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好きになっちゃいけない ☆

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「っんー……っ!」

 ジィン……と染み入るような悦楽を得て、芳乃は顔をあおのける。
 ようやく待ち望んだものを得られたと油断した時、また乳首を舐められ、吸われて彼女は腰を跳ねさせた。

「ここも、きっと気に入るよ」

「っあぁああっ!」

 いきなり親指で淫芽に触れられ、芳乃は歓喜の悲鳴を上げる。
 乳房への愛撫、そして執拗なまでの陰唇への刺激で、そこも勿論興奮して膨らんでいる。
 さやの中で硬くなっていたモノを、親指で横薙ぎに弾かれ、芳乃は体をビクビク震わせて反応した。

「気持ちいい?」

「っきもち……っ、い……っ」

 愛蜜で濡れた親指でヌルヌルと淫芽を撫でられ、芳乃は荒くなった呼吸を必死に繰り返す。
 知らない内に暁人は蜜壷の中を指で探り、芳乃が感じる場所を探り始めている。

「やだ……っ、ぁ、きもち……っ、あ、……っあ!」

 今までじれったい優しい愛撫が中心だったのに、急に核心を突いたかのような喜悦が芳乃を満たし、彼女は混乱している。

 膣内で指を蠢かせられ、大人しくしていられない気持ちよさが全身を襲ってくる。
 さらに肉芽を弄られると、腰を突き上げ声も出て、自分が制御できなくなってしまう。
 おまけにチュウッ、チュパッといやらしい音を立てて乳首を吸われ、聴覚からも快感を得る。

 胸元に感じる暁人の吐息の熱さ、そして温かな舌の滑らかな感触が、よりいやらしく鮮明な感覚となって彼女の官能を煽った。
 ネロリネロリと乳首を舐められて身をよじらせれば、蜜洞を弄られ敏感に膨らんだ淫玉に指先が直接当たって、悲鳴に似た声が漏れる。

「聞こえるか? 俺の愛撫に反応して、こんなにいやらしい音を立ててる」

 言われて下腹部から聞こえる音に耳を済ますと、グチュッグプッと淫猥な音が聞こえる。
 自分がすでにたっぷりと蜜を零して反応しているのを知り、芳乃はキューッと膣を引き絞った。

「んぅ……っ、達、――――く、……っ」

 せり上がった愉悦をこらえきれず、芳乃は体を丸めるようにして全身を震わせ絶頂した。

「はぁ……っ、はぁっ、……あ、……はぁっ」

 汗みずくになって呼吸を整えている芳乃の蜜壷から指を引き抜き、目に情欲を宿した暁人はそれを丁寧に舐めた。

 芳乃の味を堪能したあと、暁人はベッドサイドの引き出しから避妊具を出し、装着する。

 乱れた髪の隙間からその様子を見ていた芳乃は、何とも言えない気持ちになってしまった。

(……あそこにあったっていう事は、……いつも別の女性に使ってたのかな。……でも彼女はいないって言ってたし……。元カノ?)

 考えれば考えるほど、暁人が分からなくなり切なくなる。

 自分は所詮、借金返済のために〝大人の恋人ごっこ〟する相手だ。
 暁人がどんな意図で自分に手を差し伸べたかは分からない。

 楽観的に考えて、面接の時に芳乃を見てある程度好みだと思い、事情を聞いて体目的に……となったのだとしても、最終的に彼は自分との関係を終わらせるだろう事がやすやすと想像できる。
 彼のような御曹司なら、相手となるお嬢様や芸能人ならいくらでもいる。

(あれ……)

 暁人の事は「素敵な人」とは思っていても、異性としてそれほど意識していなかったはずだ。
 好きになるには雲の上の人すぎて、自分の想いが無駄になるのが目に見えている。
 借金について助けると申し出てくれたのも、彼の恩に報いようとする気持ちからで、それ以上の望みなど持ってはいけないと思っていた。

 ――好きになっちゃいけない。

 ギュッと目を閉じると、眦から涙がポロリと零れた。
 芳乃の太腿に手を掛け、左右に割り開いた暁人が、熱く高ぶった先端を濡れた秘唇に押しつけてくる。

「……芳乃?」

 お腹を撫でた彼が、乱れた髪の陰に表情を隠している彼女の名前を呼ぶ。

 ――余計な心配を掛けたらいけない。
 ――彼を煩わせたらいけない。

 自分に言い聞かせ、芳乃は髪を整えるふりをして涙を拭い、顔を晒して微笑みかけた。

「……大丈夫です。気持ちよくて少し驚いてしまって……」

「そうか。……君の中に入りたい。……けど、いいか?」

 抑えきれない欲を漲らせた暁人に尋ねられ、芳乃は頷いた。

「どうぞ。私の体は、あなたのものです」

 その言葉を聞き、暁人は一瞬瞠目し、なんとも言えない表情になる。

「……優しくするよ」

 切なげに微笑み告げたあと、暁人はぐぷりと亀頭を芳乃の蜜口に押し込んだ。
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