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君に認められたくて ☆

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「は……っ、すっごい、締まる……っ」

 暁人は嬉しそうに笑い、彼女の体を横臥させると、片脚を抱え上げて深い場所までうがってきた。

「あぁっ、あっ、強い……っ」

 ガツガツと腰を振られるたびに、絶頂してしまいそうなほどの淫悦が芳乃を襲う。

 手で必死にシーツを掴んでいるうちに、芳乃は彼に背中を向けてしまっていた。
 一度暁人が屹立を引き抜いて安堵したのも束の間、背中やお尻を撫でられてゾクゾクと体を震わせる。
 かと思えば、ぬかるんだ秘所に大きく膨らんだ亀頭が押し当てられ、ズチュンッと一気に芳乃を貫いてきた。

「あぁあーっ!」

 すっかり快楽に落ちた芳乃は思いきり嬌声を上げ、全身に染み渡る甘い快楽を享受する。 後ろから獣のようにズンズンと突き立てられ、彼女の乳房が重たげに揺れた。
 それを暁人は揉み、指で先端をコリコリと転がしてくる。

「ふ……っ、ぁ、あぁああ……っ!」

 あと少しでまた絶頂してしまうところまで追い立てられ、芳乃は額をシーツに押し当ててくぐもった悲鳴を上げた。

「芳乃……っ、俺、もう……っ」

 こちらも高まりを見せている暁人が切ない声を上げ、芳乃にも気持ちよさを味わってほしいと、再び彼女の肉芽をヌルヌルと撫でてきた。

「ひぅ……っ、うーっ、あぁあああぁ……っ!」

 雷に打たれたかのような甘い淫激に晒され、芳乃は小さな孔から愛潮を飛ばし深い絶頂を貪る。
 真っ白な世界に放り込まれたような心地に陥ったが、蜜壷を前後する屹立の感覚、そして暁人の荒々しい息づかいだけがとてもクリアに感じられた。

 どこか現実的ではない感覚の中、暁人が自分の名前を呼びながら何度も腰を叩きつけているのが分かる。

 ――あぁ。私いま、彼に抱かれているんだ。

 八年間も自分を想ってくれた男性に、すべてを捧げる事ができている。

 それの何と甘美な事かと思いながら、芳乃はあまりに気持ちよくなりすぎて、腕で体を支えられなくなり伏せてしまった。

 うつ伏せになった芳乃を、暁人は夢中になって犯す。

「芳乃……っ、芳乃さん……っ、――――愛してる……っ!」

 最後に彼は芳乃を抱きすくめ、耳元で激しい想いを伝えながら、体を震わせ吐精した。

「――――ぁっ、あぁ…………」

 激しい絶頂の果てに、吐息をついたのはどちらなのか。

 しばし、二人は荒い呼吸を整えたまま、お互いのぬくもりを分かち合っていた。





 落ち着いたあと、二人は裸のまま昔の事について語り合っていた。

「大体分かると思うけど、昔、神楽坂グループは不祥事で騒がれていた。その息子という事で俺も学校で肩身の狭い思いをしていた。家族で住んでいた家はマスコミに張られて帰りづらく、あの当時、俺は母の実家で暮らしていた」

「あぁ……。だから仁科だったんだ」

「その仁科っていうのも、芳乃が面接の時にホテル業界に憧れたきっかけになった、『海の詩』を経営している仁科グループ。母方の家もホテル業を営んでいて、会社は母方の長男が経営している」

「あー……」

 すべてが繋がっていたと知り、芳乃は嘆息する。

「悠人と名乗ってしまったのは、俺が神楽坂の息子だと知って、変な目で見ないかっていう、自己防衛からだった。……いま思えば、経営者の息子とはいえ、未成年がゴシップのターゲットになる事はないのに。……けど、学校で悪い噂を立てられていたから、あの時の俺はとても敏感になっていたんだ」

 当時の彼の様子を思い出し、芳乃は深く頷く。

「分かるよ。怖かったね」

 口調もいつの間にか、〝副社長〟に対するものから、暁人という一人の男性へのものに変わっていた。

「あの時の暁人がどう……とかじゃないけど、今は見違えていて本当に分からなかった。私が暁人の告白を一度断ったあと、頑張ったんだね」

「……ありがとう。君に認められたくて、一人の男として見てほしくて、邁進し続けてきた」

 こんなにも素敵な男性の努力が、すべて自分のためというのが嬉しくも照れくさい。

「芳乃になかなか真実を言えなかったのは、祖父に条件をつけられていたからだ」

「条件?」

 穏やかではない言葉に、芳乃はドキリと胸を高鳴らせる。
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