上 下
949 / 1,544
第十五部・針山夫婦 編

なんて顔をしてるんだ ☆

しおりを挟む
(後ろ向きで……良かった……。こんな、顔……見せられない……)

 わななく唇は閉じられず、涎を垂らしかけては舌で舐める。

 香澄は顔を涙でグシャグシャにしたまま、腰を上下させ続けた。
 動くたびに、グチュッグチュッと蜜壷が肉棒を咀嚼する音が聞こえる。

 佑はさっき「音が聞きたい」と言った。
 だからなのか、彼は手を伸ばしてパネルを操作し、ジェットバスの泡を止めた。

「んンっ……、ぅーっ、う、……ぁっ、……っあんっ、ぁ……っ」

 香澄は腰を上下させては休憩し、絶頂しないように調整する。
 タンッタンッと腰を何度か押しつけ、動きを止めてはバスタブの縁を握り締めて呼吸を整える。

 そうやって少しずつ快楽を育てて、静かに絶頂できれば……と思っていた。

 だが――。

「っ香澄……っ。ごめん、つらい」

 苦しげな佑の声がし、「つらい」という言葉に香澄は思わず「えっ?」と振り向いた。

「い、痛かった? ご、ごめんなさいっ」

 尋ねたが、佑は赤面して眉間に深い皺を寄せ、何かを堪える顔をしている。

「……いや、痛いとかじゃなくて。……ホント、生殺し」

「え? ……え?」

 香澄は動くのに精一杯で、今まで彼が何を考えていたのか分からない。
 呼吸を乱して目を丸くする彼女を見て、埒があかないと思ったのか、佑は彼女の腰を両手で掴んだ。

「動いていい? 香澄が頑張ってくれるのは嬉しいけど、物足りないんだ。強くされるのは嫌か?」

 尋ねながらも、佑の指は香澄の腰に食い込んでいる。
 今すぐ手に力を込めて、腰を叩きつけたい衝動と戦っている。

 けれどいつもと比べたら、今日はとても我慢しているほうなのだろう。

「う……うん。……だい、……じょうぶ」

 返事をした香澄の乳房を、佑がたぷ……と揉み始める。

「本当に大丈夫か? 自分のペースがいいなら、我慢する」

(あ……)

 そう言わせてしまい、香澄は「違う」と思った。
 確かに自分のペースでしたいと思ったが、それでは佑が満足できない。

 香澄は「ぅん……っ」と体をねじらせ、彼を見つめる。

「……佑さんの、好きなようにしていいよ」

 濡れた視線が絡み合う、その一瞬ですべてが通じた気がした。

 佑が片手で香澄の乳房を揉み、もう片方の手は腹部を撫でてからあえかに生えたアンダーヘアに至る。
 肉芽に触れられた瞬間、香澄はビクッと体を跳ねさせて本能的に脚を閉じかけた。

「頑張って脚開いてて」

「ん……」

 けれどそう言われ、コリコリと肉芽を捏ねられるのを我慢して脚を開き続けた。

「あン……っ、ん! ん~~っ……」

 佑は結合部から蜜をすくい取り、それを塗り込めるように肉芽を捏ねてくる。
 思わず下腹部に力を込めると、佑が深く息を吸ったのが聞こえた。

「……締まる……っ」

 彼は唸ったあと、苦しそうに、けれど気持ちよさそうに息を吐く。
 そして不規則に香澄を突き上げ、両手を動かし続ける。

「ぅんっ、ン! うぅーっ、……あっ、あぁあっ……んぁっ、……ぁ、くっ」

 佑の太い一物を蜜壷で頬張ったままだというのに、弱点をコリュコリュと捏ね回されて堪らない。
 何かにしがみつきたくて堪らなくなった香澄は、またバスタブの縁に縋り付いた。

「達きたいなら達っていいよ?」

「んっ! ……っ、う、……ぅ、っあぁあああぁ……っ、あんっ! んっ」

 肉芽の包皮をツルンと剥かれ、数度ヌルヌルと撫でられただけで絶頂が訪れた。

 香澄はギュウッと蜜洞で佑を喰い締め、ガクガクと全身を震わせる。

 彼女はそのまま脱力し、前のめりになってバスタブの中に座り込んでしまった。

「香澄、まだいけるか?」

 尋ねられて振り向くと、図らずも目の前に彼の漲った屹立が迫った。
 大好きな人の最たる部分だと思うと、愛しくなってつい手がでてしまう。

「香澄?」

 香澄は座り込んだまま、佑の屹立に手を添えて軽く握ると手を前後させる。
 屹立は蜜で濡れているので滑りがいい。

 知らずと香澄はゴクッと唾を嚥下し、物欲しそうに唇を開いていた。
 その表情を見た佑が、苦笑いをして頭を撫でてくる。

「なんて顔をしてるんだ」
「んン……?」

 濡れた唇を親指でなぞられ、香澄はトロンとした目で佑を見上げる。

「いま、何をしたい? 素直に言ってごらん」

 さらに顎の下をくすぐられ、まるでペットのうさぎになった気分だ。

 香澄はまた唾を嚥下すると、おずおずと尋ねた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

なりゆきで、君の体を調教中

星野しずく
恋愛
教師を目指す真が、ひょんなことからメイド喫茶で働く現役女子高生の優菜の特異体質を治す羽目に。毎夜行われるマッサージに悶える優菜と、自分の理性と戦う真面目な真の葛藤の日々が続く。やがて二人の心境には、徐々に変化が訪れ…。

ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~

taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。 お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥ えっちめシーンの話には♥マークを付けています。 ミックスド★バスの第5弾です。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

社長の奴隷

星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)

【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!

臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。 そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。 ※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています ※表紙はニジジャーニーで生成しました

【R18】エリートビジネスマンの裏の顔

白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます​─​──​。 私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。 同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが…… この生活に果たして救いはあるのか。 ※サムネにAI生成画像を使用しています

処理中です...