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安堵の褥5 ☆

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「ん……っ、う、う、っうぁあっ」

 逞しい肩口に顔をつけ、顔に自分の髪がかかるなか喘ぐ。

 いっぽうギルバートは、シャーロットの胸が自分の胸板に当たってまろまろと動くのが気持ち良くてたまらない。その先端が硬く勃ち上がり、胸板をくすぐるのも彼に新しい快楽を教える。

「シャル……っ、私の目蓋にキスをしてくれ」

「っは……い……っ」

 大好きな夫から命令を受け、シャーロットは快楽で震える体を叱咤する。

 なんとか顔を上げると、涙をたっぷりと溜めた目で夫を見て、微笑みかけた。

 この世の何よりも好きだと思う金色の瞳を見つめ、それから赤黒くなった左の目蓋を見る。

 ――愛しい。

 ギルバートはその時だけ突き上げるのをやめてくれた。シャーロットは軽くいったままで、ナカをピクつかせながらギルバートの目蓋にキスをする。

「……っ」

 シャーロットの華奢な体を抱きしめ、ギルバートは自分の恥部が愛されるのに歓喜する。

「ギルさま……。愛しています……。私の英雄」

 細い声がそう囁き、シャーロットは舌を出すと優しく目蓋を舐めた。

「……くっ」

 それがギルバートにとってどれだけの精神的快楽を与えるのか、シャーロットは知らない。

 けれどシャーロットが目蓋にキスをして舐めただけで、ギルバートは堪えきれないという様子で吐精してしまった。

「っあ……!」

 体の最奥に熱い迸りを感じ、シャーロットが小さく叫ぶ。

 ナカで屹立が震え、ビュクビュクと遠慮なく白濁が浴びせられているのが分かる。

「あ……っ、あ……」

 歓喜と快楽のあまり、意識が白くなる。

 けれどそうするとギルバートは気持ちいいのだと理解したシャーロットは、優しく夫の傷ついた目蓋を舐め続けた。

 やがてぐったりとしてしまったシャーロットは、体をギルバートに預ける。

「シャル……」

 優しい手がシャーロットのプラチナブロンドを撫で、すべらかな背中やまるい尻まで手がおりてゆく。

 心地いい手の感触にシャーロットはうっとりし、このままの気持ちよさのなか、行為が終わってゆくのだと感じていた。

 ――だが。

 そのままギルバートは仰向けになると、ぐったりとしたシャーロットをそのままに、また猛然と突き上げ始める。

「っ、え、えぇっ? や、やぁあぁっ」

 一度白い欲を受け止めた蜜口からは、中身を掻き出すような動きをする屹立を伝って、白濁が流れ出す。

 シャーロットの蜜と混じったそれは、ギルバートの深部に淫靡な跡を描き寝具に染みついていった。

「やぁあ! お願いです……っ、もう、終わっ……」

 泣きの願いも聞き入れられない。

 シャーロットに目蓋を愛されて興奮したギルバートは、一度出したにも関わらず旺盛な性欲を見せる。

 ジュップジュップと聞くに堪えない音がし、シャーロットを恥辱の果てに追いやる。

「あぅっ、っあ……っ、ぁ、あ……っ」

 ガツガツと激しく奥を突かれ、すさまじい快楽にまともな言葉も発せられない。

 体はただ反射でギルバートを締め付け、唇からは糸が引いていた。

 ビクビクと震える妻を抱きしめ、ギルバートはシャーロットの唇を貪る。

「ん……っ、む、……ぅ、う」

 上も下も繋がり、激しく求められてシャーロットの意識ははじけ飛ぶ寸前だった。

 ――と、いたずらな指がシャーロットの菊座にかかり、まるくなで回してくる。

「んーっ!」

 そこほど恥ずかしい場所はなく、シャーロットが唇を塞がれたまま絶叫した。

 キュッと何もかもがすぼまって、ギルバートを締め付ける。

 濡れそぼった肉壁が収斂し、羞恥と快楽にまみれてシャーロットは意識を失ってしまった。

「……っく――」

 それにはさすがにギルバートも小さくうめき、妻を力一杯抱きしめたままもう一度果てた。

 温かな肉に包まれてドクッドクッと分身が脈打ち、ギルバートの体に快楽が走る。

「……は、……は、ぁっ」

 体液と汗にまみれ、しばらくギルバートはシャーロットを抱きしめたままじっとしていた。

 お互いの胸元からドクドクと速い鼓動が伝わり、冷えてしまった妻の体をギルバートの指先が優しく触れてゆく。

「もう……、誰にも邪魔されてなるものか……」

 そう呟き、幸福の褥のなかギルバートは目を閉じた。

 いずれ生まれる跡継ぎに、シャーロットを独り占めされてしまうのだろうか?

 そうなったらつまらないな、と思いながらも、彼女を愛する行為だけはやめられない。

「生まれたら……。また次を孕むまでたっぷり愛するだけだが……」

 空恐ろしいことを独り呟き、ギルバートはやっとシャーロットの体から屹立を抜いた。

「…………」

 のっそりと起き上がり、目の前には気を失ったシャーロットがしどけない姿で横たわっている。

「……しばらく外出できない体にしておくか」

 そう呟いて、ギルバートは初夜の時のようにシャーロットの全身を舐めまわし、くまなく強烈な所有印をつけてゆく。

 その行為が行き過ぎた愛情と理解しているのかしていないのか、天蓋の中でギルバートは黙々と妻の肌を吸っていた。



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