【R-18】魔王の生贄に選ばれましたが、思いのほか溺愛されました

臣桜

文字の大きさ
上 下
14 / 38

初めての感覚 ☆

しおりを挟む
「俺は生娘だからお前を選んだわけではないし、お前が俺に何かをしてくれるだろうから選んだのでもない。お前が俺を思いやるように、俺はお前に触れたい、優しくしたいと思うからそうしている。その気持ちに上手にしようとか、失敗したらどうしようとかはあると思うか?」

「ない……と思います。エデンの手はとても優しくて……、何ていうかその……変なテクニックとかで触ってくる感じじゃありません」

 テクニックと言って私は恥ずかしくなり、エデンもククッと喉を鳴らす。

「ゴチャゴチャ考える必要はない。心で感じろ。目を閉じて、気持ちいいと思えばそれでいい。触れられて痛かったら俺にちゃんと伝えればいい」

 その言葉は水が砂に入り込むように、スッと私の心になじんでいった。

「はい……」

 言われたとおりに目を閉じると、エデンの指が頬に触れてきた。

 優しい指がそっと目蓋や鼻先、唇に触れてゆくと、私の意識はフワフワとしてゆく。

 その指が顎のラインをたどって首筋に下がり、鎖骨をなぞってまだ豊かとは言えない胸にそっとかかり……、柔らかい肉に優しく喰いこんだ。

「ん……」

 思わず声がもれて、恥ずかしいとは思うけれど嫌な感情じゃない。

 だから私はエデンの指に身を委ねた。

 気持ちいいと思えば……ってエデンは言ったけれど、気持ちいいってどんな感じなのかしら。

 そう考えている間にも、エデンの手は成長途中の胸に優しく手を這わせ、指先が先端を愛でる。

「う……、んっ」

 何だか体がモゾモゾする。くすぐったいような、もっとして欲しいような。

 そう思って身じろぎをしながら浅い呼吸をくり返していると、エデンがクスッと小さく笑う気配がある。

 そのあとに顔に影が落ちたかと思うと、柔らかい唇が訪れていた。

「ん……ぅ」

 柔らかいなぁ、この人の唇。見た感じ薄くて潔癖そうなのに、触れ合ったらこんなにもフワフワしてる。

 そう思っていると唇の間をチロリと彼の舌がすべり、私はビクッと背を震わせていた。

 他人の体の一部が自分の体の中に入るなんて初めてで、驚いて固まったままの私の口腔にエデンの舌がスルリと入り込んだ。

「ん……っ、む、……ぅ」

 ヌルリとした感覚に私が仰天していると、エデンの舌は私の舌を絡め取るように優しく触れ、確かめるようにちょんちょんとつついてくる。

 そのあいだも、彼の手は優しく私の体を愛撫していた。

 あぁ……、あ。何なの? この感覚。

 フワフワして、頭の芯がボーッとして……。

 知らずと私はエデンの背中に手を回し、必死になって彼にしがみついていた。

 波打ち際に立っていて、引き潮が足元の砂をこそぎ取っていくような、あの頼りない感覚。

 それに襲われているような感じになった私は、震える腕で懸命にエデンにすがる。

「……大丈夫か? ずいぶん力を込めてしがみついているが」

 唇が離れると、紫暗の瞳に色欲の炎を灯したエデンが私を覗きこんでいた。

「すみません、爪をたててしまいましたか? 私、怖くてつい……」

「いいや、構わない。それより怖かったか?」

 そう言ってエデンは指で優しく私の髪をすいてくてる。あぁ、本当に優しいなぁ。

「怖い……って言うか……知らない感覚で……」

「人は知らないものを恐れる。自分がどうなるのか分からないからだ。俺はお前に危害を与えないと誓った。優しくするし、気持ちよくする。……それを信じられないか?」

 エデンの目は魔王とは思えないほどに優しく、いつの間にか涙ぐんでいた私は小さく頷く。

「信じます。……だって、あなたはとても優しい魔王さまだもの」

 その言葉に彼は目だけで笑い、ナイトドレスをそっとめくり上げて私の脚をさらけ出してしまう。大きな手が膝から腿をゆっくり撫であげ、その手つきだけで私の頭はジンと痺れたように熱くなってしまった。

 あれ……、私これだけでこんな風になってしまうの……、おかしいのかな。いやらしい子なのかな。

 頭が熱くて胸がドキドキしていて……、でもエデンにもっと触ってほしい。

 もじもじと膝を合わせていると、腰の両サイドで蝶結びになっているひもが引かれ、繊細なレースでできた下着は一枚の頼りない布になってしまった。

「アメリア、キスをして肌に触れただけで、こんなに濡らしていたのか?」

「え……?」

 濡らすと言われてお漏らしでもしてしまったのかとギクリとし、体を半分起こそうとすると、エデンの指が信じられない場所をツルッと撫で上げた。

「きゃあっ!」

 とっさに悲鳴が出て、私はバッと脚を閉じた。

「なっ……何するんですかっ!?」

 驚いたのと恥ずかしいのとで大きな声が出て、それまでのムードをぶち壊しにしてしまった私は、エデンと目が合って気まずく沈黙する。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

男装騎士はエリート騎士団長から離れられません!

Canaan
恋愛
女性騎士で伯爵令嬢のテレサは配置換えで騎士団長となった陰険エリート魔術師・エリオットに反発心を抱いていた。剣で戦わない団長なんてありえない! そんなテレサだったが、ある日、魔法薬の事故でエリオットから一定以上の距離をとろうとすると、淫らな気分に襲われる体質になってしまい!? 目の前で発情する彼女を見たエリオットは仕方なく『治療』をはじめるが、男だと思い込んでいたテレサが女性だと気が付き……。インテリ騎士の硬い指先が、火照った肌を滑る。誰にも触れられたことのない場所を優しくほぐされると、身体はとろとろに蕩けてしまって――。二十四時間離れられない二人の恋の行く末は?

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。

イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。 きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。 そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……? ※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。 ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...