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第十五部・針山夫婦 編

〝亀の守り〟 ☆

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「あー、昔は徹夜でゲームしてたっけ。本も読んだ」

「……俺は徹夜で香澄とイチャイチャしてたいな」

 佑の手がもそりとルームウェアのズボンに入り込み、直接お尻を撫でてくる。

「んー……だめー」

 その手を避けるように、香澄はゴロリと佑に背を向ける。
 けれど今度はルームウェアの裾から佑の手が入り込み、胸をぱふっと包んできた。

「こらぁ」

 香澄はやる気のない声で怒ってみせる。

 そんな彼女の声を無視し、佑はポヨポヨと乳房を揉んでくる。
 そのまま彼は「……いい匂い」と呟いてゆっくり深呼吸した。

「……このまま、香澄のおっぱい揉んだまま寝たいな」

「んー……」

 トロトロと眠たくなってきているが、机の上には書きかけの手紙がそのままになっている。

「……お手紙書きたいから」

「明日は日曜日だよ」

「ポストまで歩くの」

「……俺を選んで」

 耳元で甘く囁かれ、ヒクッと香澄の肩が跳ねた。

 そのままチュプ……と耳たぶをしゃぶられ、ピチャ、ピチャと小さな音を立てて耳の輪郭が舐められる。

「……っあぁ……」

 弱点である耳を攻められ、香澄は自分の乳房を揉んでいる佑の手を、両手でギュッと握った。
 佑の吐息が耳に吹き掛かって声を上げ、ビクビクッと身を震わせる。

「ん……っ、ダメ……。も……」

 香澄はごろんとうつ伏せになり、亀のようにうずくまって佑をやり過ごそうとした。

 だが佑は香澄の胸を揉んだまま、覆い被さってきた。

「奥さん」

 耳元でそう囁かれ、香澄は体を震わせて笑いだす。

「ぶふっ……」

「奥さん、今日の下着の色は?」

「んっふふふふ……! やめて……っ」

 クスクス笑う香澄の耳元で、佑の押し殺した笑い声が聞こえる。

 彼がこうやってふざけるのは、かなりリラックスした時なので貴重だ。

「香澄、こっち向いて。キスしたい」

「もぉ……仕方ないな」

〝亀の守り〟の体勢を解き、香澄はころんと寝返りを打って佑の方を向く。

「ん」

 目を閉じてちょんと唇を突き出すと、唇に佑のそれが重なった。

 頭をいい子いい子と撫でられ、唇を丁寧に舐められる。

 佑の舌が、香澄のプルンとした唇の輪郭をたどっていく。
 右端から下唇のラインを辿って左端に辿り着き、そこから上唇のラインを辿って右側に終着する。

 濡れた唇を思わずペロリと舐めると、開かれた唇の間に佑の舌が滑り込んだ。

「んぅ……」

 香澄は彼の舌を迎え入れ、滑らかなそれをチロリと舐める。
 佑は顔の角度を変えて何度もキスをしたあと、本格的に舌を侵入させてきた。

「ん……、んぅ……」

 柔らかく舌を舐められ、先端や側面を擦られる。

 それだけで香澄はとろけてしまい、脱力した。

 彼の大きな手がルームウェアの裾から潜り込み、ノーブラの胸を遠慮無く揉んでくる。

「ン……ぅー」

 香澄は佑の手に自分の手を重ね、小さく首を横に振った。

「どうした?」

 顔を離して尋ねた佑に、香澄は申し訳なさそうに白状する。

「……あ、あの……。今日はできれば本番はなしにしてもらえたら……」

「なんで」

 真顔になった佑の表情を見て、香澄は申し訳なさ一杯になる。

「あの……。お腹一杯になっちゃって、その……。佑さんのが入ったら、何か……口から出ちゃいそうで」

 香澄の返事を聞いて、佑が何とも言えない表情になる。
 だが、出雲の家でお腹いっぱい食べてきたのは確かだ。

「ご、ごめんなさい……。色気のない事を言って……」

「んー……。仕方ないか。体調が万全でない時に無理をさせるのも、本意じゃないし」

「ごめんね? 今度……えーと、騎乗位してあげる」

「ふっふふ……。期待してるよ」

 佑はもう一度香澄の唇をついばみ、ベッドのヘッドボードにもたれかかった。
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