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第十七部・クリスマスパーティー 編
佑さんの浪漫は分かりづらい
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「……まぁ、俺が心配する事じゃないか」
エミリアはガブリエルという〝怪物〟の手駒になった。
佑だってガブリエルの事は敵に回したくない。
彼の〝家〟はそれだけの力を持ち、彼の発言力もとてつもないものがある。
エミリアがもし愚かしい行動をしたなら、その末路は想像して余りある。
「……彼の裁量に任せるしかないか」
溜め息をついたあと、佑はガブリエルにメッセージを打つ。
『報告ありがとうございます。引き続きどうぞ宜しくお願いします』
そして溜め息をつき、スマホを置いた。
もう一度、何度目になるか分からない息をついたあと、立ち上がってまたベッドルームに戻った。
時間を確認したあと布団に潜り込み、香澄を抱き締める。
「楽しい事でも考えようか、香澄」
いまだ眠っている彼女に話し掛け、佑はその頬に唇を押しつけた。
結局そのあと、もう一度佑に抱かれてしまった。
次は裸のまま後ろから攻められ、最終的に窓際に立たされて、昼間の東京を見下ろしながら、胸をガラスに押しつけて喘いだ。
「……まだ怒ってるのか?」
ジェットバスに浸かった香澄は、恥ずかしくてむくれたままそっぽを向いている。
つーん、とさらに向こうを向くと、佑がビュッと水鉄砲を飛ばしてきた。
「っぷぁ!」
見事に顔面にお湯を当てられた香澄は悲鳴を上げ、顔からボトボトと水滴を垂らしながら目を剥いて佑を見る。
「ごめんって」
「謝ってる人の態度じゃないと思いますけど」
むぅ……と下唇を出した香澄は、指でクリクリと佑の乳首をいじめる。
「そうだ。メイドさんの〝お手当て〟は何がいい? ダイヤ? 靴? バッグ?」
突如として佑が満面の笑みを浮かべ、グイッと抱き締めてくる。
「そっ、そんなのいいの! いらないです。ノー!」
両手の人差し指でバツを作ってみせると、佑は不服そうな顔をした。
「じゃあ、何がほしい? 本当の意味での〝お手当て〟なら、望む額を払うよ?」
「もー……。だから。……本当に佑さんは頭が悪くなるなぁ……」
いくら望みを聞いてもらったからといって、そこまでしたがる佑の思考回路が分からない。
「そもそも、お金払ったら買春になるからね」
まじめに言うと、佑は溜め息をつく。
「別にパパ活してる訳じゃないだろ。こう……分からないかな。色んなシチュエーションで楽しみたいっていう浪漫が……」
「……佑さんの浪漫は分かりづらい……」
しみじみと溜め息をついた香澄は、気持ちを切り替えて〝お手当て〟を考えた。
このままでは彼は引き下がらなさそうだから、何か案を出したほうが丸く収まる。
「あのね、〝お手当て〟なんだけど、せっかくだからアフターヌーンティーとは言わないけど、紅茶とケーキのセットがほしいな」
「それだけ?」
佑は真顔になり、香澄の顔を覗き込む。
「え? うん。だって何か食べたら、家でご飯食べられないでしょ」
言われて家に双子とマティアスがいるのを思い出したのか、佑は一瞬魂が抜けたような表情になった。
「……それならそれでいいけど。ちょうど三時過ぎだし、時間的には丁度いいか」
二回愛し合っても、時間はまだたっぷりあった。
「そうだ、紅茶とケーキは頼むけど、香澄が喜びそうかな? と思って頼んでおいた物があるんだけど」
「なに?」
「あとからのお楽しみ」
チュッと額にキスをされ、あとは上がるまで佑に愛でられた。
湯上がりにいつものようにスキンケアをし、佑が体に化粧水とボディクリームを塗ってくれる。
最初は佑にボディケアしてもらうのが、恥ずかしくて堪らなかった。
だが「時短」と言われて、その通りだと思ったのも事実だ。
なので恥ずかしさはあるものの、彼に手伝ってもらっている。
やがてドライヤーが終わって髪がサラサラになったあと、香澄はスウェット地のワンピースを着た。
エミリアはガブリエルという〝怪物〟の手駒になった。
佑だってガブリエルの事は敵に回したくない。
彼の〝家〟はそれだけの力を持ち、彼の発言力もとてつもないものがある。
エミリアがもし愚かしい行動をしたなら、その末路は想像して余りある。
「……彼の裁量に任せるしかないか」
溜め息をついたあと、佑はガブリエルにメッセージを打つ。
『報告ありがとうございます。引き続きどうぞ宜しくお願いします』
そして溜め息をつき、スマホを置いた。
もう一度、何度目になるか分からない息をついたあと、立ち上がってまたベッドルームに戻った。
時間を確認したあと布団に潜り込み、香澄を抱き締める。
「楽しい事でも考えようか、香澄」
いまだ眠っている彼女に話し掛け、佑はその頬に唇を押しつけた。
結局そのあと、もう一度佑に抱かれてしまった。
次は裸のまま後ろから攻められ、最終的に窓際に立たされて、昼間の東京を見下ろしながら、胸をガラスに押しつけて喘いだ。
「……まだ怒ってるのか?」
ジェットバスに浸かった香澄は、恥ずかしくてむくれたままそっぽを向いている。
つーん、とさらに向こうを向くと、佑がビュッと水鉄砲を飛ばしてきた。
「っぷぁ!」
見事に顔面にお湯を当てられた香澄は悲鳴を上げ、顔からボトボトと水滴を垂らしながら目を剥いて佑を見る。
「ごめんって」
「謝ってる人の態度じゃないと思いますけど」
むぅ……と下唇を出した香澄は、指でクリクリと佑の乳首をいじめる。
「そうだ。メイドさんの〝お手当て〟は何がいい? ダイヤ? 靴? バッグ?」
突如として佑が満面の笑みを浮かべ、グイッと抱き締めてくる。
「そっ、そんなのいいの! いらないです。ノー!」
両手の人差し指でバツを作ってみせると、佑は不服そうな顔をした。
「じゃあ、何がほしい? 本当の意味での〝お手当て〟なら、望む額を払うよ?」
「もー……。だから。……本当に佑さんは頭が悪くなるなぁ……」
いくら望みを聞いてもらったからといって、そこまでしたがる佑の思考回路が分からない。
「そもそも、お金払ったら買春になるからね」
まじめに言うと、佑は溜め息をつく。
「別にパパ活してる訳じゃないだろ。こう……分からないかな。色んなシチュエーションで楽しみたいっていう浪漫が……」
「……佑さんの浪漫は分かりづらい……」
しみじみと溜め息をついた香澄は、気持ちを切り替えて〝お手当て〟を考えた。
このままでは彼は引き下がらなさそうだから、何か案を出したほうが丸く収まる。
「あのね、〝お手当て〟なんだけど、せっかくだからアフターヌーンティーとは言わないけど、紅茶とケーキのセットがほしいな」
「それだけ?」
佑は真顔になり、香澄の顔を覗き込む。
「え? うん。だって何か食べたら、家でご飯食べられないでしょ」
言われて家に双子とマティアスがいるのを思い出したのか、佑は一瞬魂が抜けたような表情になった。
「……それならそれでいいけど。ちょうど三時過ぎだし、時間的には丁度いいか」
二回愛し合っても、時間はまだたっぷりあった。
「そうだ、紅茶とケーキは頼むけど、香澄が喜びそうかな? と思って頼んでおいた物があるんだけど」
「なに?」
「あとからのお楽しみ」
チュッと額にキスをされ、あとは上がるまで佑に愛でられた。
湯上がりにいつものようにスキンケアをし、佑が体に化粧水とボディクリームを塗ってくれる。
最初は佑にボディケアしてもらうのが、恥ずかしくて堪らなかった。
だが「時短」と言われて、その通りだと思ったのも事実だ。
なので恥ずかしさはあるものの、彼に手伝ってもらっている。
やがてドライヤーが終わって髪がサラサラになったあと、香澄はスウェット地のワンピースを着た。
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