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第十四部・東京日常 編

「好きだろ、これ」 ☆

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「は……、達ってる……」

 佑が嬉しそうな声を出したのを、香澄はトロリとした思考の中ぼんやりと聞く。

「香澄? 大丈夫か?」

 心配しつつも、佑は腰を小さく前後させ、ヌプヌプと最奥を優しく突いてくる。

「んぅ、んーっ、んぅ、んぁ、あ、あー……」

 虚ろな目でシーツに入った皺を見ている香澄は、もはやまともな返事ができない。
 膣が勝手にピクピク蠢き、早くも佑の射精を誘っていた。

「香澄、まだ達ってあげられないからな」

 佑は、く、と笑ったあと、濡れそぼった蜜壷に屹立を突き立て前後させる。
 グチュッグチュッと蜜を攪拌する音がベッドルームに響き、香澄の嬌声がそれに重なる。

「あぁあああ……っ、あぁあ、いやぁああ……っ、こす、――らないで……っ」

 正常位で入れられるのとはまた別の角度で膣壁を擦られ、香澄は力の入らない手でシーツを握り、ビクビクと体を跳ねさせる。

 達ったまま戻れなくなっていて、正直どうしたらいいのか分からない。

 佑の両手が香澄の乳房を揉み、柔肉をねっとりと捏ね回して楽しんだあと、先端を指でキュッと尖らせて更なる嬌声を誘った。

「いやぁあ……っ、ん、そこ、引っ張ったらダメぇ……っ」

 佑によっていやらしく開発された体は、乳首を軽く引っ張られただけでも下腹部に快楽を伝えてくる。
 香澄の乳房を自由に捏ねまわしながら、佑は最奥まで突き上げたあと、グリグリと腰を押しつけていじめてきた。

「ふぅ……っ、ん、んン! あ、……はぁ……っ、あぁあ……っ」

 ぎゅう……っと膣を引き絞り、香澄は髪を乱して悶え抜く。

「香澄……っ、締まる……っ」

 く、と喉の奥で一瞬呼吸を止めた佑が、溜め息混じりに言葉を吐きだす。

(感じてくれてる……)

 佑の色っぽい声を聞いただけで、香澄のメスの本能が悦んだ。

 香澄はゴクッと口腔に溜まった唾液を嚥下し、力が入らないながらも懸命に下腹に力を入れてみた。
 ヒクヒク蠢く膣壁で締め付けられたのが分かったのか、佑は「こら」と言いながら荒っぽい息をつく。

「悪い……、うさぎだ」

 のしっと佑の体重が掛かったかと思うと、香澄は重みに負けてぺしゃんとシーツの上にうつ伏せになってしまった。

「うぐぅ……」

 佑はくぐもった声を漏らす香澄の頭を撫で、覆い被さったままグチュグチュと突き上げる。

「うぅーっ、う、んんん……っ、ぁ、っ……あ、やぁあ……っ」

 完全に佑に征服された姿で犯され、香澄の被虐的な部分が悦びの声を上げさせた。

「好きだろ、これ。動けなくされてズボズボされるの」

「ん……っ、む、うぅ……っ、うーっ」

 言われて正直に「好き」と言うのも恥ずかしく、香澄はシーツに顔を埋めて不明瞭な声を上げ続ける。

「苦しくないか? ほら」

 けれど佑に右肩を引かれ、上半身を横向きにされた。

「っあぁあ……っ、ん、あぁ、深い……っ、からぁ……っ」

 潤んだ香澄の目に、室内の壁が映る。
 そこには間接照明に照らされて、一心不乱に自分を穿つ佑のシルエットが映っていた。

「あぁ……っ、あ……、やら……し……っ」

「ん、いやらしいな。香澄以上にいやらしい女を俺は知らない」

 片脚を抱え上げられて松葉崩しのような体勢になると、さらに深い所まで佑の亀頭が入り、ヌチヌチと香澄の最奥にキスをする。

「んーっ、ン、んぅーっ、あ、あぁああぁ……っ、はあぁ……っ、んぅーっ」

 もはや可愛らしい嬌声など上げられない香澄は、汗だくになって本能の声を上げた。

「ここも好きだよな?」

 ぷっくりと膨らんで濡れそぼっている肉芽を摘ままれた瞬間、香澄は佑をきつく吸い上げながらまた達した。

「っああぁああぁううううぅう……っ!!」

 これ以上ないという程いきんで、頭の中を真っ白にした香澄は、ふぅっと意識を薄れさせてしまう。

「香澄?」

 佑はずちゅ……と腰を引き、怪訝そうに声を掛けてくる。

「ごめん、いま終わらせるから」

 それから先、佑は香澄を感じさせる事より、自身の快楽に集中して腰を動かし始めたようだった。

 だが香澄は何をどうされても酷く感じ、涙混じりの声を上げて「許して」としか言えない。
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