【R-18】魔王の生贄に選ばれましたが、思いのほか溺愛されました

臣桜

文字の大きさ
上 下
18 / 38

もっとしてくださいっ ☆

しおりを挟む
 目を潤ませ、口を半開きにした私は、クラクラするままに無意識に彼を締めつけてしまう。

 それにエデンは困ったような嬉しいような表情を浮かべて、私を撫でてくれた。

「動くぞ」

 短く言ってエデンは律動し始め、私はまだこの行為の終点が分からないまま、本能のままに嬌声を上げていた。

「あぁぁあっ、あっ! やぁぁ! き、……もち、いいっ、なに、これっ」

 ぐちゅっぐちゅっと濡れた音がするたびに私は知らずと悲鳴を上げ、今までの愛撫とは比べものにならない快楽にあっというまに溺れてゆく。

 エデンが抽送をくりかえすたび、私の体を満たすピンク色の液体が、大きく揺らされて波打っているようだった。

 私の体だというのに、今完全にエデンに支配されている。とても心地いい――、支配されるという感覚。

「あぁ……っ、もっと、……もっとしてくださいっ」

 彼の熱い楔が打ちこまれるたびに、私の脳天に電撃が走り、体がのけぞる。

 正常な判断ができなくなった状態で、私はただ貪欲にエデンを求めていた。

 果汁がたっぷり詰まったみずみずしい果実が、乱暴に食い散らかされている気がする。

 彼がかぶりつくたびに、私の中で新鮮で甘い果汁がはじけ飛ぶ。

「うぅーっ、あ、あぁ、すご……い、ぅ……ん、あ……っぁ」

 エデンがもたらしてくれる快楽は、私に知らない世界を見せてくれる。

 さっきまで知らないことは不安と恐怖でしかなかったのに、今は次はどんな快楽がもらえるのか期待で胸を一杯にさせていた。

「アメリア……ッ、好き、……だっ」

 切なげな表情をしたエデンは私の上で妖艶に腰を動かし、少し長めの黒髪が肌に張り付いているのを見ただけで、私はきゅうんっとときめいてしまう。

 好き。……愛しい。エデンが好き。

 彼の愛を乞うように両腕をさし出し、震える指で彼の肩を掴むと、下唇を噛んだエデンが最奥まで私を貫き、唇を重ねてくる。

「んっ……う、……ぅっ」

 ――嬉しい。彼の唇が嬉しい。

 唇の間から吐息が漏れ、エデンは私を見つめたまま腰を使い始めた。

「んあぁっ、ぁ、……うっ、んぅーっ」

 紫暗の瞳に見つめられて、私はどこにも逃げ場がなくなったように感じる。

 極限の場所でただ攻め立てられ、体を揺さぶられる。そのたびに、私の胸の上でロザリオが踊った。

 頭の中で何度も世界が反転し、この世ではない世界へ意識が飛び立っているような感覚がする。それなのに、こすれる粘膜の感触が、いやらしい音をたてる蜜が、生々しく現実を教えた。

「もっと……っ、もっ――」

 口の中のキャンディはとっくに無くなってしまっていたのに、私はエデンを求め続け、今まで何度も小さな絶頂を味わっていた。

 ふと、大きな波がぐわっと襲ってきたかと思うと、私はそのまま声もなく堕ちてしまった。

 声をあげる間もなく、私の意識はすさまじい奔流のなかに呑み込まれてゆく。

「アメリア?」

 真っ白になってしまった世界の遠くで、エデンの声がする。

 手を伸ばして彼を確認しようとしても、私は自分の体がどうなっているのか分からない。

 そのあいだも繋がった肉体は激しくこすられ、滝のように蜜をあふれさせた私の中で、エデンの白い花が弾け飛んだ――。



**



「……う……、あれ……」

 ボーッとした意識のなか薄く目を開くと、私はいつのまにか寝てしまっているようだった。

 起き上がろうとして体が酷くだるいことに気づき、そのまま寝具の中へ埋もれるように身を任せてしまう。

「つか……れて、……る」

 まだ何があったのか分からない私の頭を、優しく撫でる手があった。

「ん……」

 重たい体を反転させて寝返りを打つと、目の前にはたくましい胸板をさらしたエデンが、優しい微笑を浮かべて私を見ている。

「エデン……私……」

 何かを言いかけた私の唇を、エデンは指先でふにゅりと潰して、少しだけ口の中に指を入れてくる。

「……?」

 なにを、……しているのかしら?

 きょとんとしていると、エデンは安堵したように優しい笑みを浮かべた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

男装騎士はエリート騎士団長から離れられません!

Canaan
恋愛
女性騎士で伯爵令嬢のテレサは配置換えで騎士団長となった陰険エリート魔術師・エリオットに反発心を抱いていた。剣で戦わない団長なんてありえない! そんなテレサだったが、ある日、魔法薬の事故でエリオットから一定以上の距離をとろうとすると、淫らな気分に襲われる体質になってしまい!? 目の前で発情する彼女を見たエリオットは仕方なく『治療』をはじめるが、男だと思い込んでいたテレサが女性だと気が付き……。インテリ騎士の硬い指先が、火照った肌を滑る。誰にも触れられたことのない場所を優しくほぐされると、身体はとろとろに蕩けてしまって――。二十四時間離れられない二人の恋の行く末は?

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...