【R-18】不幸体質の令嬢は、地獄の番犬に買われました

臣桜

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奪われた純潔3 ☆

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「そ……そうじゃなくて……。逆、……なのですが……」

 ポソポソと小さな声で白状すると、ヴォルフが嬉しそうに顔を綻ばせた。

「ならいいじゃないか。俺が君を愛しているという事を、その身に深く刻めばいい」
「あ、愛……っ……。だ、だってこんな……っ」
「気持ちいいのだろう? 先ほどのようにまた『気持ちいい』と口に出してみろ」

 ヴォルフは再び腰を揺らしだし、長大なモノがアンバーの膣壁を擦っては前後する。まだどこか疼痛は残っているのに、アンバーは「もっと擦ってほしい」と思ってしまっていた。

「やぁ……ですっ。恥ずか……しっ、あぁんっ」

 あくまでヴォルフに逆らおうとするのだが、彼女の唇からは艶めかしい喘ぎ声が漏れ出る。そんな彼女を見下ろしてヴォルフはスッと目を細め、酷薄に笑ってみせた。

「なら、ココを弄ったら『気持ちいい』と素直に言えるのではないか?」

 アンバーの腰を支えていた手が動き、親指が濡れそぼった肉真珠に触れた。

「きゃうっ!」

 それまでただ貫かれるがままになっていたアンバーが、ビクリと跳ねてヴォルフを締め付けた。

「やっ……やだぁっ、そこ、……そこ触らないでぇっ」

 顔をグシャグシャにして哀願するも、ヴォルフは指の腹でまるまると膨れた肉真珠を撫で回す。強すぎもせず弱すぎもない刺激は、確実にアンバーを高みにいざなっていった。

「やぁ……っ、やぁうっ、ん、んぅっ、そこぉ……だめぇっ」

 何とかヴォルフから逃れようと体を揺さぶるのだが、ずっぷりと貫かれた彼女は微動だにできない。かえって自ら腰を揺らした事で、自身に新たな刺激を与える始末だ。

「いい子で『気持ちいい』と言えたら解放してやるぞ?」
「~~~~っ」

 自分を組み敷いたまま、余裕たっぷりという風に微笑んでいる彼が憎たらしい。
 獣のように美しい肉体も、堂々たる支配者の雰囲気も、男性なのにムンとした色気を醸し出す雰囲気も、すべて憎たらしい。

 ――敵わない。

 涙を纏った目が細められ、琥珀色の瞳からポロリと大粒の涙が滴っていった。
 ピンク色の唇がわななき、敗北宣言をする。

「あ……っ、ぁ、……き、……もち、い……ぃっ」

 その言葉を口にした途端、全身にブワッと快楽が広がってゆく。全身の産毛だけでなく、髪の毛すらも逆立ってしまうような絶頂。
 目の前が真っ白になり、またあの浮遊感を覚えていた。

「んうぅう……っ、あっ……ぁ、んンーっ!」

 自分がどこか別の世界に放り出されたのではと思ったアンバーは、恐怖のあまり手を泳がせた。それをヴォルフの大きな手がしっかりと握ってくれる。

「大丈夫だ、アンバー。俺はここにいる。ちゃんと戻ってこられるから安心しろ」

 体を密着させ、ヴォルフが耳朶に囁いてくる。
 低く艶やかな声はアンバーの耳に入り込み、安堵と共に情欲を誘う。大きな手に頭を撫でられ、この絶頂を覚えた状況を肯定されているように思えた。

「……ん、ふ……っ、ふぅっ、ぁ、はぁ……っ」

 ぎゅっと目を閉じていた状態からやっと現実に戻ると、まだ目の前がチカチカしている気がする。

「上手に極められたな。いい子だ」

 けれど目の前にあの美しい男がいて、安心させるためか笑いかけてくれた。思わずアンバーも微笑み返せば、チュッとご褒美のキスが与えられる。

「……じゃあ俺も、一度出させてもらおうか」

 ヴォルフが体を起こし、離れてゆく体温と唇をアンバーは名残惜しく思う。
 けれどすぐにずんずんと深く穿たれ、意識のすべてが攪拌していった。

「んぅ、あうっ、ぅ、あっ、あぁっ、やぁんっ」

 一度達した後は、いま自分が感じているモノが『気持ちいい』なのだと素直に分かる。
 本能からの声を上げ、それでもアンバーの淑女としての矜持が唇に手を当てさせた。懸命に声を堪えているのだが、それでも大きな声が広々とした寝室に響く。
 グッチャグッチャと濡れた音もし、寝台が軋みヴォルフが荒々しい息を吐く音もする。

「アンバー、美しい。……俺の、……ものだっ」

 最後に彼女の細腰を両手で掴み、何度かずんずんと腰を叩きつけてからヴォルフが胴震いした。

「……っく」
「んぅっ、あっ、あぁああぁっ、何か……っ、あつ……ぃっ」

 途端、お腹の奥にビュッビュッと熱いモノが吐き出され、自分が濡らされたと理解する。
 真夏の雨のように激しいそれは、温かくアンバーを濡らしていった。

「……ん……あぁ……、ぁ……」

 閨の事はよく分からない。
 けれどアンバーは〝終わった〟のだと分かった。
 自分の上に倒れ込んできたヴォルフの重みを、なぜだか「嬉しい」と思う自分がいる。
 天蓋の中は二人の呼気に満ち、ねっとりとした甘酸っぱい汗と蜜の匂いも充満していた。

「……アンバー」

 遠く、ヴォルフが自分の名を呼ぶ声が聞こえた。

 けれどそれにいらえる元気もなく、アンバーの意識は暗転してしまった。
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