
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