1,394 / 1,549
第二十一部・フェルナンド 編
純粋に愛し、愛し返す ☆
しおりを挟む
佑はスマホをナイトモードにしたあと、脇に置いた。
「多分、あいつらはまだロスにいると思う。そのうちヨーロッパに戻るんじゃないかな。一度ドイツに帰るかもしれないけど、ファッションウィークも控えているし、いずれパリに行くだろうし、そのうちホテルで会うかもしれない」
「うん、ぜひお会いしたい」
双子たちも協力してくれたなら、きちんと会って無事を伝え、礼を言いたい。
「大丈夫か? 疲れてるのに、あいつらの相手はキツイだろう」
「ううん。お礼はちゃんと言わないと」
「じゃあ、短時間でな」
「……ふふ。過保護なんだから」
佑といると、心の奥からじんわりと温かくなってくる。
感謝しつつ、香澄はスマホを横に置くと膝立ちになって彼の腰を跨いだ。
「ん?」
香澄は佑の太腿の上に座り、目を瞬かせる彼に微笑みかけ抱き締めた。
「……好き」
ギュッと力を込めて抱き締めたあと、顔を上げて大好きな人の顔を見つめ、とろけるように微笑んだ。
「俺も香澄が大好きだよ」
微笑んだ佑は、輝かんばかりに美しい。
彼の顔が好きだ、なんていったら誤解を生むかもしれない。
でも愛する人だからいつまでも見ていたいし、大好きな人の顔を見ると癒やされる。
他のどんなイケメンであっても代わりにはならず、佑だから気持ちが落ち着く。
いつもなら見つめ合うと、あまりの美形で照れてしまうのに、欲しくなった時は穴が空くほど見つめたくなる。
香澄が愛しそうに見つめていたからか、佑も穏やかに微笑んで彼女の視線を受け止めた。
(贅沢な顔……)
頬に影を落とす長くて密度の濃い睫毛や、その下で輝く不思議な色味の目、通った鼻筋に、完璧な形の唇。
きめ細かい肌を見ているうちに、香澄は佑の頬を両手で包んでいた。
(……キス……したい……)
佑の目の中にある、ペリドットにも似た色味を見つめたまま、香澄はゆっくりと目を閉じ、唇を近付けた。
佑は自ら唇を寄せず、彼女のしたいようにさせている。
香澄は唇を押しつけ、ちゅむ、ちゅ、と佑の唇をついばみ、彼の髪を撫でた。
そのまま、彼の頭を抱き締めるように何度もキスをした。
(……ほしい……)
今、香澄はとても純粋な気持ちで佑を欲していた。
もう、助けられた直後のように、荒れ狂った気持ちで『どうでもいいから、滅茶苦茶に抱いてほしい』とは思っていない。
ただ純粋に佑を愛し、愛し返してほしかった。
香澄は拙く舌を絡ませ、本能のままに体をくねらせて、佑の胸板に乳房を押しつけていた。
そうされてやっと、佑は彼女の背中やお尻を愛撫し始めた。
濡れた唇を離した香澄は、佑を見つめ、安心したように微笑んでからまたキスをする
これほど安心し、満たされた気持ちになったのは久しぶりだ。
――いい匂い。
佑のウード&ベルガモッド、そして彼の匂いと混じった自分のネクタリンの香り――。
この香りだけが香澄を狂わせる。
香澄は色っぽい息をつき、自らTシャツを脱ぎ捨てる。
飛行機のエンジン音に混じり、ベッドルームにパサリと小さな布音が立った。
佑は香澄の背中や腰を撫で、谷間や柔らかな乳房に唇を押しつけてきた。
ちゅっ、ちゅぷっと小さな音を立てて胸元を愛され、香澄は懐かしさすら感じる佑の唇の感触を存分に味わった。
佑は上目遣いで香澄を見ながらわざと舌を出し、レロンと彼女の乳首を舐める。
すると力強い舌に舐め上げられ、香澄の乳房がプルンと震えた。
何度も同じように舐められるうちに、香澄の胸の奥で官能の火がゆっくり燃え広がってゆく。
「……吸っ……て」
小さな声でお願いをすると、佑は硬くなった乳首を咥え、美味しそうにしゃぶり始めた。
「多分、あいつらはまだロスにいると思う。そのうちヨーロッパに戻るんじゃないかな。一度ドイツに帰るかもしれないけど、ファッションウィークも控えているし、いずれパリに行くだろうし、そのうちホテルで会うかもしれない」
「うん、ぜひお会いしたい」
双子たちも協力してくれたなら、きちんと会って無事を伝え、礼を言いたい。
「大丈夫か? 疲れてるのに、あいつらの相手はキツイだろう」
「ううん。お礼はちゃんと言わないと」
「じゃあ、短時間でな」
「……ふふ。過保護なんだから」
佑といると、心の奥からじんわりと温かくなってくる。
感謝しつつ、香澄はスマホを横に置くと膝立ちになって彼の腰を跨いだ。
「ん?」
香澄は佑の太腿の上に座り、目を瞬かせる彼に微笑みかけ抱き締めた。
「……好き」
ギュッと力を込めて抱き締めたあと、顔を上げて大好きな人の顔を見つめ、とろけるように微笑んだ。
「俺も香澄が大好きだよ」
微笑んだ佑は、輝かんばかりに美しい。
彼の顔が好きだ、なんていったら誤解を生むかもしれない。
でも愛する人だからいつまでも見ていたいし、大好きな人の顔を見ると癒やされる。
他のどんなイケメンであっても代わりにはならず、佑だから気持ちが落ち着く。
いつもなら見つめ合うと、あまりの美形で照れてしまうのに、欲しくなった時は穴が空くほど見つめたくなる。
香澄が愛しそうに見つめていたからか、佑も穏やかに微笑んで彼女の視線を受け止めた。
(贅沢な顔……)
頬に影を落とす長くて密度の濃い睫毛や、その下で輝く不思議な色味の目、通った鼻筋に、完璧な形の唇。
きめ細かい肌を見ているうちに、香澄は佑の頬を両手で包んでいた。
(……キス……したい……)
佑の目の中にある、ペリドットにも似た色味を見つめたまま、香澄はゆっくりと目を閉じ、唇を近付けた。
佑は自ら唇を寄せず、彼女のしたいようにさせている。
香澄は唇を押しつけ、ちゅむ、ちゅ、と佑の唇をついばみ、彼の髪を撫でた。
そのまま、彼の頭を抱き締めるように何度もキスをした。
(……ほしい……)
今、香澄はとても純粋な気持ちで佑を欲していた。
もう、助けられた直後のように、荒れ狂った気持ちで『どうでもいいから、滅茶苦茶に抱いてほしい』とは思っていない。
ただ純粋に佑を愛し、愛し返してほしかった。
香澄は拙く舌を絡ませ、本能のままに体をくねらせて、佑の胸板に乳房を押しつけていた。
そうされてやっと、佑は彼女の背中やお尻を愛撫し始めた。
濡れた唇を離した香澄は、佑を見つめ、安心したように微笑んでからまたキスをする
これほど安心し、満たされた気持ちになったのは久しぶりだ。
――いい匂い。
佑のウード&ベルガモッド、そして彼の匂いと混じった自分のネクタリンの香り――。
この香りだけが香澄を狂わせる。
香澄は色っぽい息をつき、自らTシャツを脱ぎ捨てる。
飛行機のエンジン音に混じり、ベッドルームにパサリと小さな布音が立った。
佑は香澄の背中や腰を撫で、谷間や柔らかな乳房に唇を押しつけてきた。
ちゅっ、ちゅぷっと小さな音を立てて胸元を愛され、香澄は懐かしさすら感じる佑の唇の感触を存分に味わった。
佑は上目遣いで香澄を見ながらわざと舌を出し、レロンと彼女の乳首を舐める。
すると力強い舌に舐め上げられ、香澄の乳房がプルンと震えた。
何度も同じように舐められるうちに、香澄の胸の奥で官能の火がゆっくり燃え広がってゆく。
「……吸っ……て」
小さな声でお願いをすると、佑は硬くなった乳首を咥え、美味しそうにしゃぶり始めた。
22
お気に入りに追加
2,546
あなたにおすすめの小説
『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!
臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。
やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。
他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。
(他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)
地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる