【R-18】【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました

臣桜

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第十九部・マティアスと麻衣 編

マイを愛してもいいか?

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「だからもしかしたら、女性に主導権を握られるのが苦手かもしれない。だが相手がマイなら話は異なる。好きな人になら何をされても嬉しい。しかしマイを抱けるだけでも幸せなのに、それ以上の事を望むのは強欲な気がする」

「強欲なんてそんな」

(セックスするぐらい……)

 彼の事情は分かっていても、ついそう思ってしまう。

 同時に、普通の事を普通にできずに過ごした彼に、憐憫の情を抱いた。

 だからこそ、「私が幸せにしてあげられたら……」と願うのだ。

 今後の事はまだ詳しく決まっていないが、マティアスと一緒になる覚悟は決めた。

 優しくて気配りのできる彼なら、喧嘩もほぼせず、穏やかに結婚生活を送れるのではと思った。

 その中で、マティアスが何かを望めば、セックスだろうが何だろうが、可能な限り応えたい。

「大丈夫。いつか〝普通〟は〝普通〟だって思えるようにしてあげるから」

 濡れた手でマティアスの頬を撫でると、彼は愛しそうに目を細め、麻衣の掌にキスをした。





 風呂から上がって体を拭いていると、マティアスが「俺がマイの髪を乾かしたい」と言い、そうしてもらう事にした。

 美容室以外で誰かに髪を乾かしてもらうのは初めてで、気恥ずかしい。

 けれど自分がとても大切に扱われていると思えて、鏡越しにマティアスの顔を見てはニヤついてしまった。

 ドライヤーのスイッチが切られたあと、麻衣の髪はすっかりサラサラになった。

「ありがとう」

「どういたしまして」

 マティアスはそう言って、自分の髪も乾かし始める。

 麻衣は〝続き〟があるのだと思うとまた緊張してしまい、ソファに戻ってウーロン茶を一口飲んだ。

(どうやって始まるんだろう)

 そう思っていた時、洗面所から戻ったマティアスが提案してきた。

「ベッドに行かないか?」

「えっ? えぇっ!?」

(直接きたな!)

 あまりにも直球すぎて、麻衣は心の中で思いきり突っ込んだ。

「う、うぅ、…………うん」

 麻衣はうろたえつつ、ギシッギシッと人形のような歩みでベッドに向かう。

 そして少し迷ったあとに、花びらでハートが描かれてあるベッドに腰かけた。

 するとマティアスもベッドの上に座り、麻衣の髪をサラリと撫でてくる。

「っ!」

 緊張した麻衣に、マティアスは優しく笑いかける。

「ちゃんと乾いてるな。こうやって女性の髪を乾かすのは初めてなんだ」

 そう言ってマティアスは麻衣の髪をもてあそび、「コシのある髪だな」と呟く。

「マ、マティアスさんは……」

 麻衣も同じように彼の髪を触ってみる。

「あれ、意外と柔らかい」

「ヨーロッパ人はアジア人と比べると、割と髪が柔らかいほうだと思う」

「そうなんだ。…………気持ちいい」

 麻衣はサラサラとマティアスの髪を掻き混ぜ、自然と微笑む。

 すると、その手を掴まれて、甲にキスをされた。

「……俺としては、マイの口から別の『気持ちいい』を聞きたい」

「あ……」

 マティアスは手に唇を押しつけたまま、上目遣いに見つめてくる。

 青い瞳に見つめられ、麻衣は動揺して視線を逸らした。

「マイ。愛してる」

 そう言ってマティアスは、麻衣をゆっくり押し倒した。

 そして彼女に愛を乞う。

「マイを愛してもいいか?」

「……ど、どうぞ」

 おずおずと頷くと、マティアスは微笑んでキスをしてきた。

 ガウンの紐が引っ張られると、風呂上がりの火照った肌に空気を感じる。
 かと思うと、下着一枚の体が晒された。

 彼が最初に触れたのは胸だった。

 先ほどバスルームでも触られたが、水中とはまた違った感覚がする。

 マティアスは麻衣の肌質を確かめるように乳房を撫で、囁いた。

「マイの肌は気持ちいいな」

 そう言ってもらえて、今まで感じた事のない〝女としての喜び〟が心を満たしていく。

「ありがとう」

 本当は恥ずかしいが、相手がマティアスだから素直になれる。

 そのあとも彼は優しく胸を揉む。

 マティアスの指が先端をかすめるたびに乳首が凝り立ち、麻衣は緊張と気持ちよさで、はぁ……と小さく吐息をついた。

「大丈夫か?」

「うん」

 マティアスはいつもまっすぐに麻衣を見る。

 恥ずかしい事をしているのに、そんなふうに見つめられると、もっと恥ずかしくなる。
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