上 下
1,284 / 1,508
第二十部・同窓会 編

盗聴の不安を抱きながらも愛される ☆

しおりを挟む
 佑は薄闇の中で微笑み、髪を撫でてくる。

「好きだよ」

「……ん」

 頷いた香澄を抱き起こした佑は、ベッドのヘッドボードに背中を預けて座る。

 そして膝の上に香澄をのせ、向かい合わせに座らせた。

 香澄のお腹にはガチガチに強張った屹立が当たり、申し訳なさを感じた彼女は、それを優しく撫でる。

 すると、ぎゅっと抱き締められたかと思うと、佑が囁いてきた。

「触れ合っているだけでも気持ちいい」

「ん……」

「香澄の裸を見ただけで勃起できる」

「や、やだ、もう……」

「香澄の体を舐めて、口の中に入れて確かめたい」

「う……うう……」

 恥ずかしい事を言われても、いつものように突っ込めない。

「香澄の唇を見たらキスしたくなるし、着衣でも触りたい気持ちで一杯になる」

「うぅ……」

 佑は言葉責めで感じさせようとしていた。

「乳首が尖ってるの分かる? 当たって気持ちいいんだけど」

「!」

 とっさに距離を取ろうとしたが、佑がしっかり抱き締めて離してくれない。

「も……っ、や、やだ! やです!」

 ぶわわっと赤くなった香澄は耐えきれなくなり、佑の腕の中で暴れる。

 だが力強い腕にしっかり抱き締められ、逃げられない。

 少しでも動くと、熱い屹立に肉芽が擦れてどうしても意識してしまう。

 じたばたしていると、唇を奪われた。

「んぅ…………」

 香澄はキスをされて最初は抵抗していたが、そのうち諦めて彼の舌に応える。

 佑はちゅぱっと音を立てて唇を離したあと、香澄の表情を確認してまた顔を傾け、キスを繰り返す。

 どれだけ感じているか確認されながらキスをされ、香澄はジワジワと焦りに似た羞恥を得た。

「可愛い」

 キスの合間に言われ、トクンと鼓動が跳ねる。

 今まで何回も言われたのに、佑に言われるとどれだけでも嬉しい。

「愛してる」

 愛しむ言葉を聞いて胸の奥が温かくなり、佑を守るためとはいえ、冷たくしようと思った自分が情けなくなった。

 お尻を撫でていた佑の手がスルリと下に移動して、香澄の花弁を擦る。

「ん……っ」

 秘所で佑の指がヌルッと滑り、その感触で先ほどより濡らしてしまった事を知った。

「香澄、俺を見て」

 言われて佑を見ると、彼は香澄を見つめたまま、蜜壷に指を一本入れてゆっくり抜き差しし始めた。

 プチュプチュと小さな音が寝室に響き、恥ずかしくなった香澄は、サッと佑から視線を外した。

「香澄、見て」

 だが優しく命令され、「うぅ……」とうなりながらまた佑を見る。

 指の腹で優しく粘膜を擦られるのが気持ち良く、気がつけば香澄は目を細めて唇を半開きにしていた。

 香澄は呆けた顔になっては表情を引き締め、また顔を蕩けさせる。

「さっきよりヌルヌルになったな。……嫌じゃない?」

「っ……ぃ、嫌じゃ……ない、けど……っ。……ヌルヌルとか、……言うの、や……」

「ごめん、可愛いからつい」

 佑は嬉しそうに笑い、キスしてくる。

 キスされるのが嬉しく、香澄は蜜壷をキュンと締め上げた。

 また何か言われるかと思ったが、佑は愛しそうに見つめるだけで何も言わない。

(引き際をちゃんと分かってるんだよな……。もう)

 それでも、フェルナンドに脅されて緊張しきっていたものの、いつものようにイチャついて気持ちが柔らかくなってきた。

 いつの間にか香澄の秘唇は柔らかく潤み、蜜を零していた。

 佑はいつも、香澄の体がまだセックスに応えられない状態だと知ると、優しく愛撫して待ってくれる。

 だから『大切にされている』と思えるのだ。

(好きだなぁ……)

 愛しさを募らせた香澄は、彼にも気持ち良くなってほしいと思った。

「……ねぇ、久しぶりに口でしようか」

 こうしている間も、盗聴されているかもしれない。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

[完結]キツネの嫁入り

66
BL / 完結 24h.ポイント:937pt お気に入り:381

女嫌いの騎士は呪われた伯爵令嬢を手放さない

恋愛 / 完結 24h.ポイント:156pt お気に入り:950

後宮に咲く薔薇

恋愛 / 完結 24h.ポイント:20,571pt お気に入り:770

【R-18】八年執着されましたが、幸せです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:149pt お気に入り:616

モブ系悪役令嬢は人助けに忙しい(完結)

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:177pt お気に入り:380

処理中です...