上 下
62 / 65
番外編

ある日の死神元帥と新妻3 ☆

しおりを挟む
「で……ですが、ここは執務室で……」

「隠れる所があるだろう?」

 ギルバートの視線を追うと、大きな執務机の下にはシャーロットが余裕で隠れられる空間がある。

「あの……」

 二度目の蜜月の間に教えられたことを思い出し、シャーロットは夫が自分に求めていることを察する。

 それでも「本当にするんですか?」という視線を送ると、ギルバートは鷹揚に微笑んだ。

「できないならしなくてもいい。私は君から軽食のみ受け取り、また執務に戻るさ」

「……し、します」

 ギルバートの言い方は、実にシャーロットの心を絶妙にくすぐった。

 自由意志であることを仄めかしておきながら、シャーロットの『妻』のプライドも揺らがせる。

 暗に「妻ならできるんじゃないか?」という誘いに、シャーロットはまんまと乗る形になったのだ。

 ギルバートの膝から一度下りて、シャーロットはデスクの足元に体を入れる。

 大量の書類を置けるように、ギルバートのデスクは広い。それに伴って椅子が入る場所も広いので、シャーロットほど華奢なら余裕で入ることができた。

 ギルバートに触れられた体は、早くも熱くなっていた。

 床に膝をつく体勢をとると、目の前にギルバートの腰がある。ギルバートが自らトラウザーズの前を寛げ、赤黒い欲棒が姿を現した。

(……大きい……)

 ごく、と喉元で音が鳴り、シャーロットは自分の体がはしたなく疼くのを感じた。夫の欲を目にしただけで、下着にトロリと蜜が落ちるのを自覚する。

 両手でギルバートの太腿をさすり、ゆっくり顔を近づけた。

 ふぅ……と吐息がかかっただけで、屹立がピクンと震えた気がする。

「旦那さま……、失礼致します」

「ああ」

 ギルバートの大きな手がシャーロットの頭をひと撫でし、頭上から書類がこすれる音がする。カリカリとペン先と紙が擦れる音もし、ギルバートは空いた手元で仕事を始めたらしい。

 自分をないがしろにされて悔しいという気持ちはなく、シャーロットは自分がギルバートを『元気づける』間に、夫には仕事を進めてほしいと思う。

 けれど唇をすぼめてチュッと先端にキスをすると、ギルバートの下腹部に力が入ったのが分かった。

 こうしてちゃんと反応してくれることが、シャーロットにとっては「相手にしてくれている」こと他ならないのだ。

「ん……」

 くぷ……と先端を唇の間から呑み込み、口腔で優しく包み込む。

 亀頭の裏側を舌で柔らかく舐めると、頭上から聞こえるペン先の音が少し乱れた。

「んふ」

 それが嬉しくて、シャーロットはゆっくりギルバートを愛し始めた。顔を前後させ、くっぷくっぷと音をたててギルバートの屹立を舐めしゃぶる。

 開かれたトラウザーズを少し下げ、屹立の下にある大ぶりな陰嚢も掌で弄んだ。

「あ……」

 ギルバートが微かに呻く声が聞こえ、スゥ……と大きく息を吸い込んでから、はぁあ……と吐き出す音も聞こえる。

「ん……、ん」

 喉の奥に感じたしょっぱい先走りは、唾液と一緒にちゅるっと飲み込んだ。ねとついた感触すら、愛しい夫のものだと思うと抵抗すら感じない。

 掌の陰嚢は自分の手で温めてあげようという気持ちから、優しく揉んだ。

 デスクの真正面から見ると自分の姿は見えないのをいいことに、シャーロットは次第に大胆になっていった。

「っふぅ……、ん、ぁ」

 ちゅう、と口腔全体を使って吸い上げ、根元を手でしごき上げる。口を離し、裏筋をつぅっと舌先で舐め上げた。

「……シャル」

 とうとうギルバートが苦しそうな声を出し、ペンを置いた彼が両手でシャーロットの頭を撫でてきた。

「どうぞ私の口の中に出してくださいな」

 屹立に熱い吐息をかけながら夫を誘惑すると、シャーロットはまた息を吸い込んで深く喉の奥に夫を受け入れた。

 口淫を教えられても、ギルバートは決して自ら腰を動かしてシャーロットの喉を犯すことはしなかった。

 ギルバートからすれば『それはまだ』なのだが、シャーロットは夫は苦しいことをしないという優しさだと思っている。

 嘔吐いてしまう限界は自分で把握し、それを踏まえた上でシャーロットは喉の奥でギルバートの先端を包み込む。くぽくぽと最奥まで触れさせると、蜜壷の奥に触れた感じがあると、以前ギルバートが言っていたのを覚えているからだ。

「ん、ふぅ、……んぅ」

 呑み込める所まで屹立を咥え、唇はキュッと竿を締め付け喉の奥は広く開く。長く続けていると顎がだるくなってしまうが、ギルバートがこうすると気持ちいいのだと思うと、限界まで頑張りたいと思う。

 けれど辛いことは辛いので、両手も懸命に動かす。

 初めは上品に口を動かしていたのだが、今はシャーロットの体にも熱がこもり、じゅっぷじゅっぷと大きな音がたっていた。

「んっ、……っぷぁ、あ」

 苦しくなって屹立を解放すると、最初に口淫を始めた頃よりずっと太く逞しくなったと思う。口淫はギルバートが気持ち良くなってくれるのも嬉しいが、この愛しい形を育てるゲームのようにも感じている。

「はぁ……ん、ぅ、ん」

 今度はまた裏筋を舐め下ろし、今まで手で揉んでいた陰嚢を口に含んだ。

「あっ……、ぁ、シャル」

「んぅ、いう、ひゃま」

 ちゅぷっとしゃぶったままギルバートを呼ぶと、舌足らずな声になった。そのまま口の中で玉を転がし、先端を手で握り鈴口を親指でねりねりと愛撫する。

(ギルさま、あったかい)

 いつも自分を愛してくれる彼の分身が、こんなにも愛しい。

「……シャルッ、……出る」

「……ん、はい」

 苦しげなギルバートの声を聞き、シャーロットはハプッとギルバートの亀頭に吸い付いた。根元を少し強めにしごきあげ、陰嚢もやわやわと揉みしだく。

 ギルバートの両手がシャーロットの頭をかき抱き、狂おしく撫でる。結い上げた髪の毛が乱れてしまうが、行為に熱中しているシャーロットは構わなかった。

「……ぁっ」

 シャーロットの口の中で屹立がビクビクと震え、シャーロットの喉に熱い飛沫を浴びせた。

「んぅっ、ふ、ぐぅっ」

 咄嗟に喉を動かし飲み込むが、熱い飛沫は粘度があり水のようにゴクゴクと飲めない。自身の唾液と交えて懸命に嚥下し終わる頃には、ギルバートの手は乱れた髪を撫でつけるように優しい動きになっていた。

 最後にちゅうっと吸い上げると、ギルバートの残滓が口の中に入る。それもよく味わい、飲み込んだ。

「……はぁ……」

 役目を終えたシャーロットは、椅子の脚とギルバートの膝に上体を預け、息をついた。

 抱かれた後とは違う、達成感がある。

 ギルバートに愛されている時は、快楽のあまり何もかも分からなくなってしまっているが、口淫の時は自分が上手にギルバートを射精まで導けたという達成感がある。

 ギルバートが気持ちよさそうな声を出す度、シャーロットは嬉しくて堪らない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R-18】触手婚~触手に襲われていたら憧れの侯爵様に求婚されました!?~

臣桜
恋愛
『絵画を愛する会』の会員エメラインは、写生のために湖畔にいくたび、体を這い回る何かに悩まされていた。想いを寄せる侯爵ハロルドに相談するが……。 ※表紙はニジジャーニーで生成しました

皇帝陛下は皇妃を可愛がる~俺の可愛いお嫁さん、今日もいっぱい乱れてね?~

一ノ瀬 彩音
恋愛
ある国の皇帝である主人公は、とある理由から妻となったヒロインに毎日のように夜伽を命じる。 だが、彼女は恥ずかしいのか、いつも顔を真っ赤にして拒むのだ。 そんなある日、彼女はついに自分から求めるようになるのだが……。 ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

【R-18】年下国王の異常な執愛~義母は義息子に啼かされる~【挿絵付】

臣桜
恋愛
『ガーランドの翠玉』、『妖精の紡いだ銀糸』……数々の美辞麗句が当てはまる17歳のリディアは、国王ブライアンに見初められ側室となった。しかし間もなくブライアンは崩御し、息子であるオーガストが成人して即位する事になった。17歳にして10歳の息子を持ったリディアは、戸惑いつつも宰相の力を借りオーガストを育てる。やがて11年後、21歳になり成人したオーガストは国王となるなり、28歳のリディアを妻に求めて……!? ※毎日更新予定です ※血の繋がりは一切ありませんが、義息子×義母という特殊な関係ですので地雷っぽい方はお気をつけください ※ムーンライトノベルズ様にも同時連載しています

【R18】××××で魔力供給をする世界に聖女として転移して、イケメン魔法使いに甘やかされ抱かれる話

もなか
恋愛
目を覚ますと、金髪碧眼のイケメン──アースに抱かれていた。 詳しく話を聞くに、どうやら、私は魔法がある異世界に聖女として転移をしてきたようだ。 え? この世界、魔法を使うためには、魔力供給をしなきゃいけないんですか? え? 魔力供給って、××××しなきゃいけないんですか? え? 私、アースさん専用の聖女なんですか? 魔力供給(性行為)をしなきゃいけない聖女が、イケメン魔法使いに甘やかされ、快楽の日々に溺れる物語──。 ※n番煎じの魔力供給もの。18禁シーンばかりの変態度高めな物語です。 ※ムーンライトノベルズにも載せております。ムーンライトノベルズさんの方は、題名が少し変わっております。 ※ヒーローが変態です。ヒロインはちょろいです。 R18作品です。18歳未満の方(高校生も含む)の閲覧は、御遠慮ください。

処理中です...