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第十九部・マティアスと麻衣 編

きちんと向き合うんだ ☆

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「なら続ける。さっきも達けただろう? 頑張ってくれ」

「そんなぁ……。あっ、あぁあっ」

 弱音を吐けば、言う事を聞いてくれると思ったのに叶わず、麻衣は情けない声を上げる。

「マイ? 素直に気持ち良くなってくれ」

 聞き分けのない子に言い聞かせるように言われ、麻衣はグスッと鼻を鳴らして観念した。

「っへ……変になっても、笑わないでね……っ」

「マイが感じてくれているのに、笑うなどあり得ない」

 マティアスは安心させるように麻衣にキスをして、彼女の胸に吸い付いた。

「ん……っ、んぁ、あ……っ」

 秘部から聞こえる水音はグチュグチュと激しさを増し、胸元を見ると、マティアスが自分の乳房に吸い付き、舐めている。

 与えられる悦楽も、視覚的な刺激もあまりに強すぎ、眩暈すら覚えた。

「あ……っ、はぁ、あ……っ、あぁ……っ」

「マイ。熱くて柔らかくて、気持ちいい……」

 マティアスはうっとりとした顔で囁く。
 彼の指が膣内でそよぎ、熟した淫玉を転がされる。

「我慢しなきゃ」と思う気持ちとは裏腹に、麻衣はあっという間に絶頂へのきざはしを上り詰めた。

「んっ……! あぁああぁ……っ! あーっ……ぁ……あぁ……」

 麻衣は彼を抱き締め、蜜壷でも彼の指を思い切り締め付ける。

 胸の谷間にマティアスの吐息が掛かり、彼の唇が当たった。

 麻衣はその感触すら快楽に変え、彼の香りを深く吸い込みながら人生で一番の悦楽を貪った。

「……っはぁっ、……は、……ぁ、……はぁ……っ」

 麻衣は大きな波にさらわれたあと、ぼんやりと天井を見る。

 マティアスは彼女が脱力したのを知り、上体を起こして頬を撫でてきた。

「大丈夫か?」

「ん……。すご……かった……」

 か細い声で答えるので精一杯だ。

 麻衣はいまだ体を支配する絶頂の余韻に浸り、うっとりと目を閉じる。

 そんな彼女を愛おしむように、、マティアスは頭を撫でてきた。

(このまま休みたい)

 そう思っていたが、彼は麻衣の腰の下に枕を挟み、脚を広げてきた。

「え……?」

 何をされるのかと目を開けると、彼は秘部に顔を近付けようとしていた。

「っ駄目っ!!」

 強い声で拒絶したので、マティアスは驚いたように顔を上げる。

「っ……ご、ごめ……っ」

 自分がオーバーな反応をしたと気付き、麻衣は赤面する。

 けれどそんな事でマティアスは傷付かないし、怒らなかった。

「こちらこそすまない。抵抗があったか? 俺はマイが好きだから、すべて愛したいと思った」

 相変わらずマティアスは、思った事を素直に口する。

 それに比べて……と思い、先ほどの決意を思いだして自分も正直に打ち明ける事にした。

(きちんと向き合うんだ)

 心の中で自分の頬をピシャンと叩き、勇気を出す。

「……ごめん。その……。いきなり舐められるのは抵抗がある。普通の恋人たちが、そういう事をしているのは分かってる。でも私は初めてで、愛情表現の一つだと分かっていても、まだ恥ずかしい。……だから、一気に色んな事をするんじゃなくて、少しずつにしてくれたら助かる。……私も、少しずつ自信をつけていきたい。そうしたら抵抗が少なくなる……かも」

 思っている事をきちんと話すと、彼はあっさり受け入れてくれた。

「分かった。恥ずかしい思いをさせて悪かった」

 マティアスは頷いたあと、手を伸ばして枕の下から避妊具の箱を取りだした。

「えっ……!? は、箱……」

「アロクラに『日本のホテルに置いてあるスキンは、サイズが合わない』と忠告された。だから途中で寄ったコンビニで買った」

 確かにホテルに寄る前にコンビニに行き、飲み物などを買った。

(……って言っても……XL!?)

 マティアスが手にしている箱には、XLと印字されている。

 彼は箱の中から避妊具を一つ取りだし、パッケージを破って自身の屹立に被せる。

(ああやってつけるんだ……。じゃ、なくて!! でかっ……)

 先ほどもマティアスの男性器をチラ見したが、今はショックのあまり、呆然として直視してしまった。

「……は、入るの……? それ……」

 麻衣は思わず尋ねてから赤面する。

 そんな彼女を見て、マティアスはやや不安そうな顔をした。
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