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第十九部・マティアスと麻衣 編

幸せになる覚悟を決めた ☆

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 ――それでいいや。

 麻衣はポロッと涙を零して微笑み、ゆっくり体の力を抜いた。

 涙を見て瞠目したマティアスに、彼女は「違うの」と小さく首を横に振る。

「幸せになる覚悟を決めた。それだけ」

「……そうか」

 マティアスは深くは聞かず、微笑んで頷いた。

(きっと信じてくれているんだろうな)

 そう思うと、心の奥にりん、と丸く小さな光が宿った気がした。

 それはとても小さくて、不安定に揺れている。

 けれどマティアスと一緒に過ごし、時間が経つにつれて、大きくしっかりとした光になると信じている。

「……好きだよ」

 彼の肩をキュッと掴んで告白すると、マティアスは破顔して「俺もだ」と言ってくれた。

 マティアスは今までより力の抜けた麻衣の脚を開かせ、その間に腰を入れる。

 そして何度も麻衣の胸を吸っては舐めて……と繰り返した。

「はぁ……っ、あ、……ん、あぁ……、ぁ……」

 麻衣は必死に呼吸を整え、マティアスの肩や髪を撫でる。

 素肌を撫でるマティアスの手を、とても熱く感じた。

 恥ずかしくて、けれど嬉しくて、でもやっぱり恥ずかしくて、胸が一杯になって切ない。

「少し、触るぞ」

 断ってから、マティアスは内腿から恥丘へと手を滑らせる。

「んっ……! ぅ、……う……」

 彼はふっくらとした恥丘とアンダーヘアを、愛しむように撫でた。

「あの……。ご、ごめん……」

「何がだ?」

 マティアスは目を瞬かせる。

「……海外の人ってアンダーヘア、処理するんでしょ? マティアスさんもなかったし……。不潔だったらごめん」

 恥毛に触れられ、急にその事を思いだした。

 バスルームでは「マティアスさんって毛がないんだな」と思っただけだったが、今自分の恥毛に触れられて、顔から火が出そうなほど赤面している。

「そんな事気にするな。俺たちの間には〝違い〟が沢山ある。これから俺は、色んな感覚を日本式にシフトしていくつもりだ。だが、中には捨てきれないドイツ的な考えもあると思う。その時は、麻衣に我慢してほしいと頼むかもしれない。これから俺たちが向き合っていかないとならないのは、考え方のほうだ。体毛など問題にならない」

「そうだね。確かに、大した事じゃないかも……」

 言いながら、麻衣は「香澄にいい脱毛サロンを教えてもらおう」と思っていた。

 やがてマティアスの指が肉芽に触れ、麻衣は一瞬息を止める。

「リラックスしてくれ。痛くしない。ゆっくり愛していくから」

「ん……うん」

 マティアスは濡れた花弁をヌチヌチと擦ってくる。

 麻衣は深呼吸を繰り返し、懸命に気持ちを落ち着かせようとした。

 気を紛らわせたいのに、彼の指が動くたびに意識が奪われ、別の事を考える余裕がない。

 ぬめった場所を往復する指の動きがいやらしく、小さく立つ水音もまたいやらしい。

 やがてマティアスの指が、蜜口の中につぷりと侵入してきた。

「ぁっ……、ン、……ん……」

 彼の指はゆっくり蜜壷に入り、優しく出入りし始める。

 そのうちクチョクチョと小さな水音が立ち、その音を聞いて麻衣はカーッと赤面した。

(恥ずかしい……っ)

 バスルームでは水中だったため、音は立たなかった。

 けれど今はいやらしい音が、嫌でも耳に入ってくる。

「痛くないか?」

 マティアスが気遣い、麻衣は必死に返事をする。

「……っうん……っ」

 彼の指が膣内を蠢くたびに、何とも言えない感覚が全身を駆け巡る。
 無意識に腰が揺れ、お腹の奥がヒクヒクする。

「ぁ……っ、あ、……ん、んー……」

 唇からは艶っぽい声が漏れ、自分をコントロールできなくて泣きそうになった。

 チュクチュクと水音が続き、ときおりグプッと泡だったような淫音が立つ。

「は……っ、恥ずかしい……っ、あ……あ……っ」

「こっちに触れたほうが楽だろうか?」

 そう言ってマティアスは蜜を親指にまぶし、クリュッと肉芽を転がしてきた。

「っひあぁああぁっっ!!」

 分かりやすい悦楽を得て麻衣は声を上げ、思いきりマティアスの指を締め付ける。

「待って! そこ……っ、だめっ」

 弱点を弄られ、麻衣は涙目になってマティアスの手首を掴む。

「痛いか?」

「いっ、痛くないっ。……きっ、気持ちいいから……っ」
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