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本編
21,大魔道士(神様)の二人
しおりを挟む非常にざっくりとリュウセン様とキオウ様の話をギルさんたちに話す。ウェアウィードにとっても好かれてるおじいさんと、美人の男の人。その美人の人に興味を持たれて、なんやかんやで力を貸してもらった。そんな感じに話す。
「その……リュウセン様? はなんでアンジュさんに興味を持ったのかしら」
当然の疑問をミリアさんがぶつけてくる。どうしよう、何も考えてなかった。占術神様に、自分と特別相性がいいから力あげるよー、って言われたんですぅ。なんてただの痛い人だ。というかリュウセン様は大魔道士だって話しちゃったし、どうしよう!?
(レディ、リュウセン様も占術神の加護を持っていて、占術神の加護のみしか持っていないレディを不憫に思ったから。ということにしておいたらどうだい?)
ナイス教授! 早速その案を採用させてもらおう。
「リュウセン様も占術神の加護をお持ちだったんです。あの方は他の加護もお持ちでしたが、私はそれだけなので……。そんな私を不憫に思ったらしいです」
「なるほど、キオウ様だけでなくリュウセン様も素晴らしいお方だな」
うんうん、とレベッカが頷いている。ギルさんとミリアさんは微妙な顔をしてるけど、納得してくれないかな。不思議な人もいるもんだ、みたいな感じに。
というか、さっき教授が私に話しかけてきたけど、テレパシーみたいなのが使えるのか!
(一度レディに呼ばれて、縁が確立した者なら可能なようだ。他の者はまだ難しいだろう)
なるほど、ありがとう教授。しかし、便利だな悪魔のアルカナ。これ他のアルカナの力使わなくても悪魔だけでほとんどなんとかなりそう。知らないことは教授に訊けるし、戦いも回復も任せられるし。あれ、悪魔最強なのでは……。
(あまり過信しすぎないように)
しっかり釘を刺されてしまった。まあ確かに頼り切りはよくない。ほどほどが一番ということかな。
「そうだ、もしかしてこの指輪もアンジュなら鑑定できるんじゃないかな?」
そう言って指輪を見せてくるレベッカ。女教皇なら出来るとは思うけど、その指輪ほいほい人に見せない方がいいと思うんだよなあ。キオウ様が剣士に役に立つっていうくらいだし、前衛職の人にとっては喉から手が出るほど欲しいものだと思う。
「その指輪……、かなり強い魔力を感じるわね。古代魔道具かしら」
魔法使いのミリアさんにはすごい物だってわかったみたいだ。アーティファクトっていうのが何かわからないけど、かなりの力は持ってると思います。植物神様が渡した植物でできた指輪だし。
「じゃあ鑑定してみるよ。女教皇」
緑刃草の時と同じように、指輪の近くに文字が浮かび上がる。なになに……。
「世界樹の指輪。装備した者の生命力と身体能力を高め、成長を促す。装備した者への邪気を防ぎ、周囲を浄化する力を持つ」
「せ、世界樹ぅ!? 神話の世界のもんだぞ、それ!」
「そんなものを簡単に人に渡すって、一体何者なのその人達!?」
「さすがはキオウ様だ! 私はあの方に一生の忠誠を捧げるぞ!」
素っ頓狂な声をあげるギルさんとミリアさん。レベッカはキオウ様に忠誠を捧げるとか叫んでるし、まーた混沌としてきた。
「と、とりあえず、その二人がとんでもない人らだってことはわかった」
「その方なら契約した悪魔を貸すなんて造作もないことなのかもしれないわね……」
まあ、二人が納得してくれたみたいだし、よかったってことにしてしまおう。
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