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第二十三部・幸せへ 編

もう離れたくない……っ ☆

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「あ……、あふ……っ」

 佑に愛される多幸感に満たされた香澄は夢中になって彼の舌を舐め、しゃぶる。

(佑さん……っ)

 香澄は太腿でギュッと彼の腰を挟み、カクカクと腰を動かして押しつける。

 自分ではゆっくりしてほしいと言っておきながら、一度挿入されると体が言う事を聞いてくれず、勝手に次なる刺激を求めてしまう。

(やだ……っ、やらしいって思われたらどうしよう……っ)

 香澄は真っ赤になって身をよじらせ、佑の腕の中から逃げようと試みる。

 だが彼はそういう反応を見せられて逆に興奮したのか、香澄をギュッと抱き締めてさらに深い口づけをする。

「ん……っ、んぅ、う……っ」

 酸素を求めて口を開くと彼の舌がヌルリと入って口腔を犯し、ウード&ベルガモッドの官能的な香りに包まれたのも相まって、香澄はポーッとしたまま佑に支配されていた。

 やがて蜜壷に屹立が馴染んだ頃、佑はゆっくりと腰を動かし始めた。

「は……っ」

 佑は荒っぽい息をつき、衝動的に激しく動いてしまいそうになるのを必死に堪えた。

 熱い蜜壷はうねりながら柔らかく彼の屹立を包み、きつく吸い上げて吐精を促している。

 佑はすぐにも射精してしまいそうなのを必死に堪え、呼吸を荒げながら求め続けた愛しい女を見つめ、優しく腰を突き入れていた。

「香澄……っ、気持ちいい……っ」

 そう言ってとろけた目で見てくる佑を見ると、胸が愛しさでキューッと締め付けられて堪らない。

「私も気持ちいい……っ」

 香澄は目を閉じて自分の中を穿つ、熱く硬い肉棒を感じ、愛されている事を実感する。

 そして両手を彼の広い背中に回してかき抱くと、貪欲に悦楽を求めて脚を開き、腰を押しつけた。

「く……っ、はぁ……っ、あ……っ」

 ギシッギシッとベッドが軋み、二人の荒くなった呼吸音が寝室内に響く。

 たっぷり潤った蜜壷で硬い肉棒がヌルヌルと擦れて前後し、亀頭で子宮口を押し上げられるたび、香澄は甘ったるい悲鳴を漏らす。

「佑さん……っ、たす、――く、さ……っ」

 彼の体に押し潰され、触れ合った場所からぬくもりを分かち合い、荒くなった呼吸を聞き、汗が滴るのを感じるのが嬉しくて堪らない。

 ――私は、彼に愛されている。

 波乱があったあと、人生を捧げたと言っても過言ではない彼に強く求められ、この上ない歓喜が香澄を包む。

「……っ、もう離れたくない……っ」

 唇から本音を迸らせ、香澄は涙を流す。

「もう離さないから……っ」

 佑は泣き笑いのような表情で言い、ズグズグとこまやかに香澄を突き上げる。

「~~~~っ、ふ……っ、うぅっ、うー……っ」

 愛しさと快楽とで胸をいっぱいにした香澄は、顔を真っ赤にして次から次に涙を流す。

「好き……っ」

 少し前まで彼と話していた時は、「我が儘を言ってはいけない」「困らせてはいけない」という思いで冷静に話ができていたと思っている。

 佑に忘れられてしまったあと、香澄の心の奥底では悲しみや後悔、絶望が荒れ狂い、夕方にいきなりプロポーズをされたあとも「これは夢なんじゃないかな?」とまだ信じられずにいる気持ちがあった。

 目の前にいる佑といつものように話し、抱き合ってキスをして、そこにいると確認し、もう何にも怯える必要はないと理解したはずなのに、香澄の心の奥ではまだ発散しきれていない想いが燻っている。

 その抑えていた想いが、強い悦楽を得て理性のタガが外れた頃になって、とめどない涙となって溢れていた。

「~~~~っ、もう……っ、離れちゃいや……っ、側にいて! 佑さんは私だけのものなの……っ!」

 ――感情を叩きつけるなんて、子供っぽいと思われるかもしれない。

 怯えながらも、香澄は胸の奥から迸る衝動のままに佑に気持ちをぶつけていた。

 あまりに激しい感情に、彼を抱く腕が震えてしまう。

 佑はそんな香澄を見て切なげに眉を寄せると、彼女の鎖骨の下にキスをし、前歯を立ててきつく吸ってきた。

「あぁ……っ」

 ジィン……とした痛みが体の芯部に届き、香澄は陶酔した声を上げる。

 同時にお腹の奥が甘く疼き、さらに愛蜜を吐き出したのが分かった。

 ――好き。

 ――好き……っ!

 あまりの快楽と精神的な愉悦とで、香澄は目の前をチカチカ瞬かせて蜜壷を食い締める。

 佑は柔らかくぐずついた場所に激しく肉槍を擦りつけ、知り尽くした彼女の弱点を執拗に突き上げた。
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