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第十五部・針山夫婦 編
佑さんの手、えっち ☆
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「……エンジン音が大きい物もあるから……」
佑は思い詰めた表情で呟く。
「根本的に違うじゃない。佑さん、前に話してくれたよね? 高級車のエンジン音は計算し尽くされた物だって。高級車と、ただ音が大きいだけの車は違うよ?」
「そうだけど……」
すっかりしょげてしまった彼を見て、思わず苦笑いした。
「佑さんは虚栄心のために、わざと大きい音を立てたりしないでしょ?」
そもそも、香澄が抱えている心理的な問題と、高級スポーツカーにF1モードのエンジンが搭載されているのとは、まったく関係がない。
「健二くんの車の音は、思い出とワンセットなの。私は健二くんが乗っていたのと同じ車を見ても嫌いにならない。健二くんが乗る車だから嫌だったの。佑さんが乗る車で嫌な思い出ができるなんてあり得ないから、そんな顔しないで」
彼の目を見てきっぱり言うと、佑はようやく表情を緩めた。
「……本当に大丈夫か?」
「当たり前だよ。佑さん、私が『カラスにつつかれた事があるから、嫌い』って言ったら、世界中のカラスを滅ぼしかねないところ、直した方がいいよ。極端すぎ」
苦笑いして彼の鼻をつつくと、彼はスンッと大人しくなった。
「……分かった……」
そんな彼を抱き締め、香澄は微笑んだ。
「佑さんは、もっと私に愛されてるって自信を持っていいんだよ? こんなに格好良くて何でも持ってるのに、私の事になると自信がなくなるんだから」
そういうところが堪らなく愛しい。
けれど時々、極端なところが危ういとも思ってしまう。
「……かっこ悪いよな。……ごめん」
落ち込んだ彼を抱き締め、背中を撫でる。
「私のために怒ったり悲しんでくれるのは、とても嬉しい。……私を好きだからそうなってくれるんだし」
香澄は佑の頬をスリスリと撫でてから、丁寧にキスをする。
それから佑の腕から抜けでて、コロンとベッドに仰向けになった。
「変な話をしてごめんね。私、今幸せだから心配しないで」
香澄の言葉を聞いて安心した佑は、愛しげに目を細める。
そして「可愛い」と呟いてから、キスをしてきた。
「……ん」
はむ、と唇をついばまれ、香澄も佑の唇をついばみ返す。
見つめ合ったあと、言われずとも次に何をされるのか分かっていた。
目を閉じた香澄の唇を、佑は本格的に貪ってくる。
キャミソール越しにノーブラの胸を揉まれ、カリカリと軽く乳首を引っ掻かれただけで、全身に妖しいざわめきが駆け抜けていった。
同時に、彼の舌が香澄の口内を丁寧に舐め、口蓋を舌先で探ってきた。
「んぅ……、ん……」
佑は香澄がついた吐息すら逃さないというように、唇を重ねてくる。
まるで自分と香澄の間を遮断するものは、空気であっても許さないと言わんばかりだ。
「ぁむ、……ん、……んー……」
キャミソールの中に佑の手が入り込み、滑らかな肌を撫でてきた。
香澄はその手に手を重ね、うっとりと目を細める。
「……佑さんの手、えっち」
「ん?」
「大きくて、指が長くて綺麗なのに、私より指が太くてがっしりしてて……物を持つ時とか、タイピングする時とか、スマホを持つ手も、お酒のグラスを持つ手もえっち」
興奮した香澄は、つい手フェチの部分を覗かせてしまう。
「そうか?」
佑は自分の手を見て不思議そうな顔をしたが、香澄に「えっち」と言われて嬉しそうだ。
「香澄にいやらしい事をするのも、この手だからかな?」
ニヤリと笑った佑はキャミソールをたくし上げ、まだ柔らかい乳首を撫でてくる。
「んン……。そうかも……」
「可愛い色。……形も可愛い」
佑は香澄の乳首を見て呟き、舌を出すとねっとりと舐め、口に含んだ。
「あぁ……」
温かく滑らかな舌が蠢き、乳首を擦っては弾き、ちゅっと音を立てて吸い上げる。
佑は思い詰めた表情で呟く。
「根本的に違うじゃない。佑さん、前に話してくれたよね? 高級車のエンジン音は計算し尽くされた物だって。高級車と、ただ音が大きいだけの車は違うよ?」
「そうだけど……」
すっかりしょげてしまった彼を見て、思わず苦笑いした。
「佑さんは虚栄心のために、わざと大きい音を立てたりしないでしょ?」
そもそも、香澄が抱えている心理的な問題と、高級スポーツカーにF1モードのエンジンが搭載されているのとは、まったく関係がない。
「健二くんの車の音は、思い出とワンセットなの。私は健二くんが乗っていたのと同じ車を見ても嫌いにならない。健二くんが乗る車だから嫌だったの。佑さんが乗る車で嫌な思い出ができるなんてあり得ないから、そんな顔しないで」
彼の目を見てきっぱり言うと、佑はようやく表情を緩めた。
「……本当に大丈夫か?」
「当たり前だよ。佑さん、私が『カラスにつつかれた事があるから、嫌い』って言ったら、世界中のカラスを滅ぼしかねないところ、直した方がいいよ。極端すぎ」
苦笑いして彼の鼻をつつくと、彼はスンッと大人しくなった。
「……分かった……」
そんな彼を抱き締め、香澄は微笑んだ。
「佑さんは、もっと私に愛されてるって自信を持っていいんだよ? こんなに格好良くて何でも持ってるのに、私の事になると自信がなくなるんだから」
そういうところが堪らなく愛しい。
けれど時々、極端なところが危ういとも思ってしまう。
「……かっこ悪いよな。……ごめん」
落ち込んだ彼を抱き締め、背中を撫でる。
「私のために怒ったり悲しんでくれるのは、とても嬉しい。……私を好きだからそうなってくれるんだし」
香澄は佑の頬をスリスリと撫でてから、丁寧にキスをする。
それから佑の腕から抜けでて、コロンとベッドに仰向けになった。
「変な話をしてごめんね。私、今幸せだから心配しないで」
香澄の言葉を聞いて安心した佑は、愛しげに目を細める。
そして「可愛い」と呟いてから、キスをしてきた。
「……ん」
はむ、と唇をついばまれ、香澄も佑の唇をついばみ返す。
見つめ合ったあと、言われずとも次に何をされるのか分かっていた。
目を閉じた香澄の唇を、佑は本格的に貪ってくる。
キャミソール越しにノーブラの胸を揉まれ、カリカリと軽く乳首を引っ掻かれただけで、全身に妖しいざわめきが駆け抜けていった。
同時に、彼の舌が香澄の口内を丁寧に舐め、口蓋を舌先で探ってきた。
「んぅ……、ん……」
佑は香澄がついた吐息すら逃さないというように、唇を重ねてくる。
まるで自分と香澄の間を遮断するものは、空気であっても許さないと言わんばかりだ。
「ぁむ、……ん、……んー……」
キャミソールの中に佑の手が入り込み、滑らかな肌を撫でてきた。
香澄はその手に手を重ね、うっとりと目を細める。
「……佑さんの手、えっち」
「ん?」
「大きくて、指が長くて綺麗なのに、私より指が太くてがっしりしてて……物を持つ時とか、タイピングする時とか、スマホを持つ手も、お酒のグラスを持つ手もえっち」
興奮した香澄は、つい手フェチの部分を覗かせてしまう。
「そうか?」
佑は自分の手を見て不思議そうな顔をしたが、香澄に「えっち」と言われて嬉しそうだ。
「香澄にいやらしい事をするのも、この手だからかな?」
ニヤリと笑った佑はキャミソールをたくし上げ、まだ柔らかい乳首を撫でてくる。
「んン……。そうかも……」
「可愛い色。……形も可愛い」
佑は香澄の乳首を見て呟き、舌を出すとねっとりと舐め、口に含んだ。
「あぁ……」
温かく滑らかな舌が蠢き、乳首を擦っては弾き、ちゅっと音を立てて吸い上げる。
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