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第十六部・クリスマス 編

車内の淫戯 ☆

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 佑は満足そうな彼女を見て微笑んだ。

「良かった。本当はクリスマスデートをしたかったけど、予定が急に変わったから、満足してくれるか心配してたんだ」

 彼はそう言ってからジロリと双子を見て、溜め息をついてコーヒーを飲む。

「悪かったって。ディナー代は俺が持つから」

 アロイスが笑い、クラウスが「じゃー、僕は次ね」と挙手の意味の指を上げる。

「ごちそうさまです」

 お礼を言うと、双子はパチンとウインクする。
 と、マティアスが質問してきた。

「俺たちが泊まる部屋は大丈夫か? 何ならリビングでも大丈夫だ」

 それを聞き、水を飲んでいた佑がゴフッと噎せる。

「……あのなぁ。来た事がないのは分かるが、俺の家を何だと思ってるんだ。ワンルームじゃないぞ」

「そこまで考えていなかった。すまない」

 香澄は相変わらずの彼にクスクス笑い、佑の家の広さを説明した。

「大丈夫ですよ。佑さんの家、三階はまるっと空いているので自由に使えます」

 そう言うと、マティアスは「そうか」と頷いて微笑んだ。





 やがて車を呼んだあと、二手に分かれて御劔邸に帰る事になる。

「美味しかったぁ……」

「それは良かった」

 車の中で満足げに言う香澄を、佑が抱き寄せる。
 気を利かせた小金井は、前後シートの間にある仕切りを上げる。

「キスしていい? 家だと二人きりになれないから」

 囁かれ、カァッと顔が熱を持つ。

「う……うん……」

 佑の香りを鼻腔一杯に吸い込むと、愛される事に気持ちが支配されてしまった。

 彼は、ちゅ……と香澄の唇をついばみ、少し顔を離す。

「あ」

「ん?」

 香澄が声を出したので、佑は眉を上げる。

「リップ……ついちゃった。レストラン出る前に、お化粧直ししたから」

 佑の唇には、香澄のルージュがついている。
 なまじ佑が美形なだけに、唇に色がついていると変な気分になってしまう。

 ジッと凝視していたからか、彼は赤い舌でペロリと唇を舐めた。

(えっ……)

 それを見ただけで、香澄の鼓動がドキンッと跳ね上がる。
 薄闇の中で微笑む彼を見て、さらに体温が上がっていった。

「ん……っ」

 油断していたところを抱きすくめられ、窓側に体を押しつけられる。
 口内を舌で舐め回され、気持ちがフワァッと心許なくなっていく。

「ん……っ、ン、――――ん」

 口腔を舐められるたび、ゾクゾクと背筋が震えて下腹部が熱を持つ。
 佑の手がコートの隙間から侵入して太腿に触れ、ワンピースの裾に潜り込んできた。

「ぁ……っ、は、――む、…………ン」

 小金井たちがいるので、香澄は羞恥に駆られながら必死に声を殺した。
 シュル……とストッキングを摩擦する音を立て、太腿が何度も撫でられる。

「ん……、んふ、――ン、ふ……ん」

 懸命に鼻で呼吸をする香澄の内腿を、佑が手で軽く叩いてきた。

「…………っ」

 その〝口で言わず叩かれて指示される〟行為に、香澄の被虐的な部分が歓喜に震えた。
 佑は香澄の太腿を辿り、柔らかい太腿が露出している所をムニムニと揉んで楽しむ。

「は……」

 一度唇を離した佑は、香澄の脚を大きく開かせて押し倒す。
 そしてシート側の足からパンプスを脱がせ、足元に置いた。

「佑さ……」

「しぃ」

「さすがに車の中では……」と咎めようとした香澄に、佑は唇の前で指を立てて静かにするよう窘める。

 香澄はチラッと仕切りを見たが、パンティのクロッチを押されて悲鳴を押し殺した。

「んっ」

 焦って佑を見るが、彼は楽しそうに目を細めている。

 佑は空いた手で香澄の手を取り、その手の甲に唇を押しつけた。
 指にねっとりと舌を這わせられ、香澄は思わず手を引く。

 けれど佑にしっかり手を握られ、逃げられない。

 その間もパンティのクロッチはグリグリと指でいじめられ、グチュグチュといやらしい音が立つ。
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